2014/10/28

1泊1kg増??

数ヶ月ぶりの日本帰国。
さらに2年ぶりに、今年96歳になる祖母を連れて、母とおばと4人で温泉に出かけた。


急遽予定が入ったことと、紅葉のシーズンも重なって、やっと見つかったのが1泊分だけ。
1泊だけじゃ、かえって疲れちゃうだけかなぁ。せわしないかなぁ。なんて、迷ったりもしたけれど、まぁ、それでもせっかくだから、ということで出かけることに。

祖母の住む埼玉の町から一番近いところ、という条件で、水上温泉へ。
ここなら車で2時間前後、あるいは、電車でも1度の乗換えで済む。


2年前には、同じ水上へ車で送っていってもらったのだけれど、今回は「泊まりもしないのに、おじに送迎を頼むのは酷だ」ということで、とりあえず行きは電車で・・・。
さらに2年前の宿は、何もかも言うことはないのに、食事だけがちょっぴり納得のいかない味だったので、宿を探す時点から父に「ご飯のおいしいところね」という条件で探してもらった。


だって・・・ご飯さえおいしければすべてよし、というスタイルの私にとって、ご飯以外はすべて申し分ない、と言われても魅力は半減・・・いや半分以下になる。
まぁ、インターネットで探しているのに、ご飯がおいしくなくちゃいやだ、という条件は父だって困ったと思うけれど・・・。


が、結果的には大満足。


山の幸だけかと思いきや、おつくりもおいしく、デザートまで甘すぎずに、最後までおいしくいただけた。


さて。
温泉街の宿に来ているのだから、日に2度も3度もお湯につかる。うれしいことに部屋にまで露天風呂が付いていたので、心置きなくお湯につかる。
のびのび、と。
だらだら、と。
お湯につかっているとき以外には、何をするでもなく、ごろごろと部屋で本を読んだり・・・。足元がおぼつかない祖母がめんどくさがるので、庭を散歩さえしない・・・。親子3代で暇だから口げんかすら始まる・・・。
なんという、ぐうたら旅行。


二日目の朝。
朝から共同の露天風呂に入って、脱衣所にあったマッサージ機かなんかで、さらに心身ともにだらけきる。
何にもしてないし、な~んにも考えていないもんだから、宿やお風呂にある設備なんかも気になって、ちょっといじってみたりもする。

あ、体重計。しかも、なんか昔、保健室にあったのみたいにはかりの目盛りが目の前にある形。
なつかしいじゃ~ん、なんて、乗っかってみる・・・。


あれ?ちょっと、ちょっと。
この体重計・・・私の体重よりも多く表示してない?
昨日家で測ったときよりも1kg以上多いよ。


いや、もちろん、私の乗っている体重計が私の体重以上の数字を表示するわけもなく、それはやっぱり私の体重。
後ろから、母が足でも乗っけてるんじゃないかと、振り返ってみたけれど・・・違う。母は足の届きそうなところにはいない。


ええ~、おいしいものを食べて、ちょっと・・・いや、本当にちょっぴりだけ、だらだらしただけで、1kg増ですか?
なんか理不尽・・・な、気が・・・。


1泊1kg??

うちにいたって、特に何かエクセサイズをしているわけでもないし、ジムなんかに通ってるわけでもない。ドイツで始めたジョギングだって、3日坊主ではなかったけど、とっくの昔に日常の習慣からは消え去ってる。
要はうちにいて、家事はしているけれどそれ以上の運動はしていないということ。
で、1泊旅行に来て、1日、いや、半日家事をしなかっただけで1kgも増えちゃうの??


特に自分の体重を意識して暮らしているわけじゃない。半年間太り、半年間やせるというサイクルになっているので、働いていないときには、常に徐々に増え続けていくのが私の体重の自然な状態。
だけど。
だけど、1日で1kgはっきりと増えているっていうのは、やっぱり気になる。
どういうこと。家事って、そんなにエネルギーを消費してるの、実は??


まぁ、家事の運動量が多いかどうかは別として、温泉旅行というのは1泊に付き1kg増くらいに考えておいたほうがいいんだろうか。
まさか、5日で5kgということはないだろうけれど、おいしいものをたらふく食べて、何もしないでごろごろしているとこういうことになるのだ、きっと。


実際に増えた体重よりも、1日で1kg増やすことができるのだ、というところにショックを受けた今回の発見。
毎日している家事だって、馬鹿にならない運動量なんだろうな、と再発見でした。





2014/09/29

作り置きめんつゆ

ドイツにいて、基本的に日本食をつくることはない。
Wolleが白いだけのご飯があまり好きではないということがひとつ。私がドイツ料理が上手になりたいという理由がひとつ。

大体、日本食が作りたくても、日本でそろう材料の量と比べると、日本食用の材料が売っていることはまずない。お豆腐もないし、もちろん油揚げもない、納豆もなければ味噌もない。新鮮なお魚など皆無。冷凍であっても海鮮類はないに等しい。お野菜も季節のものが数種類と、おいもとたまねぎ。季節以外のものは冷凍になっているもの。


そんなところでも、ごくたまに、おだしで割ったしょうゆ、いわゆるめんつゆのようなものが必要になることがある。
一人でお昼。さあ、今日こそいつも食べられないおそうめんを・・・。なんていうときに。


でも、ここで、一人分のおだしを取るのは面倒。さらに、一人分のすすりこむおそうめんのために、昆布を一切れ使うのは、限りある日本食材料にもうしわけない気もする。

そこで考え出したのがこれ。
作り置きめんつゆ。






作り方は恐ろしく簡単。
必要なのは、だし用の昆布、鰹節、そして、しょうゆ。

適当な容器に昆布と鰹節をつめる。そこに、おしょうゆをたっぷりといれて置くだけ。2週間もすれば、市販で濃縮されて売っているめんつゆ程度にはなる。

しかも、容器さえきれいに殺菌してあれば、おしょうゆと同じくらいだけ持つんじゃないかしら。


不自由なところにいると、知恵っていうのは普段よりも回るものなのかなぁ。






ベジタリアン考

こんな言い方をしていいのかどうかわからないけれど、「ベジタリアン」という種類の人たちがいる。
日本語で言えば一般に「菜食主義」とでも言うのだろうか。


ベジタリアンという言葉だけ聞くと、単に「肉類を食べない」というイメージがわく。
ところがこれが実にさまざまで、単に「肉を食べない」「魚介類も食べない」「乳製品も食べない」などなど、個人個人によって異なる。
これが、宗教が理由のベジタリアンなら、どこが線引きの理由なのかはっきりする。
が、個人の主義でベジタリアンな場合、「なぜ?」というのが私の頭にいつもわく疑問。


「私は肉類の味が嫌いだから、肉を食べない」
というのなら極自然に理解できる。
これは「主義」の問題ではなく「好み」の問題。


私の友達にも何人もベジタリアンがいる。
いくつか例を挙げてみよう。


ベアントの場合:
肉類、卵を食べない。魚介類、乳製品は食べる。
彼は単に肉類を食べないことを主義にしている。卵を食べないのは単に「味が嫌い」だから。
ロッククライマーの彼は常に「よい食品」を求めている。少量でかつ即エネルギーになるものを好む。たとえばドライフルーツ、ナッツ、はちみつ等。
ドイツ人の彼は、バーベキューのパーティなどには比較的顔を出さないが、出かけてくるときには必ず自分で必要な食料を持参してくる。・・・そしてなぜか残りはおいていくので、うちにはベアントが残していった、誰も食べないドライフルーツのパックなどが転がっていることがある。


ドイツ人でベジタリアンという人は比較的少ない。こんなにお肉がおいしい国で、しかも、これだけお肉を食べる国でベジタリアンというのはなかなか難しいものがあるんじゃないかと思う。




ステファンの場合:
肉類を食べない。魚介類は食べる。卵、乳製品に関しては時期によって自分で調節しているらしい。
彼は動物性の肉食品に関しては徹底して口に入れない。
例えばお菓子のグミ。実はこの製品の材料に動物性のものが入っていることが多い。ゼラチン質のようなものだ。こういう材料にも徹底してこだわるから、何が入っているかよくわからないものを目の前にすると、まず材料を疑う。
彼がベジタリアンになったゆえんは、「昔大好きだった彼女がベジタリアンで、少しでも彼女と同じになりたかったから。」
いかつい顔をして「好きになった人と同化したいっていうのは、誰でも思うことだろう?」なんて真顔で言われると、さすがラテンの熱い血が流れている、と、こっちも真顔で思ってしまう。


彼曰く、動物性のものを徹底して口に入れないでいると、血の気が多い人も落ち着く。
彼がその大好きだった彼女と別れて後もそのままベジタリアンでいる理由もそこにあるという。
・・・が。ベジタリアンでいても、十分血の気がある・・・というか、興奮しやすい彼が、お肉を食べたらどうなってしまうんだろう、と、ひそかに彼がベジタリアンであることをうれしく思った。






