2008/06/20

石けん

日本にいるときの趣味は石けん作り。作るのが面白くてどんどん作っているうちにすごい数の石けんが出来上がった。
いくら使っても使っても、1日に家族で使える量なんて限りがある。友達にあげたりもしていたけれど、それでもまだまだ。
一時期は、昔弟が使っていた部屋が石けんだらけになったほど。
最近は作るのを我慢してる。
けれどやっぱり作りたい。
ということで、フリーマーケットに出してみることにした。

市内のどこかしらで毎週必ずといっていいほどフリーマーケットが開催されていることを発見。ためしに3回ほど出てみた。
売り上げは、、、あきれるほどさっぱり。ゼロではないんだけれど、なかなか思うようには出ない。

それなのに、出店するのがすごく楽しい。
そんな理由は、フリーマーケットに来るお客さんたち、そして出店者たち。

ここは都会ではないから、フリーマーケットといっても都内の大きな公園でおしゃれなものを物色するようなフリーマーケットではない。
常連出店者たちは、もはやテキヤさんのような雰囲気。そして常連ではない出店者たちは、家にある要するに「いらないもの」を持ち寄っている。

今日のお隣はお姉さん。ベビー服も並んでいるからきっとママ。
「結婚式の。。」「ほとんど使っていなくて。。。」
ははぁ。引き出物か。そうだよね。引き出物って頂いてうれしいけれど、、時々困ることもある。
なんて思いながらそっちを見たら、なんとウェディングドレスを着るときのパンプスとヴェール。手袋まで。
ぅわぁお、だ。90センチのベビー服をフリーマーケットに出すころになると、結婚式の思い出の品も「いらないもの」になってしまうのね。
でもでも、閉店直前にそれが売れてしまったのだから、もっと、ぅわぁお、だ。買っていったのはどう見てもおばさん。
最近人のことなど笑えないほどおばさん化している私はお姉さんに聞いてみた。
「ねぇねぇ、ウェディング用品買った人、あれどうするんだって、聞いた?」
「妹とかが今度結婚するんだって。」
「むむむむmmm。」
あのおばさんの妹となれば、きっと妹さんもおばさんなはず。きっと2回目??
勝手な想像がどんどん膨らむ。2回目だからウェディングの細かいものはフリーマーケットでもいいのか。
納得できるのかできないのかよくわからないけれど。

私のブースはといえば、、、。
初回であまりにもたくさんのおじいちゃんおばあちゃんに「餅かね。羊羹かね。」と聞かれるので、前回から『手作り石けん』と大きく書いたサインを出している成果あり。今日の「餅かね。」は一人きり。
上出来上出来。
大抵の出店者が地面にシートを敷いただけの高さで出店しているにもかかわらず、テーブルを用意している私は歩いている人とそれ程目線が変わらない。そのせいか、立ち止まって話をしていくお客さん(通行人??)が多い。
「こんな暑い中ご苦労さんだねぇ。」
「いやいや。風が吹くと気持ちいいですよ。これ、てづ、、、。」
「スーパーのなかにはいりゃ、気持ちいいよぉ。」
「そうですねぇ。せめて日陰ねぇ。せっけ、、、。」
「熱射病にならんとね、気をつけて。」
「、、、はい。」
若い者はお年寄りに耳を傾けなければいけないのだ。
祖母が亡くなってから身近にあまり聞かなくなった柔らかい方言が耳に心地よかったりもする。

石けんは誰にでも興味があるものなわけじゃない。
特にお財布の紐が硬く硬く閉めてある人たちにとってはぜいたく品に近いと思う。だから、フリーマーケットのような安さ勝負に近い場所で石けんを売ろうとするのは本当は間違っているのかもしれない。主催者の方はいつも私の売り上げを気にしてくださっている。申し訳ない。
でも、たとえ数時間でも外に出て、知らない人と話をするのは本当に楽しい。
売り上げよりも、きっと楽しさに味を占めて、きっとまた出店します。次回は、なんと明日。