2008/12/28

2008年12月26日

津波の起こった日から丸4年が経った。

26日には毎年セレモニーが行われる。
今年も朝10時半にいつもセレモニーがある辺りに出かけた。その周辺も今ではローカルの屋台が並んでいて、セレモニー用のテントと、献花をする大木が同じ場所ではなくなっている。

今年。
去年以上に参加者が少なかった。場所が目立たなくなってこともあり、悲しむ人が減ったこともあり。
うれしいやら、悲しいやら。

でも、ここ数年見ていると、本当にまだ苦しんでいる人は参加してないんじゃないかとも思う。私はこのセレモニーでまだ、ダニーに会ったことがない。
去年は花を持って、セレモニーと反対の方向、たぶんメモリアルパークに向かうダニーの姿を見た。今年はその日1日中会わなかった。

でも、ダニーもきっと少しずつ悲しむ日が減ってるんじゃないかと思う。ミカエラのことを話すことが前よりも減ったから。

去年、12月26日。
ダニーがいつもしていた2つの同じペンダントがひとつなくなっていることに気がついた。
どうしたの?ってきいたら、
ミカエラの遺体からはずして以来、ずっと一緒に首からさげていたのに、26日の朝、突然ミカエラのペンダントが切れた。って。
きっと、ミカエラが「もう悲しまなくてもいいよ」って、言ってるんじゃないかと思う、ってダニーは言った。
ミカエラが話せたら、本当にそう言っていると思う。
私だってダニーに言いたい。
そんなに苦しまないで、って。
ほんの偶然で、自分だけ無傷で生き残ってしまったことを、ダニーはどれほど呪い、苦しみ、怒り、悲しんだだろう。普段のダニーの笑顔からは想像できない。
私にその話をしてくれるときの彼女は、いつも自分のことじゃないような話し方をする。
きっと自分の言葉では表現の仕様のない気持ちを、そんな風に話してるんじゃないかな。

3年。4年。
もう十分じゃないかと思う。

今年25日の夜、ふらりんふらりんに酔っ払って、ダニーが私のところに来たから、もしかしたら26日は二日酔いでセレモニーに参加してなかったのかも。
そうだといいけど。

もう4年も経った。
私の中で残っている何かは、少しずつ大人しくなってるんだろうか?
いつか、みんなの心に残った傷が風化して、触れても痛まないようになる日がくるといい。
それまでに、あと何年必要なんだろう。
私にとってもみんなにとっても。

2008/12/26

私の本

私の書いた本が出版された。
12月16日。
クリスマスころになって、やっと手元に来た。
実際に書いたのはほとんど2年位前になるけど、自分が書いたものが本物の本になるとやっぱりうれしい。

自分で書いたんだから、もちろん何が書いてあるのかわかってるんだけど、書籍になってると読んだ感触が違う。
どうしてだろう。

数日のうちに手元に保管しようとしたもの以外は完売。っていっても数冊しか届いてないけどさ。

びっくりしたのは、私のビデオを気に入って毎日見に来てくれるアメリカ人のおじさん(…私と同じ年くらいかな、もしかして・・・。)が買ってくれたこと。
日本語勉強しなくちゃね。とかいって。
読めないのに、どうするんだろう。

でも自分の手から売るって、結構恥ずかしい。
しかも、サインを書いてくれなんていわれると、どうしたらいいのかわからなくなるくらい恥ずかしい。
私は字も下手だし、私の名前画数が多くて、漢字で書くと毎回字が違うからサインはひらがなだし。

でも買ってもらえるとやっぱりやっぱりうれしいなぁ。

うちのスタッフに目の前で読まれると気になっちゃうけど。

クリスマス時期

ここ1週間くらい、異常に店が忙しい。どうしてかわからないけど。

たくさんお客さんがいるから、自然私もボートに乗ることになって、毎日朝8時前から夜9j半ころまで店にいる。

去年まではダイビングが終わったあとに店番をしなくちゃいけないことがすごく嫌だったのに、今ダイビングのあとにビデオの編集に6時ごろまでかかることがすごく疲れる。
まだ慣れてないせいだといいけど。