この二人は私が知っているベジタリアンでも顕著なひとたち。しかも友達としても近しい・・・あるいは近しかった。


このほかに「お肉が嫌いだから」という理由で肉類のみ食べないベジタリアンがドイツのご近所さんのマヌ。
でも、彼女がバーベキューパーティを開くときにはちゃんとお肉も用意されている。でもその他に、ドイツでは比較的高価な魚も、あるいはチーズの固まりもアルミニウムフォイルに包まれて火にかけられる。・・・マヌはとてもフレンドリーなのだ。
彼女の影響か、血か、お嬢さんもお肉を食べない。まだ14歳くらいだというのに、体がしっかり育つんだろうか、などといらぬ心配をしてしまう。


Wolleの姪っ子のマヤが私に一言漏らしたことがある。
「マヌもね、○○(お嬢さんの名前、忘れちゃった)もね、お肉を食べないんだよ。おかしいね。
おいしいのにね」と。
バーベキューでは、子供がいればソーセージを必ず用意し、それしか食べない10歳のマヤにとって、お肉を食べないということは「不思議なこと」以外の何ものでもないのかもしれない。




もう一人。かわいいベジタリアン。
ズーレンの場合:
彼は13歳。男の子の割りに、比較的やんちゃなことをしない彼。なぜかキッチンが大好き。
最近「ベジタリアン」なるものに興味を持ち、自分も試してみることに・・・。
去年まではバーベキューをするときなんかに、自分の手料理の肉料理を用意したりしていたのに、今年はなぜかケーキを用意してきた。
「どうしてケーキなの」って聞いたら、「僕はベジタリアンになったんだ」とのこと。


私たちの結婚ーパーティにも素敵なケーキを焼いてきてくれた。その彼がお手伝いに頼まれたのが夕食のブュッフェの豚肉を切り分ける係り・・・。
彼のベジタリアン転向を聞いていた私たちはみんなで大笑いした。
彼とて肉類が嫌いでベジタリアンになったわけじゃないのに、食べられないおいしそうなお肉を他の人のために切り分けるのは、さぞかしつらかろう、と。






ところで、日本人でベジタリアンという人はほとんど知らない。
私が知っているのはたった一人。彼女はお肉を噛む感触が嫌いで肉を食べない。


ただ、例えばここドイツと比べると、日本人は一般的な日本食の生活をしていれば、お肉の摂取量は極端に少ない。
特にステーキなんかをわざわざ食べに行かなければ、口いっぱいにお肉をほおばる、なんていうことはめったにないはず。
焼肉なんかでも、必ず食事の数割は野菜を食べていると思う。


ちなみにドイツでよくするバーベキュー。
ステーキと、ソーセージと、ハンバーグ。
・・・え?それだけ?
なんて事もある。
私が用意するときにはあれこれみんなも食べそうな野菜を一生懸命用意したりもする。でも、たいていは残る。
これこれ、食事にはバランスってものがあるでしょ。とか、なんとか言いたくもなるけど、それ以前に、お肉ばっかり口に入れてたら逆に満足しないんじゃないかとも思うけど。


こうしてみると、日本人ってずいぶんたくさん「肉以外の食品」を食べるものだな、なんて思う。
大豆の加工品、魚介類、これだけでも食事の何割かを占めるんじゃないかと思う。




さて、ベジタリアンの話に戻ろう。
私が知っているベジタリアンの人たち。
正直に言うと癖のある人が多いように感じる。
自分の食生活にまで主義を取り入れるくらいだから、他のことだってこだわるに決まってる。
自分の意思や意見がはっきりしていて、概して周囲の人の意見を受け入れることが少ない。
まさに、わが道をゆくタイプだ。
まぁ、わが道をひたすら歩いてでもいない限り、世にある肉類を無視する、などということは起こらないと思うけれど・・・。


が。
今ひとつ気づいたことがある。私の知っているベジタリアンたち、まだ少年のズーレンを除いて、ほぼ全員喫煙者だ。アルコールもしっかり摂取する。
彼ら。健康に留意してベジタリアンでいるわけではなさそう・・・。






最後にもう一人。
自称ベジタリアンの、なんちゃってベジタリアン・・・だと私は思うんだけど。
ホンジュラスで同じダイブショップで働いていた女性。


あるとき、当時最近できたおいしいバーガー屋さんのハンバーガーを私がほおばっていると、隣に彼女。
「バーガーなんて食べてるの。ああ、気持ち悪い。そんな不健康な食べ物はないのよ。私はベジタリアンなの。あなたも私みたいに、少しは健康に留意したらどう?」


かくいう彼女がすすっていたものは、インスタントのカップヌードル・・・。
ベジタリアンを誇る彼女は、インスタントのヌードルにどれくらい動物性のものが入っているのか知らなかったんだろうか。私のおなかに入っていくバーガーのほうが、彼女がすすっているものよりもはるかに健康的だと思うけど・・・。

なんだか、それを聞いて彼女のことがちょっとかわいそうになったけど、かわいそうすぎて「でも、おいしいよ」って言うだけにしておいた。
彼女はいまだにベジタリアンで、インスタントヌードルをすすっているんだろうか・・・。






各人考え方もあるし、主義もあるだろうし、好みだってある。
でも、例えば食材のうち数%を自分の世界から排除する、という行為は、食事だけにとどまらないんじゃないだろうか。
そういう好み、あるいは趣向を取り入れる人は、気づかないうちに自分の周囲にいる人の数%を排除して生きてはいないだろうか。自分のできること、するべきこと、すべてにおいて数%排除、あるいは見ない振りをして生きていたら、自分の可能性や世界を自ら狭めることになりはしないんだろうか。
私のような欲張りは、その数%を「試してみなくちゃもったいないでしょ」なんて思ってしまう。






肉、肉、と野菜よりも肉のほうが好きなように聞こえるかもしれない。
確かに私はお肉が大好き。
でも先週末、少し離れたところに住む友達の家へ泊りがけで遊びに行ったときのこと。


彼らは大量のビーフステーキとソーセージを用意して待っていてくれた。
やっぱりステーキはポークよりビーフよね、なんて、大喜びで食べていたのだけれど。翌日も、その翌日も、ステーキとポテトだけの食事。


気がついたら、お肉に飽きていた。もういいよ、お肉。なんか、野菜ないの、ポテト以外の・・・。普段大好物のチーズも、朝食の卵も食欲が出ない。これだって動物性のもの。


ああ、お肉ってお野菜と一緒に食べるからおいしいのよね。
お野菜だって、お肉と一緒に食べるからおいしい。


おいしければ、お肉だってお野菜だっていいのだ!・・・というのは主義にはならないでしょうか。



2014/09/09

ブタのアブラ

前述のドイツ料理の本を手に入れてから、その本に載っている料理ばかり作っている。


簡単にドイツ料理の本、なんて言っているけれど、実はドイツ料理じゃないものもたくさん載っている。パスタやピザ、タイトルに「中華風」なんてついているのもあるし、カレーの類なんかも入っている。


が、やっぱり圧倒的に多いのはドイツ料理。


一度作ってみて、うまくいかなかった料理は再度リベンジなんかもしてる。
あ、ついでにここで言っておくと、先日Zucker(砂糖)とZuckerschoten(さやえんどう)を間違えた料理も再挑戦してみた。
さやえんどうは遠くのスーパーマーケットまで行かないと手に入らないので、代用としてグリーンピースを使った。
今回は甘くなく、一般的なソースの味になった・・・・当たり前だけど。その代わり・・・といってはなんだけど、なんともない、普通の料理になった。むしろ、砂糖を少し入れたら、ちょっとは独創的なものになりそうな・・・・。


さて、この本に載っているドイツ料理は、クラッシックなものが多い。
カロリーを少なめに、とか、コレステロールをためないように、とか、そんなことを考慮してあるレシピではない。


そこで気がついたこと。
ブタの脂、すなわちラードをよく使うということ。
前もって炒めておくものとか、野菜なんかもその脂で炒めたりする。


もちろんお肉屋さんにもブタの脂が売ってる。
私が普段使っているのは、脂を燻製にしたもの。
要は、ベーコンの脂身の部分だと思ってくれるといい。残念なことに、なぜか最近このブログを書くときに写真がうまくページに反映されないので、これです、といえないのだけれど。
まっ白な脂の周りがベーコンのように茶色になってる。


この脂。
冷蔵庫に入れておけば硬い。冷蔵庫に入れなければ、油脂なのでやわらかくなる。でも、一度燻製にしてあるものなので形はもちろん保ったまま。
これを極薄切りにしてそのまま口に入れても塩味が効いていてすごくおいしい。


私が調理しているときに、Wolleが周りをちょろちょろしていて、これをポンと口に放り込むのをはじめて見たときには驚いたものだ。
「何してんの、それ脂だよ!」
そんなに塩味が効いているとは知らなかったので、見て、気持ち悪くならないのかなぁ、なんて思った。まぁ、生の玉ねぎも口に入れてしまう彼のことだから、大丈夫なんだと思うけど。
・・・と、そんな私も今では調理中に極薄いものを口に入れることも・・・。


この脂の塊を薄切りにしてフライパンに乗せて中火にかけておくと、数分で脂が溶け出し、料理に使う、というわけだ。
オリーブオイルや他の植物オイルを使うよりも断然料理にうまみが出る・・・のは当たり前だ。


そしてこの脂は、燻製になっているせいなのか全部溶けることはない。
フライパンに脂がいきわたるころには、脂を出し切った残りがカリカリになって残っている。


と、これがまたおいしい。
ちょっと塩辛いけど、ビールのおつまみにはぴったり。なにか揚げ物のような味と歯ごたえ。


驚くことに、牛肉の料理にもこれを使う。
牛肉はおいしいけれど、脂身が少ない、ということで、牛肉を巻いて煮込むような料理にも、この脂を巻き込んで煮込んだりする。
私の日本的感覚では、牛肉の料理にブタの脂を使うなんていうのは、味が混ざってしまうような気がするけれど、これはこれで、すごくおいしい。


何日か前に気がついた。
あれ、最近Fett(脂)をよく買ってるなぁ、と。
数日前に買ったばっかりなのに、もうストックがなくなってる・・・なんて。


そんなことに気がついたものだから、今度はその使用量が気になってきた。
こんなに脂を摂取していていいんだろうか。絶対にカロリーは高いはず・・・。
私もWolleもドイツにいるときにはろくに運動なんてしないのに・・・。そんなものを使わなくたって、二人ともドイツにいる間むくむくと大きくなってしまうのに・・・。


ちょっと気になって調べてみた。
ラード大さじ1杯のカロリーを消化するのにジョギング26分だって・・・。
私がいくら奮起してジョギングに出かけたところで、こんなに毎日豚脂を摂取していたら確実に横幅が成長するはず・・・。
ちなみにこれを調べたのはこちらのページ;
カロリーSlism ←クリックするとそのページに移動します




でもね、その代わり料理は格段においしくなる。


うちは二人だけの家族だということもあって、ちょっと贅沢に調理用にはオリーブオイルだけを使っていた。ドイツでは一般に調理用には菜種油を使うことが多いみたいだけど。


例の料理の本を手に入れてからは、レシピどおりに作っているせいかオリーブオイルと豚脂が半々・・・?




でもねー、豚脂を使うと、料理が簡単においしくなる。
どうしてこれを無視できようか・・・。


ちなみに脂を使った料理のレシピも調べてみた。
脂を使ったレシピ


みてみてください。
コクというか、こってり感というか、そういうものを出すのにはもってこいな材料。




でもまぁ、おいしいおいしいとはいえ、あんまり材料や栄養が偏らないように気をつけないといけないよなぁ・・・・と、これを書いている今、その最中でさえ思う。
おいしいものを食べて、ちょっぴりころころするか、我慢して自分が健康だと思い込むか、一体どっちがいいんだろう。


何事も限度ってものがあるから、この豚脂の使用量も、ちょっと気をつけなくてはいけない、とちょっとだけ気にし始めたここ数日。
レシピに忠実に作るのもいいけど、一通りレシピどおりに作ることを楽しんだら、少しレシピをアレンジして脂の使用量を減らすのも手かなぁ・・・なんて・・・。











2014/08/29

おかしな料理

先日もこのブログに書いたドイツ料理の本。
もちろんまだまだ飽きずに、毎日キッチンで活躍してもらっている。なんせ、何百という料理の数。ちょっとやそっとでは品切れにはならない。


先日。
作ろうと思った料理名はKoteletts in basilikumsahne(バジルクリームのカツレツ)。
もちろんこのレシピにも写真はついてない。
調理の仕方を読んで、どんな料理になるのか想像をしてから作り始める。煮物なのか、焼き物なのか、揚げ物なのか。
この料理はカツレツにバジルを使ったソースがかかっているもの・・・と想像する。


バジル、カツレツ用のお肉、白ワイン、バター・・・と材料を そろえる。


私がこの本を使って料理をするとき・・・まぁ、最近はまだ毎日のことだけど。
あらかじめ調理方法を読んで、さらに作りながら確認して・・・と、普段料理をするのと比べると格段に時間がかかる。
まぁ、私のドイツ語力を考えるとそれでもまだ許せる範囲内だと思うけど。
まず、1行読んで、これをして、さらにもう1行読んで、それをして・・・と、まるで初めて料理をする若い奥さんみたいだ。・・・私は新しい奥さんではあるけど、若い奥さんではない・・・ちなみに・・・。


今思えば、調理中、フライパンで肉汁に砂糖を入れたときに、なんだか量が多いなぁ、とは思った。
いくらなんでも、これは私たちの口には甘すぎる、と、砂糖の量を少し減らしもした。

できあがった料理は、まぁ、おいしいんだけど、やっぱりそれでも、ちょっとだけソースが甘すぎる。でも、お肉と一緒に食べるとそこそこおいしい。
まぁ、そんなもんよね。全部のレシピが私たちの口に合うとは限らない。




本の中のレシピで、一度作ったものには、一応コメントを入れている。出来上がった料理で、
味を調整したいことなど、など。調理時間が長すぎる、とか、この材料が多すぎる、とか。


今回のレシピにも一言「砂糖が多すぎる」って、書こうと思ってページを開く。
zu viel Zucker・・・・と。
さらっと、レシピを読み返していると・・・。


あれ。
材料のところ。
Zucker(砂糖)じゃなくて、Zuckerschoten(さやえんどう)って書いてあるんじゃない?

材料がページの端側に書いてある。
横幅が狭いせいで、ひとつの単語が二つに区切って書いてある・・・。
200g Zucker-
schoten
・・・って。
このZuckerの後ろのハイフン(-)はひとつの単語を2行に分けて書かなくちゃいけない時につけるもの。

いや、確かに。
普段、砂糖の量はEL(Essloeffel・食事用のスプーン)とか、TL(Teeloeffel・ティースプーン)で分量が書いてあるのに、どうしてここはグラムで書かれてるんだろう、とは思ってた。量が多いからかなー、なんて。
 




・・・って、ことは。
あのソースが甘かったのはやっぱり間違い????
さやえんどうを入れなくちゃいけないところに砂糖を入れたら、そりゃ変な味になるよね。
レシピどおりの材料で作ったら、ソースは甘くなく、しかもちょっと緑が入ってきれいだったんじゃない?


なんという読み間違い・・・。
自分自身であきれてものも言えない。


仕事から帰ってきたWolleにも、夜飲みに行ったときに会ったHeiniにも、しこたま笑われた。
唯一「あー、それは間違えやすいかもー」と、やさしく慰めてくれたまめこちゃん、ありがとう。




それ以来、私が料理の本を眺めていると、Wolleが脇から言う。
「写真のついてない料理にしようよー」
最初のときだけ聞いてみた。
え、どうして?そのほうが難しいんだよ、私にとって。
「だって、どんな料理ができるか、楽しみだし、面白いじゃ~ん」


・・・・・。
この前のバジルソースのカツレツは彼にとって面白かったのか?
あるいは、はて、私の間違いを笑うのが面白いのか?


確かに、こういう間違いは後になって面白くはある。
でも、なんだかおいしくないよねー、と思いながらご飯を食べるのはうれしくないじゃん!!


すでにいくつも作ってきたレシピ。このソース以外にももしかしたら勘違い調理があったかもしれない。


あのあと、Wolleは何を楽しみにしてか、私が本を使って料理をすると、その後にレシピ見せて~、とにやにや顔でいうようになった。
いやいや、そうそう同じ様な間違いはしませんよ。そんなに毎回楽しみにしないでください。


今回の教訓。
みなさん、レシピは隅までちゃんと読みましょう。

2014/08/26

気温10℃の8月

残り数日とはいえ、まだ8月。
日本ではまだまだ暑いようで、電話でもすると「暑くてねぇ」という話題もでる。


さて、ここドイツ。
今朝の気温は7度。
・・・・たったの7度・・・!
27度とか、17度とかじゃありません。10の桁はつかないただの7度。


Wolleが仕事に行くとき、ベッドの中でしっかりと目は覚めていたものの、「ベッドから出なくてもい~い~??」と、駄々をこねてみたくもなる気温だ。


気温7度。
何が必要かというと、下着に長袖Tシャツにカーディガンに、その上にあったかいベスト。
ベッドからでて、慌てて着替えて、思わずヒーターのスイッチを入れる。


まだ8月だというのに・・・。


テレビのニュースでも今年は8月なのに寒すぎる、というコメントを聞いた。
いや、冗談ではなく、寒すぎるよ!
どうして8月にヒーターつけてるの。

2週間ほど前の結婚式。
あの日が今年最後の夏の日だった、なんてみんなで冗談を言い合うくらい。あの翌日から、急激に冷えて、ズボンをはかずにいられたのは本当にあの日が最後。


日中は、それでも少しは気温が上がる。晴れていれば18度、20度・・・。
風さえなければ、日向にいるのが気持ちのいいような・・・。
が、それすらもそれほど時間がない。・・・というのは、今年は例年になく雨の多い夏。もちろん湿度も例年と比べると高い。
湿度が高くて肌がかさかさにならないのはいいんだけど、日照時間が短い。


昼間の時間が徐々に短くなってきていることを感じる最近では、朝どんよりと曇っていると、いつまでたっても日が昇らないような気分になる。
私は夏の間しかドイツにいないけど、冬ここで過ごすことになったら、起きている時間の半分くらいは暗い状態ですごすことになるんじゃないかと思う。