で、お客さんに8時にビデオを見せて、話をして、気がつくと9時過ぎ。
うぅぅぅぅん。
そんなに働いているところが私はやっぱり日本人だね。

当然、バンガローに戻るころにはフラフラ。
もちろん7時ころから飲み始めるビールのせいもあるんだけど。10時に店が終わって、11時ころにはもう眠くてぐずれてくる。

でも、お客さんにいいビデオだとか言われるとやっぱり嬉しくて、私って単純だなぁ、と思う。


少しずつだけど、ましなビデオも撮れるようになって来た気がして、忙しくても仕方ないかな、とも思うけど。
自分でいい日とよくない日の差がでないようになりたいなーと思う。

いずれね。
そのうちね。
こういうことにはちょっと時間がかかるだろうから。

2008/12/15

私の写真

私はいつも自分で写真をとってる立場で、自分が写ってる写真っていうのがほとんどない。
でもこの前Toyoさんがボートでカメラ持ってたから「撮って!撮って!!」って言って撮ってもらった。


水中じゃなくてカメラ持ってる写真は初めてかもー。

でもやっぱりみんなが私を見て笑うとおり、カメラ大きすぎるかも・・・。
それともBlakieが言うとおり、私が小さすぎるの??

プーケットの宿

ビザの延長を申請するために、またプーケットに出かけた。
私がプーケットに出かけるときは、たいていエレクトリックブルーもプーケットに行っていることが多い。だからWolleと二人分の宿を用意する。

私一人のころは、プーケットタウンのラタナマンションに泊まっていた。
バイクタクシーのドライバーに説明しやすいから。しかも少し割引が利くし。
でも部屋は、というと、そのときによって当たりはずれが大きい。古い部分のビルの部屋と、新しい部分の部屋の違い。

去年はWolleと一緒にいるときにはシャロンという地域のベストマンションに泊まっていた。バンガローじゃないけど、各部屋にバルコニーもついてるし、プールもある。入らないけど。1000Bと値段はちょっと高めだけど、JPのレストランFATTY'Sのすぐわきだし、夜JPのところから酔っ払って帰ってくるにはベストだった。
レセプションも安全だし、鍵がないとレセプション以降は入れなくなってるし、スタッフはフレンドリーだし。
ただ。全スタッフがほとんど英語を理解しないのにはほとほと困った。
タクシーを呼びたいだけなのに、理解してもらうのに30分くらいかかる。

ところが今年になって、Ulliが「うちに泊まっていいよ」って言い出してくれた。ローシーズンの間に新しい家に引っ越して、部屋が余分にあるから。
でもベッドはないよ、ってことでマットレス持参でUlliのうちにとまることになった。
ただ。
Ulliはサービスがよすぎて、どこに行くにもどこから帰るのにもタクシーを使わせてくれない。行きたいところを言えばUlliがピックアップで乗せてってくれる。自然Ulliの用事にも付き合わなくちゃいけない、というおまけもついてくる。このおまけが大きいんだ、これが。

そしてトーナメント直前。Floがトーナメント中にシャロンピアの目の前のゲストハウスに止まることを提案してくれた。Floは去年もそこに泊まってたらしい。

それはすばらしいアイディアで、トーナメント中、ボートから戻って、パーティに出る前にシャワーを浴びることができる。
部屋も至極快適。ホットシャワー、いらないけどエアコン、バルコニーつき。Peterのバーもすぐ近く。1階はセブンイレブン。

ただ。

レセプションがたいてい閉まってる。レセプションのドアの前に電話番号が書いてある。そこにかけると、彼女がお昼寝をしていなければレセプションと話すことができる。だけど、そのゲストハウスにはいない。

今回もそこに泊まろうと思って、ゲストハウスの前まで来た。案の定、ドアは閉まってる。
電話をかけようとしてると、近くでお客さん待ちをしてるタクシードライバーのおじさんが教えてくれた。
「今日は彼女はホリデーだよ」って。
そして親切にもお姉さんに電話してくれた。

結局20分ほど待って、お姉さんがバイクで現れ、だれぁがチェックアウトしたままになってた部屋をクリーニングしてくれた。
ひとまずは落ち着く。


どこに止まるにしても、どうしてなかなか問題なく泊まれるところがない。
まぁ、こんなことを繰り返しているうちに「プーケット快適アコモデーション・マップ」かなんか作れそうだ。