そう言ってもまだ夏・・・のはず。
今日あたりで気温の低い日は一旦姿を消すらしい。
「明日からはしばらくあったかくなるよ」というWolleの言葉を本気で信じたい。
かく言うWolleだって、天気予報を見て言っているだけ。ドイツの天気予報ときたら、とんでもなく当てにならない。
毎日「時々晴れて、時々曇って、時々雨が降るでしょう」なんていう天気予報を信じるのすら馬鹿馬鹿しい気になる。これなら私だって言えるんじゃないの。
こんなところで日本の天気予報のすばらしさを痛感する・・・。

ここドイツの家の緯度は北海道の稚内とほぼ同じ。
日本で北海道旅行をするといったら、わくわくもするけど、北海道に住むとなったらこんなかんじなんだろうか。これは涼しいのを通り越して寒い。


夏はやっぱり暑い・・・あるいは暑すぎるくらいに限るような気がするのは私だけだろうか。
日本でも最近では気候のせいで春・秋が短くなり、夏・冬が長くなり、バランスがよくないようなことを聞く。
・・・が、それでも十分です。暑い時間が有る限りは。
いくら早春が気持ちがいいからといって、ず~っと早春では、ちっとも気持ちよくない。


今年、なぜか、日本から使い捨てカイロを普段よりもたくさん持ってきた。
これから本格的に夏が終わり、カイロが活躍する季節になる。寒がりの私としては、カイロは必携。たくさん持ってきておいて、よかった~、と1ヶ月後くらいには思っているはず。


こういう足元から冷える寒さというのは、いづれ体が慣れるものなんだろうか。それとも、私はこれから先、ず~~~と、寒さ対策を練りながら生活することになるんだろうか。


日本の冬の時期はタイで、夏の間だけドイツで、と夏ばかりで1年を過ごしている私。なんといっても寒いのが嫌い。
でもたまには冷たい空気に触れて、頭をしゃきっとさせるのもいいかもしれない・・・。



2014/08/20

Das Goldene Kochbuch ~ドイツ料理の黄金レシピ~

結婚を直前に控えていたとき、婚姻費用の支払いに役所へ。


あら、ドイツって結婚するのにこんなに費用がかかるの?・・・なんて思いながら座っていたら、ハイっと渡されたのがこれ。
Das Goldene Kochbuch。
そのままだと、黄金の料理本・・・まぁ訳すなら「ドイツ料理の黄金レシピ」とでも言おうか。




前々からドイツ料理の種類や基本を覚えたいと思っていた私。
顔が崩れるほどうれしかったことは言うまでもない。
・・・が、どうして、私が料理好きで、しかもドイツ料理が下手だって知ってたんだろう、この人たち・・・。


いやいや、後から聞いた話では、もちろんこれをもらえるのは私だけじゃない。この町で結婚するお嫁さんは全員もらえているそうだ。
誰からもそんな話を聞いたことがなかっただけ。




さてこの本。
まず分厚い。
そして、写真はほとんど入っていない。
いったい何百種類のレシピがのっているんだろうと思うほどの目次数。


う~ん、ドイツ料理をよく知らないだけあって、本当はできあがりの写真が入っているとありがたいんだけどなぁ。
でもまぁ、仕方ない。


ぺらぺらとページを繰って、名前の知っている、要は料理自体を知っているものから作っていこう。


まず最初は
グラシュ・・・次はファーマーズ・ブレックファースト・・・と、料理を知っているもの、あるいは本に写真が出ているものから作っていった。
すでにかれこれ10種類ほどのものをこの本から作っただろうか。


特に一番初めに作ったグラシュが「ええ~、おいし~い」と、驚くほどの味。
これ、ホントに私が作ったの~?


このグラシュでこの本が信用に値すると解釈。
それからは毎日何かしらこの本から作ることにしている。
名前を見ても料理の想像がつかないので、レシピをおぼつかない語学力で読んで、料理を創造してから作る。
もし味が気に入らなかったら、どう気に入らないのかメモしておく。「ピュレの量が多すぎ」とか「調理時間長めに」とか。


ひとつ気になることがある。
この本をもらって、料理に使うようになってから、確実にWolleの食事量が増えた。
おいしい、おいしいと言われると、喜んで次の料理も作ってしまう私。
気をつけねば。





2014/07/28

1€コインと10円玉

ドイツの空港で毎回あわてる。

あれ?!私1€コイン持ってる??

世界中の空港でも、このシステムがどれくらい採用されているのかわからないけれど、少なくとも私が知っているのはドイツだけ。
荷物を載せて運ぶカートを使うのに、コインを入れないと他のカートとつながっている鎖が外れないのだ。

これは有料というわけではなく、使った後にカート置き場に戻して、前にあるカートにくっついてる鎖につなげば、最初に入れたコインは戻ってくる。

空港によっても多少の違いがあるけれど、たいていは1€コイン、あるいは2€コインを使うようになってる。


先日Wolleと一緒に空港で。
大荷物を二人で分けて持っても、もちろん持てないことはない。持てないほどのものを持っているわけはないのだから。
でも、バックパックを背負っているよりも、カートに乗せたほうが楽だよね。
ってことで、カートを・・・。

あっ。
私たち、この前ドイツをでるときに、最後のコインをぜ~~~~んぶかき集めて、それでも5セント足りなくて、おまけしてもらってソーセージ食べたじゃん・・・・。

「Yasko・・・1€コイン・・・ないよね・・・?」
「ないね・・・。」

レディス・ファーストの国で育っているWolleは、他の人よりは多少配慮が少ないとはいえ、さすがにこういうときは4つある荷物のうち、重いものを二つ持ってくれている。
私はこのままでも行けちゃうけど、ちょっとかわいそう・・・。

「ねぇ、他のコインで試してみようか」

ということで、お財布に入っていたコイン、10円玉を入れてみる。

・・・と。
ものは試しとは、まさにこのこと。

がちゃん!と音がして、カートが抜けたではないか!!


こんな発見に大喜びでカートを使わせてもらう。
有料ってわけじゃないから、カートが動きさえすれば、何の問題もない。

喜んで、時間があるついでに他の日本のコインも試してみる。
ちなみにこのときのカートには1€でも2€でも使えるように2箇所にコインを入れるところがあった。

100円玉、50円玉、5円玉。残念なことに貧乏な私たちは500円玉を持ち合わせておらず、この3つを試す。1円玉は明らかに大きさが違うのでスキップ。

しかし、どれもカートは動かない。
最初に試してみた10円玉だけが1€コインの穴にぴったり入る。ちなみに2€コインの穴では動かない。

おおおっっ!!
なんという発見。

みなさーん。
空港で1€コインがなくても、10円玉で代用が効きますよ~~~。

大きな声で言いたいくらいの大発見だ。
まぁ、世界中には10円玉を持ち歩いている人よりも、1€コインがポケットに入っている人のほうが俄然多いと思うけど。


この二つのコイン。比べてみると。


 触った感触もそうなんだけど、1€コインと比べると、10円玉のほうが多少薄い気がする。


でも、真上から見ると、同じ大きさに見える。


重ねてみると、ちょ~~~っぴり10円玉のほうが小さいような・・・。

・・・・が、とにかくカートはこの両コインを同じものと見なしてくれた。


この発見。
日本とドイツを行き来することの多い私には、まさに「大なる発見」。


日本でも自動販売機で問題になったことがある、タイの10バーツコインを500円玉として利用し、お釣りをもらうという、犯罪。
ドイツにもトルコのコインで代用が効くものがあるらしい。
でも、今回のは犯罪じゃないよね。形状を利用してるだけだから。


「Yasko、これは君のブログにかけるネタだ!」
ということで、早速の報告。

面白くて意外なことは、気づかないだけで、その辺にころころ転がっているのかもしれない。



2014/07/16

Luxembourg(ルクセンブルグ) ~共通言語~

今回の旅行にルクセンブルグを選んだ理由はいくつかある。

ひとつ。まだ行ったことがない国であること。
ひとつ。Wolleがそれほど興味を持っていないこと。・・・つまり彼と一緒だと、きっと選ばない。
ひとつ。英語が通じやすいところであること。
ひとつ。2泊で、しかも予算が限られていること。
ひとつ。うちから電車で簡単にいけちゃうところ。

と、まぁ、本当にいくつもある。
ベルギーなんかも考えてみたんだけど、2泊でベルギーのいいところが見られるとは思えない。ルクセンブルグなら、メインの「市内」が2泊で回れるんじゃないか、と。

ドイツに来てから3週間。久しぶりのドイツ語に耳がちょっとは慣れてきたけれど、この時期はまだまだドイツ語で生活したりパーティをしたりすることに疲れる時期。
そこで、ドイツ語を聞かないで住むところ、というのが条件に入っていた。


さて、ルクセンブルグに到着したのは 夜8時。
ホテルも予約してないし、地図も持っていない。
まずは駅で地図を手に入れて、今晩寝る部屋を探す。

1時間ほどで部屋は見つかり、早速出かける。
なんといってもこの日はワールドカップのドイツ・ブラジル戦が10時から始まる。
私の見つけた部屋にはテレビがないので、どこかバーにでも出かけなければ見られない。