でもまず、私たちのベストの部屋を探さないとね。

クラゲ

最近ピピ・レの西側で、クラゲが大発生していることがある。
クラゲっていってもヨーロッパなんかで大ニュースになってた危ないクラゲじゃなくて、クシクラゲの一種。しかも小さい。3cmくらいかな。
要するに長い触手がなくて、刺しもしないし、毒ももってない。両手ですくってもヒクン、ヒクンってちょっと動くだけ。

それでも大発生となるとあんまり気持ちよくない。

この前ボートから水に飛び込むときにクラゲの群れの真上だったので、キャプテンにちょっと移動してって頼んだくらい。だって飛び込むのいつも私が一番だから・・・。

水中から水面を見上げると、水面から水深1~2メートルくらい間でクラゲの層になってる所がところどころにある。
一つ一つ見ると、クラゲって結構きれいで、写真に撮りたいくらいなんだけど、ビデオではマニュアルフォーカスを使わないとなかなかフォーカスしてくれない。しかも群れだとモヤモヤしてるだけで何なのかよくわからない。

ダイブの最後に、安全停止して、さて浮上と思って上を見たら、ちょうど群れの真下だった。
私あの中に突入するの?
考えるだけでムズムズする。
迷った挙句、ちょっと移動して層が薄くなったところで浮上した。

しばらく天気がよくなかったのに、急に毎日晴れてるからクラゲも日向ぼっこに水面に寄ってきてるんだろうか?
害はないって言ってもやっぱりいないほうがいいかなぁ。クラゲには申し訳ないけど。

イカ釣り

友人が何人か集まって、夕方からイカ釣りに行くことになった。
Achimとその友人4人。タイ人のMan。そしてToyoさん。

Acimはもともとイカ釣りが大好き。そしてToyoさんは去年行ったイカ釣りがあまりにも楽しかったらしく、また行きたいって。Toyoさんもたまには息抜きが必要だよ、っていってYukoさんがシフトをカバーしてくれた。

午後4時出航。
ビダからピピ・レにかけて、明るいうちはハンケン・ラリー。この時間帯はその周辺でハンケンがたくさん釣れるので私たちはそれをラリーって呼んでる。
当たりの日には「もういい!!」っていうくらい次々にハンケンがかかる。

ハンケンって私たちは呼んでいるけど、この名前はタイ語。硬いしっぽっていう意味らしい。英名も和名も知らない。
すごく硬い大きなゼイゴが付いているからアジ系かな、って思うけど、同時にツナ系特有のヒレの形をしている。

潮の流れによっては水中でも時々群れを見かける。たいていは2匹でつるんでハンティングをしてる。

さてさて、メンバーと山のようなビールを積んでビダへ。
ここ数日午前中は風が歩けど、午後は凪いでいる。海はサテンのクロスをかけたみたいに滑らかに平ら。

順にラインを出して、ビダに着いたと思ったら、ディープサイドに入るなりロッドがしなる。
ホィッスル。
ボートのスピードが落ちる。
まず1匹目。そこそこサイズのハンケン。
なんだか今日はかかるのが早いんじゃない?いいんじゃない?
潮もちょうど流れ始める時間帯だし。満月だしー。

ボートが再度速度を上げる。
と、またロッドがしなる。今度は3本同時。

スピニングロッド4本、アウトリガー2本、ダウンリガー1本と、今日は全部で7本ラインが出してある。ハンケンの群れがいれば6本同時にかかったっておかしくない。

ハンケンは大きくて50cmくらいの魚。小さければ難なく引き寄せられるけれど、大きいのになるとちょっとした手ごたえを感じる。ビッグファイトとまでは行かないけれど、そこそこ楽しめる。


今日はどうも当たりだったらしい。
ボートが止まっては進み、進んでは泊まって、ビダにいる間中ボートの上は忙しかった。
Toyoさんがひとこと。「フィッシングってこんなに忙しいんすねー。」
そうなのよ、そうなのよ。特に今日は人数の割りにつりを知っている人が少ないから、Wolleと私がボートの上を走り回ってる。

と、突然ダウンリガーのクリップが外れ、ラインが走り出した。
ギリギリギリギリというロッドの音。
今日はハンケンラリーだけど、念のため1本だけラパラをつけたダウンリガーがおろしてある。それが反応してるぞー!!