ホテルと違ってバーを探すのに1時間かかるとは思えないけれど、早く行かなくちゃ。

駅周辺の通りをうろうろしていると、もちろんいくつかバーやカフェはある。クラブなんかもある。
知らないところで入るんだから、一応外から見てうるさくなさそうなところがいい。

すると、あった、あった。
ホテルから5分ほど歩いたところに、昼間はカフェとしてオープンしていそうなバー。
しかも、入り口の看板にも、中にもサッカーのユニフォームがかかってる。しかも中は静かだぞ。

ワールドカップこそしっかり見ているものの、もともとはそれほどサッカーの大ファンではない。Wolleが見てるから一緒に見ている、という程度のもの。
だから、大勢のサッカーファンが押し合いへ試合しているようなバーはできたら避けたかった。

中に入って、聞いてみる。
「サッカー、テレビで見れる?」
バーのカウンター内にいたお姉さんは、ちょっと不思議そうな顔をしている。
もう一度聞いてみる。
「Football?」

すると、お姉さん
「Oui!」

何?英語で聞いてるのに、不思議そうな顔をしてフランス語で返してくるとは・・・もしかして、ここは英語はだめ?
次に「Small beer」と頼むと、2回聞き返した後にやっとわかった様子。

あぁ、ドイツ語から逃げてきたら、今度はフランス語だ。
あれ、そういえば私、昔フランス語はなしてなかったっけ?

いやいや、そんなのはもう、遠い昔の話。
しかも、フランス語を話すことが定着する前に話すことをやめたので、今となっては片言すら出てこない。
ここで、「お、フランス語久しぶりじゃ~ん。」なんて思って、すらすらと口から出てくれば、泣きながら勉強した甲斐もあるというものだけれど、私の脳みそはそんなそぶりすら見せない。

カウンターの後ろの、しかも向こうのほうで、お姉さんが常連さんらしきお兄さんに「あなた英語はなす?」みたいなことを聞いているのが聞こえる。「ちょっとはね」と、お兄さん。
あぁ、簡単なことなら聞いて理解はまだできるんだ、なんて、ちょっとうれしくなってしまうところがなんとも情けない。

なんて、つまらないことを思いながら、ドイツ語で放映されているテレビを見ていると、おなかの大きなおじさんが二人・・・ひとりはドイツのナショナルチームのユニフォームを着てる・・・どかどかとバーに入ってきた。
おじさんたち、元気よく、「モゥイェン!!」

あぁ・・・ドイツ語方言か、ルクセンブルグ語か・・・。
ちょっと苦笑いだ。


さて、試合が始まる。
私は入り口近くのテレビで見ていたんだけど、どうやら奥に大きなテレビがある様子。
自分のビールを持って、さっき、ちょっと英語を話すと言っていたお兄さんに聞いてみる。
「奥のテレビのほうが大きいの?」
これも3回繰り返すまで「Yes」という言葉は返ってこなかったけど、せっかく見るなら大きなテレビのほうがいい。
奥に入っていくとお客さんはたったの二人。さっき、どやどやと入ってきたおじさん二人だ。

「ここ、空いてる?」
って、ドイツ語で聞いてみると、大きな声のドイツ語で、空いてるからすわれ、とのこと。

さて、おじさん二人と並ぶ。
すると、さっきのお兄さんもテレビの前に。そして、さっきまで入り口近くで私の脇に座っていたおじいちゃんもやってくる。そして、カウンターの中のお姉さんも・・・。
総勢6人。

気がつけば、全員ドイツ語を話しているではないか。

なんということ。
公用語がフランス語のルクセンブルグで、バーに集まった6人がドイツ語で話をしてるとは・・・。
確かにこの国はドイツの隣国だ。
でもね、私、ドイツ語から逃げようとしてこの国に来たんだけど・・・。
英語が通じやすいって、どこの情報ですか!!??

この日の試合。結局ドイツがブラジルに7対1というすばらしい数字で勝ち。
6人で踊るほど盛り上がったのは言うまでもない。
ビールとショットのおごりあい。そして、最後には「今度の日曜日の決勝の試合もここに来るから、君も絶対にくるんだ!」と、なんとうれしいお言葉・・・。来れないけど。



ハーフタイムのときに、サッカー以外の話をした。
ここで何してるんだ。観光か。何日ルクセンブルグにいるんだ。などなど。
結局翌日の観光情報はすべてここで仕入れた。
「明日も雨だからね、2階建ての観光バスがあるから、それに乗って一度一通り回ってみるといいよ」「チケットはね、どこどこで買えるよ」・・・等々。

6人全員で話をしているときにはドイツ語。
お兄さんとお姉さんで話をしているのはフランス語。
おじいちゃんと話すときには私以外の4人はルクセンブルグ語・・・だと思う。

誰も英語なんて話してない・・・。

共通の言語を持つということは大事なことなんだなぁ、と思う。
お兄さん曰く、イタリア語もポルトガル語も話す人がたくさんいるという。これは大々的な移民時期があったから。
確かに、私の泊まっているホテルのオーナーはイタリア語だった。がんばってフランス語を話してた感じで、英語はほとんどわかっていないようだった・・・。

なんてこった。
こんなに小さなひとつの国で、こんなにたくさんの言語が同時に使われているなんて。
島国日本と比べるとなんという違い。



この日に思ったこと。
言語っていうのは、自分が話すものが決まっているんじゃなくて、話をする相手やグループによって使い分けるものなんじゃないか、と。
ああ、私の彼がルクセンブルグ人じゃなくドイツ人でよかった、と思ったのは言うまでもない・・・。

Luxsembourg (ルクセンブルグ) ~世界遺産の町~

ルクセンブルグは「ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群」として世界遺産に登録されている。
詳しくはこちら →ルクセンブルグ(都市)

実際に町を歩いていると、山の谷間をうまく利用した要塞がここそこに見られる。

私がこの世界遺産についてあれこれ述べるよりも、その説明はほかのウェブサイトに任せることにして。

私が雨の中、歩き回ったところを少し紹介。

前回のトピックにも書いたように、市内を観光バスで回っているときに、アナウンスで「ここで降りると要塞の一部が見られます」なんていうのがあった。
地図で見てみると、そのバス停で降りて、谷に下り、また上がれば旧市街に出られる模様。

ものはためしだ、降りてみよう。

と、降りたところにあった要塞がこちら。
前にも書いたけれど、この要塞は「3つのどんぐり」という愛称があるらしい。確かにかわいいどんぐりの帽子のようにも見える。


 周辺の要塞の残り。

このどんぐりは博物館になっている。
中に入って、ここから旧市街へ抜けるにはどっちへ行ったらいいのか聞いてみる。

突然入った私にも親切に教えてくれるお兄さんとおじさん。
曰く、谷を降りるのに20分ほど、そこから旧市街に上がるのに30分ほど。だけど、道は舗装されていないところがあるから、雨の中あんまりおススメはできない、と。

確かに、運動靴でもない私の靴で、ぬかるみを歩くのはためらわれる。
だけど!
だけど、こんなところで一方通行のバスを降りてしまったんだから、行っちゃおうじゃないか。
雨の日に「雨だから」といっていたら、何もできない!

と、いうことで、強行突破。
なんて、書いてみたけど、実際にはお兄さんとおじさんの親切な情報は杞憂だった。

ほかにも遠足のようなグループもいたし。

確かにぬかるんでいるところもあった。
でも、それ以上に、緑に囲まれた要塞の一部を歩いたり、谷を見下ろしたり、谷底の川に沿って歩いたり、と、そんなことが、ぬれた靴の気持ち悪さを吹き飛ばしてくれた。







これこそ、まさに、晴れた日に歩きたいところ。
 正直に言うと、私にとっては、旧市街を歩き回るよりも楽しかった。
こんなところがあるってわかっていたら、スニーカーで来たのに・・・。

この町は、小さな町なのに、景色がダイナミックに見える。
この、町の真ん中を通る谷間が景色を雄大にしているんじゃないかと思う。

次回は、絶対に絶対に、天気のいい日に・・・。
 

Luxembourg (ルクセンブルグ) ~雨の市内~

ルクセンブルク市内に2泊することになったので、中丸1日市内だけを回ることに・・・。 
前日の夜、ホテルの近くのバーで聞いた情報を頼りに観光。

でも、この日は丸1日雨・・・。
かさをさしながら歩くと、どうも下ばかり見ていていけない。
空を含んだ景色よりも、石畳を視界に入れて歩いている時間のほうが長い観光というのも、なんだか味気ないけど、天気ばかりは誰に苦情を言うこともできず・・・。

翌日が雨だとわかっていたので、バーで出会ったお兄さんが、市内をバスで最初にぐるっと回ってみるのが一番いいよ、なんてアドバイスしてくれた。
せっかくの1日が雨なんて残念だね、っていいながら。

観光用に2種類、市内を回る方法がある。
ひとつは2階建てバス。
24時間有効のチケットは14ユーロ。何度でも乗り降りできることを考えると、それほど悪くない値段のような気がする。
止まる箇所は9箇所。市内を旧市街から新市街、そして駅をぐるっと回ってくれるんだけど、なんせ一方通行。行きたい場所の順番をうまく選ばないと、直線距離はそれほど遠くなくてもぐるっと一蹴しなくちゃいけなくなる。
1番から9番まである停留所には20分おきにバスが来るって書いてあるけど、実際には20分しか待たないでバスが来ることのほうが少なかったような気がする。
こういうのって、市内の混み具合なんかにもよるだろうし、時間帯にもよるんだと思う。ちなみに市内1周約1時間。
ざっと市内を見回すのにちょうどいい。

車内には無料でイヤホンが受け取れ、各座席で8言語で各所の説明を聞くことができる。
うれしいことに、なぜか日本語も・・・。町で日本人は見かけなかったけど。

 もうひとつはこれ。
なんだか子供向けのようなキシャポッポ。
私自身が乗ってないから、どこを走るのかいまひとつわからない。しかも、路上を走っているのは一度も見かけなかった・・・ということは、2階建てバスとは路線が違うのかもしれない。
値段は大人一人9ユーロ、子供5ユーロ。
こっちのトレインには観光説明に日本語はないそうです。

どちらにチケットも旧市街入り口の広場にあるワゴンで買うことができる。
ここだけでなく、旧市街のインフォメーションセンター、あるいは車内でも直接チケットを買うことができる。
チケットは購入時間から24時間有効。
・・・ということは、夕方から使い出しても、翌日の夕方まで使えるということ。ただし、バスの走っている時間帯は朝から夕方まで。さすがに夜はカバーしてない。・・・あ、でも、どこかで、「ナイトバス」っていう看板を見た。市内インフォメーションセンターに行けば、そのバスの情報も手に入ると思う。


 各バスのルートやしないの説明が書いてあるパンフレットが車内やチケット売り場で手に入る。
これを見て、バスを乗り降りすれば、自分が今どの変にいるのか一目瞭然。




 人の乗り降りが多いのは、旧市街入り口の広場と、駅前。
私は駅前から乗ったけど、ここが9つある停留所の9番目。
駅の正面入り口を出て、右にあるバスターミナルの向かいにある旅行代理店の目の前に、よく見るとうえの写真のような看板が出てる。

当然といえば当然だけど、雨だというのに私のような観光客がたくさんいるいる・・・。まぁ、旅行中の天気は選べないから、私も含めて、仕方ないんだけど。
2階建て観光バスは2階部分が普段は屋根がない状態になっている。晴れた日にそこに乗ったらさぞかし気持ちよかろうと思うけれど、この日はバスによって、プラスチックのカバーがかぶっているバスと、そうでないバスがあった。
混み合っているのに、2階に座れないとなると、1階はさらに混みあう。


夏のせいか、子供たちの遠足のようなグループもたくさんいて、正直に言えば、もう少しゆったりできるといいなぁ、って気もした。

車内のアナウンスは、市内の各所の説明。
何か有名なところを通るたびにアナウンスが始まる。

たとえば、この要塞。
3つのどんぐりっていわれてるらしい。
 あるいはこれ。
建築物や建築家にはまったく持って疎いので、聞いた名前も忘れてしまったけど、新しいフィルハーモニーの劇場だそうだ。
有名な建築家のデザインだそうだ。中の音響効果なども最新、だとか。
時間があったら中まで拝見してみたいところだけど、今回はちょっと無理~。
こういうところに行くには、ちゃんと予定していかないといけないね。・・・そういえば、以前、ドレスデンでオペラハウスの公演に急遽行こうとして断られたことがある・・・。

 新市街の各所にある彫刻類。
大きなものや、有名な作家のものは丁寧に説明してくれる・・・名前は聞いてもわからない人ばっかりだけど。
 これはバスの2階最前席からみた新市街の入り口。
写真の正面に見える二つの塔のような建物が新市街の入り口になっている・・・らしい。


ここで、いくつかバス内からの写真を・・・。















もちろんルクセンブルグ市内のメインは旧市街。
こまこまとよく似た狭い通りが立て横に走る。

 その中に広場が二つ。
広場の周辺にはお土産やさんやレストラン、カフェなどが並ぶ。



この旧市街や、市内を自転車で回ることもできるはず。
市内の各所にこんな風にレンタル用の自転車が設置してある。

これはドイツの町にも時々あるシステム。
決まった自転車置き場から、自転車を借りて、ほかのこういう自転車置き場に乗り捨てができるもの。晴れていたら、こんな風に市内を楽しむこともできたのに、と思うと、やっぱり残念。

旧市街は古いヨーロッパの雰囲気をそのまま残し、かつ新しい店が軒を連ねる。
晴れた日にウィンドウショッピングをしたり、カフェで休憩したりしながら散歩をしたらさぞかし気持ちよかろうと思う。

まぁ、雨だから歩いても疲れず、おなかがすかないというわけでもなく、もちろんレストラン兼オープンカフェのようなところでおなかを満たす。


これはルクセンブルグの典型的な食事のひとつ。
塩漬けにした豚肉をローストしたものに、見たこともない豆・・・しいて言うならソラマメを3分の1くらいにしたもの・・・の煮物。
ソースはしっかり味があるのに、塩気が強すぎずお肉と豆になんともマッチしている。
 でも、量が多すぎて、私には全部食べきれない。

そんなこんな市内観光。
雨で途中で挫折するんじゃないかと思いきや、うろうろしているうちにあっという間に時間が経った。
もちろん、いくつも入った素敵な店で、気に入ったものもいくつか・・・お土産と称して、おそらくは私が使うもの・・・。

もしも次回があるなら、晴れた日に同じ通りを歩きたいな。

2014/07/15

Luxsembourg (ルクセンブルグ) ~初めての国情報~

急遽2,3日一人で出かけることになった。
どこに行こうか迷った末、近場で英語が通じやすそうな国、ルクセンブルグに出かけてみることに。


通貨:ユーロ 
ルクセンブルグはユーロ圏内でも大切な国。もちろんつっかはユーロです。


言語:ルクセンブルグ語・フランス語
ルクセンブルグ語はフランス語とドイツ語の強い方言が混じったような言語。知らないで聞いていると、フランス語かドイツ語の方言のようにも聞こえる。
公用語にフランス語も。町の看板や標識はほとんどフランス語。
公共機関では確実に英語が通じる。
ただし、地元のバーなどに行くと、英語が通じないこともある。

この2言語のほか、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語なども通りで耳にすることが多い。
70年代以前に栄えていた鉄鋼業のため、第一次にイタリア人が、その後ポルトガル人がたくさん移住してきた時期があるため、どちらの国の人もたくさん住んでいる。

現在、ルクセンブルグに住んでいる人の二人に一人は違う国のパスポートを持っているという。


気候:ヨーロッパの真ん中の国。フランスやドイツの気候とよく似ている。
夏も比較的涼しく、長袖が必要。


物価:金融関係の会社が多い国のせいもあるのか、それほど安いとはいえない。近隣諸国と似ている。

治安:比較的よいといえる。
通りすがりの人に道などを尋ねても、フレンドリーな態度で接してくれる。公共機関でも無愛想な態度は見られない。


世界遺産に登録されているせいもあってか、市内には観光用のバスなどが整っており、比較的観光しやすい。

市内には2箇所ツーリストインフォメーションセンターがある。ひとつはルクセンブルグ駅内。もうひとつは旧市街の中。
旧市街のインフォメーションセンターは地図ではわかりにくいところにあるが、近くまで行って歩いている人に聞けば誰でも知っている。広場の一角にある。

インフォメーションセンターでは、市内の地図も手に入る。もちろん英語可。

山の塩・海の塩

ドイツで私の住む町から列車で30分弱くらい南に下ると、車窓から、白く大きな山のようなものが見える。まるで工事現場の砂や砂利の小山が巨大化したかの様。

初めて見たとき炭鉱かと思った。・・・とは言っても、私は炭鉱なんてよく見たことないんだけど・・・。






何度目かに見たとき、たまたま一緒に乗っていたWolleに言ってみた。
「こんなところに炭鉱があるんだね」と。

別になんでもない会話のつもりだったのが意外や意外。
この白っぽい山から塩を取っているのだという。

え??塩??
日本で一般に食用にされる塩は、海から採れるもの、とほぼ相場が決まっている。
どこどこの塩がいいとか、あそこの塩が有名とかいう地名がつく塩はこぞって海辺の名前がついている。

でも時々岩塩と呼ばれる、きれいな塩の結晶を見かけることもある。これが海からではなく、陸で採れる塩だろう。
詳しくはこちらへ → 岩塩


さて、ドイツでは塩といえば陸から採れるもの。
日本のように島国なら、山を掘るよりも海から塩を取ったほうが早いのだろうが、ドイツで海といえば、国の北のほうにあるバルト海と、そこからデンマークをはさんだ北海のみ。
陸で塩が採れるならもちろんそれだって使うはず。
日本でも時々見かける、パッケージにも山の絵がついているものだ。


話は変わるが、ドイツのスーパーマーケットで見かける塩のパッケージも、日本と同じく何種類もある。
ドイツ語で塩のことをSalzというけれど、ただSalzと書いてあるのもからMeersalz、Jodesalzなどなど・・・。
Meerは海。だから、これは海から採れた塩のこと。
じゃぁ、それ以外によく見かけて、しかもちょっとだけただのSalzよりも値段の高い、Jodesalzって書いてあるのは何?

日本の塩だって 値段の高い塩のほうが栄養分が多いとか、ミネラルが多いとかそれなりの理由があるはず。
もちろんJodesalzだって理由はある。

Jode・・・つまりヨード。ミネラルの一種だ。
詳しくはこちらへ→ ヨウ素

これは同じ町に住む唯一の日本人女性に聞いたこと。
海から採れる塩には、海水にもともと含まれているヨードが入っている。しかも、日本人は海草を食べるから、人間の体に必要な栄養素のひとつであるヨードを、普段から十分に摂取しているらしい。
・・・一方ドイツ人は海草、あるいは海から採れる物を食事で摂取することが少ないので、少し気をつけて摂取する必要がある、と。

・・・ということで、ミネラルの摂取に積極的な人は、わざわざヨードを加えてあるJodesalzを使う・・・らしい。

そんなことを聞く前に、違いが気になってわざわざJodesalzを買ってみたことがある。
ただのSalzが真っ白なのに対して、Jodesalzは薄く黄色味がかっている。この黄色がヨードなんだろうか。

塩なんて、摂取の方法よりも、むしろどう減量させるか、というところに重きを置いていることが多い。それでも、使う塩の種類によって摂取できる栄養素が違うということになれば、多少は使う塩の種類も気になる。
同じ塩なら、ただ塩辛いものよりもミネラルを含んでいるものを摂取しようかという気にもなる。

でも、ただでさえ栄養過多気味に見える私たちのおなか・・・。
これ以上、いや、必要以上に栄養素の摂取に心がける必要はないのかな??




2014/07/02

ちょっとだけ、エクセサイズ

ドイツに来て丸々2週間。
サッカーのワールドカップもあり、毎日夕方から夜中までどこかしらのテレビに張り付いている。普段は何かしら予定を作って出かけている週末もサッカーのために直前まで未定の状態にしている。・・・予定ができたとしても、どこで誰と試合を見るか、ということが違うだけで、試合を見ることには変わりない。

ということで、夜はとても忙しい。
あっちのバーに行ったり、こっちの友達の家のテレビの前に陣取ったり、はたまた試合中のハーフタイムにダッシュで家に帰って続きを見たり・・・。


数日前、試合が延長戦に入ったのを見ていたとき。・・・・数日前だけじゃないけど。なんせ今回は延長戦がやたらと多い気がする・・・・。
プレーヤーたちがだんだん疲れてきているのが、サッカーをよく知らない私にでさえわかる。普段90分のゲームに慣れていたら、それ以上数十分延長して走り回るのは、さぞかし難儀だろうと思う。

だけど。
よく考えてみたら、あのプレーヤーたちは全員、少なくとも90分はほぼ全力で、走ったり、止まったり、また走ったりしている。
今の私。全速力で「走り回る」ことすら大変・・・もとい、不可能なのでは・・・?

もとより、走ること・・・特に「速く」走ることは苦手中の苦手。
中学校の体育大会のリレーの練習中、同じチームの子に「ねぇ、真剣に走ってよ」なんて言われたこともあるくらい。もちろん私はチームのために必死で走っていたんだけど・・・。

まぁ、この年になって、90分も理由もなく走り回る必要もないから、そんなことまでできなくてもいいんだけど、せめて、仕事をしていない間にスタミナが落ちてしまうのを防ぎたい。
なんせ、半年ごとに仕事をする、しないが分かれているため、仕事が終わるころの体力と、仕事を始めるころの体力があきれるほど違う。体重ももちろん違う・・・およそ7・8Kg ほど・・・。

現在7月頭。
仕事を終えてからほぼ2ヶ月。
いい具合に体重は増えているけれど、このまま安穏としていると、瞬く間に必要以上の体重を抱え込みそうでもある。


と、いうことで、タイトルどおりちょっとだけエクセサイズをしてみることにした。
今のところ、家事以外に何もしていないので、エクセサイズに1時間くらい時間をとることはできる。まぁ、家事は家事で一日中忙しいんだけど、毎日じゃなければ1時間くらいは・・・。

まず、ジーンズで走ることもできないので、動きやすそうな生地のパンツを買ってきた。
これで、多少は長続きするかも・・・何も準備しないよりは・・・。

10年近く前に参考にしたジョギングのプログラムをパソコンの中から探してきて・・・。


ラッキーなことに、うちから歩いて10分くらいのところに、湖というには小さい、池というには大きいような水場がある。
その周りはもちろん遊歩道になっている。一日中どの時間帯に出かけていっても、散歩をする人、釣りをする人などがちらほら。
この池、1周1,75Km。ちょうどいい大きさ。

初日、半分歩きながら、半分走りながら1時間。
ストレッチをいい加減にしたせいか、翌日腿が見事に筋肉痛。
中1日置いて今日また出かけてきた・・・走ってきた、というには、まだまだおこがましいレベル。
それでも、この肌寒い時期に汗をかき、体を動かすこと自体が妙に気持ちいい。

毎日朝から家の中にいて、出かけるのは買い物とバーに行くときくらい・・・という2週間で、ごろごろするのに慣れてしまった私の体。
少しは動くことを思い出してもらいましょう。

そして、そして、11月に仕事に戻るころに、スタミナも落ちておらず、体重も増えすぎてウェットスーツがきついということもなく、ということになっていたい・・・。

少なくとも、今日で3日坊主まであと1日に近づいた。少なくともあと1日・・・・・できたら、この夏ずっと、このエクセサイズ続けられるといいなぁ。


うらやましいって思うこと

人のことを「うらやましい」と思うことが以前よりも増えてきた。


もともと私は周りの人をあまりうらやましがらないらしく、何度かそれについて友達から指摘を受けたことがある。「自慢しがいのない人だね」って。

そう言われるから、自分でも「そうなのね。私はあんまり人をうらやまない人なのね」と、思い込むようになっていたと思う。

ところが、最近、自分自身でも情けなくなるくらい人のことがうらやましいときがある。
どんなときかって・・・。
一言で言えるような言えないような・・・。

今では、Facebookなど、ソーシャルネットワークのおかげで・・・なのか「せいで・・・」なのか・・・・周りの人たちのしていることが写真や魅力的な言葉で常に伝わってくる。
「今ドコドコにいる」
「今日のダイブでナニナニをみたぞ~」
などなど・・・。

これがなんともうらやましく感じるのだ。

きっと、自分の耳で直接その人からその話を聞いたんだったらもう少し違うのかもしれない。
・・・が、ソーシャルネットワークを通じての話だと、なんだか自分だけがつまはじきにされているような気が・・・・しなくもない・・・。なぜだろう。実際にはほかの友達だって、私と同じ立場なのに・・・。


ひとつ気づいたことがある。
この、私の心理状態。「誰かをうらやましく思う」状態。
これは私が1年のうち半年いるピピ島では起こらない。

なぜか・・・・というと、おそらく簡単な答え。
自分が楽しむことに忙しいから。

自分が楽しいことに忙しくしているときには、どれだけ誰がどこに行っていようが、水中で何を見ようが、ち~~~~~っともうらやましく感じない。
あれ、感じる暇がないってことかな・・・・。
いやいや。
これは単に自分が楽しんで満足しているから、人のことがうらやましくないのだ。

じゃぁ、それ以外のところでも自分が楽しめることを探せばいい。

特にドイツにいるとき。
誰とでも会話が弾むほど語学が堪能でない、というのが一番の原因なのだろうが、いかんせん私一人で可能なことが極端に少ない。

ドイツでも何か夢中になれるものを探さないと、そのうち腐って腐って、誰かさんに当たりたくなってくる・・・はず。
そして、友達の話を聞いて、読んで、「いいな、いいな~」なんて、面白くないことを思ってしまう。


せっかくKindleを手に入れたので本をたくさん読む。
・・・・あんまり日本語に漬かりきっていると、実生活でドイツ語が出てきにくくなる。

庭のプールで毎日泳ぐ・・・には、天候が寒すぎる。

好きな料理を好きなだけ作る・・・・と、二人で1ヶ月もしないうちにころころになってしまう。


・・・・・・・と、なんだかんだと、なかなか好きなことを思うようにする、ということは難しいもんである。


今現在、6ヶ月タイ、残りを日本とドイツという、数ヵ月後との移動のせいもあって、思うように時間が使えないというのも理由のひとつだけれど、なにか、自分だけでも楽しめるものを探したい。
陶芸?染色?
もともと何か作るということが好きな私。
少しずつこの国がわかってくれば、この国でできる、自分の好きなことが見つかるでしょう。

まずは、何もしないでごろごろしているうちに太らないように気をつけないと。

2014/07/01

サクランボの季節


ドイツの家の庭に、サクランボの木が2本ある。
普段は、1本はお義父さんが、もう1本は義兄がサクランボを「管理」している。

ところが先日、お義父さんが調子が悪くなり、庭仕事ができなくなった。
こういうときは、普段庭仕事にまったく手を貸さないWolleにお手伝いが回ってくる。

 「サクランボが 木になりすぎちゃってるの。採っておいてくれる?」
と、ある日義母からお願い。

仕事から帰ってきた後にはことさら重いWolleのおしりもこういうときにはさすがに動く。

庭のサクランボの木には、身がなりはじめると同時に網がかけてある。・・・というのも、せっかく熟すのを待っている間に、鳥に食べられてしまわないように。

この網の中まで登って、バケツを手にしながら、摘んでいく。
低いところになっているものは、網の間から手を入れて採る。
 






毎日少なくともこれくらいは採れる。
これだけ見るとそうでもないけど、これが毎日となると、かなりの量である。

義母はこれでケーキを焼いたり、コンポートを作ったりして、ほぼ毎日サクランボの何かが食卓に乗る。
ちなみに私の苦手な料理で、ポテトにサクランボのソースをかけて食べる料理がある。
私にとってはどちらかというまでもなく、あきらかに「おやつ」の味なんだけれど、これは列記としたドイツ料理だそうだ。


この採れたてのサクランボ。
色もつやも形も、すべてが「今食べて!」と主張しているかのようにおいしそうに見える。

そして、ざっと水洗いしただけで食べるその味は、スーパーマーケットで買ってくるサクランボとは絶対的に違う。
プチッと皮を噛むと、みずみずしいサクランボの汁が口の中にいっぱいになり、あま~くて、少しすっぱいにおいが鼻と口全体を覆う。果肉は柔らか過ぎず、かといってガリッというわけでもなく。

ひとつ口に入れると、次から次へと欲しくなる。


ところが、そんなときに天気が悪く、雨でも降ると・・・下の写真のようにサクランボの表面が裂けてしまうらしい。
天候が安定せず、雨の多いこの季節。ちょっとタイミングを逃すとツルツルじゃないサクランボがたくさん採れてしまう。
ケーキやコンポートにするにはそれほど問題なさそうだけど。


こんなサクランボを、食後のフルーツとは言わず、いつでもいくつでもほおばれるというのは、なんと贅沢だろう。


でもね、サクランボをたくさん食べて、かつ水道水をそのままたくさん飲むとおなかを壊すらしい。
それを聞いてから、食べ過ぎに注意するようになった私。
だって、おなかを壊したら、あしたサクランボが食べられないから・・・。


2014/06/20

ただいまドイツ

ドイツに到着して日本語で「ただいま」もないものだけれど、9ヶ月ぶりのただいま。

帰ってきて翌日は上天気だったものの、まだまだドイツは寒い。どこが地球温暖化ですか、って言いたいのは私が以前のドイツを知らないから?
6月だというのに、長袖、ショール、ジャケットは夕方からの外出には必須。

いやいや、寒い寒いといって、そればっかりではない。
それなりにちゃんと夏に向かって季節は進んでいる。

5月までが盛りのアスパラガスは「これが最後」という時期。
庭のさくらんぼも今たけなわ。
お義母さんの庭には、バラが全開。今年は早く暖かくなったので一輪一輪が大きいそうだ。
イチゴも大収穫中で、すでに毎日のストロベリータルト攻めは始まっている。

私が到着したときにはすでにフットボールのワールドカップが始まっていたので、到着後は毎日夜になるとどこかしらでテレビに張り付いている。
3試合中最後の試合は夜中の12時から、ということで、なんとなく眠たくなって最後の試合は見ていないことが多いのは、たいしたフットボールファンではない私にとってむしろありがたいかもしれない・・・。

最初の2日はお義母さんがご飯を作ってくれていたけれど、キッチンが片付いてからはまた私が作り出している。
久しぶりのドイツの食材に、何を作ろうかわくわくしながらも、二人分だけを作るちまちまさにちょっと難しさも感じる。

よく出かけるバーにも顔を出して、すでにバーベキューは2回もして、ざっと近くに住んでいる仲間内にはただいま、を言った。
 毎日行くスーパーマーケットの顔見知りの店員さんたちも、「あ、帰ってきた」というリアクションをしている。何を話すわけじゃないんだけど、毎日顔を合わせる人というのはなんだか気恥ずかしいものもある。

気になるドイツ語は・・・お義母さんの話すことはなぜかたいていわかる。毎日しこたま聞いているということと、それほど早口じゃないって言うこと、何度も同じことを言ってくれること、などなど重なって、家では快適に。
まぁ、当然外に出かけるとわからないことも多く、パクパクしてしまうことも頻繁にあるんだけど。


 そんなこんなでそろそろ1週間。
重ね着にも再度慣れ、1日のサイクルにも慣れ、なぜか今回は時差ぼけがまったくなかったので、快適に時間を過ごしている。

今年はどんな夏になるんだろう。
しなくちゃいけないこともあり、忙しくなるかもしれないけど、楽しみにしながら楽しくすごそう。
 

ドイツへ向かう 2014


日本からドイツへ向かうときのフライトに、北回り、南回りとがある。

北回り、南回り、これが正しい言い方なのかどうかわからないが、要は地球儀を想像してもらったときに、同じ場所に行くために日本から北に向かって進んでいくか、南に向かって飛ぶかの違いだと思えばいい。

紙面の世界地図、メルカトル法の地図で見ると、日本ードイツ間の最短距離はもちろん西へ向かってまっすぐだ。

だが、実際に地球を回るときには北へ向かっていくほうが近い。

と、いうことは、南へ向かっていけば行くほど距離が長くなる、ということだ。


さて、飛行機のチケットを探すとき、安いチケット、目的地までの時間が短いチケット、乗り換えの少ないチケットと、探す基準はいくつもある。

私の場合は、値段、時間、乗り換え数という順で優先する。

まぁ、乗換えが増えればかかる時間も増えていくのは当たり前のことなので、後ろの二つは同じ意味になってしまうのかもしれないが。


このブログにも何度も書いているとおり、私はチケットを探すのが大の苦手で、しかも大嫌い。毎度毎度嫌がって、ぐずぐずしているうちに、予定している日程ぎりぎりになり、1ヶ月前にしておけばすんなりいったものも余計にごたごたするはめになる。

そして最近では私がぐずぐず言い始めるころにWolleがチケットを探してくれ、予約してくれるという形が多い・・・・ドイツ行きに限ってだが・・・。


まぁ、今回もそのパターンになった。

1週間前には安く、時間も短いフライトが残っていたのに、たったの1週間ぼんやりしていたら・・・こういう1週間というのは実に速く過ぎる・・・・そんなチケットはどこのウェブサイトを探してもみつからなくなった。・・・そうだよね・・・ってところだ。


さて、Wolleが予約したチケット。

ドイツの到着都市はDusseldorf

ほう、さすが。私が探すのはベルリン着、せいぜいフランクフルト着だ。

だって、ほかの空港だと、名前を聞いただけじゃ距離も位置も規模もわからないから。

なになに、値段もそこそこ安いではないか。


で、乗り継ぎは?


アブダビ・・・・。

出た!アブダビ!・・・・南回りだ。

フライトスケジュールを見ると・・・。成田-アブダビ間12時間。アブダビで4時間。アブダビ-デュッセルドルフ間が7時間。

・・・・と、いうことは、成田-デュッセルドルフ間で24時間・・・以上・・・。さらによく聞くと、デュッセルドルフからうちまで4時間。

実家から成田もあわせると、優に30時間を超える。


あああ。

これ、これ。

私が自分で見つけたチケットを取るのを躊躇していた理由。

こういうチケットは見つけても、自分の分だと購入を迷う。

これくらいのチケットしか残ってないとわかっていてもためらってしまう。


だって、うまいチケットなら15時間くらいでドイツの家まで行けるのに、倍の時間がかかるのだ。1時間が2時間になる「倍」ではなく、15時間が30時間だ。まるまる1日以上だ。


ねぇ、これ、ものすごく時間かかるじゃん。ほかにチケットないの~。交換できないの~。


答えなんてわかっているのだ。

Yasko、これでも僕はやっと見つけたんだよ。


ね。そうだよね。

でも大体私、12時間もひとつの飛行機に乗ってたことあるのかしら。ロスアンジェルスに飛ぶ時だってもう少し短い気がするけど・・・。

なんて少し不安を感じていたけれど、フライトが夜をまたいでいたせいもあってか思ったよりも疲れてない。EtihadA330の席は、私も少し驚くくらい小さなスペースだったけど。


さて、今これを書いているのはアブダビ。

あと1時間でデュッセルドルフ行きのフライトに乗る。アブダビの乗り継ぎは空港内で、歩き回れるエリアがそれほど大きくないため、あまり長時間だと飽きる。、

が、天井のデザインがすごく素敵で、見ているだけで満足できるほど。

さらに、プライオリティ・パスで入れるラウンジがかなり大きく、ういったりしてる。23時間はゆったりしていられるスペースがありがたい。


今のところ、旅程の半分以上が過ぎた。

残りの半分、がんばるぞ~。