ハンケンはラパラには小さすぎるし、いったい何?
今日はハンケンとイカを釣りに来たんだけど。

最初の引きが強かったので、Wolleがロッドをつかむ間にToyoさんにファイティングベルトをつけるようにいう。
そんな引きって事はバラクーダ???
結局ファイティングベルトなしで釣り上げたけど、本当にバラクーダだった。
必死でリールをまいていたToyoさんは、ボートの上にバラクーダが上がっても呆然としている。
いや、元々比較的リアクションの薄い人だけど、なんか一言ないのかー??
そんなことを思っていたら、やっと一言。「初めてっす。」
やぁ、この間が面白いよ、Toyoさんは。

さっきボートに乗る前に、誰かが今日は何をつりに行くのか聞いた。Wolleと私で「イカ」「ハンケン」って答えてる脇からToyoさん「バラクーダ」って答えて、みんなで笑った。
それなのに本当につっちゃったよToyoさん!!

ピピ・レに移動してロックベイという小さな湾でイカ釣り。
Achimは大のイカ釣り好きなのに、今日は粘りもせずにすぐやめた。そういえば1匹もつれない・・・。

アイヤー!
そんなこと考えもせずにイカ、イカってつりに来たけど、今日満月じゃん。それはわかってたのに・・・。
粘ってもつれるわけはありません。

結局Donにバラクーダを調理してもらって、タダのボートパーティーになった。
でももしかしたらToyoさんはAchimよりもイカ釣り好きなのか最後までモクモクとラインを出していた。Achimのイカ釣り好きは相当なもののはずなのに。

今日はハンケンは当たりだったし、バラクーダっていう大きなおまけがついてきたし、上々、上々。イカは釣れなかったけど。

Toyoさんの初バラクーダ。Yukoさんは写真を見ても信じてくれないけど。

2008/12/06

ビデオの仕事

今年から始めたビデオグラファーの仕事。
全部準備が整うまでにずいぶんと時間がかかったけど、ここのところ毎日ビデオを撮りにボートに乗ってる。

編集の部分だけじゃなくて、水中で撮影するのにも初心者の私には大変。
マリオがビデオのとり方を教えてくれてる時に、言ってたことを身にしみて感じる。
「水中では全てが撮影の邪魔をする」って。

もちろん水中のいいところを撮ろうとしているんだけど、その対象物以外の全ての環境が邪魔をする。
透明度、流れ、サージ、対象物の位置、などなど。
島に戻って、映像をチェックする時に、「どうしてきれいに撮れないんだーーー!!」って、自分に半ギレになることもある。

ほかのビデオグラファーはこの仕事をすいすいしているようにも見えるけど、みんな最初はこんなだったのかなぁ。
って、何の初心者でも思うことを思ってしまう・・・。

昨日なんて、編集も全部終わって、さて、PALに変換しましょう、と思ってファイルをドラッグしたとたん一瞬にしてファイルもキャプチャも全部消えた。
何が起こったのかわからずに、どうすればいいのかもわからず。
お客さんに出来上がった映像を見せる時間も押していたので、探しているよりも作り直したほうが早いと思って全くの初めから作り直した。

相手がコンピュータなだけあって、誰に向かってもあたれない。
一人で機嫌悪くなってるくらいしかない。

でも、毎日ダイビングから帰ってきて、編集して、DVDが出来上がったときには嬉しい。お客さんを集めて夜、店で流すんだけど、見ている途中で笑いが起きたり、おおーーっとかかんたんの声が上がるとすごく嬉しい。

今日のサメはそれほどでもなかったんだけど、昨日はブラックチップがカメラに突進してくれて、映像としてはすごくいいのが撮れた。ビビって息を吐き出して、その泡にサメのほうがびっくりしてたけど。ごめんね。

時々いいショットが取れるのがすごく嬉しい。
そのうちそういうのがたくさん溜まったらベストビデオとか作れるだろうし。

でも、ハウジングに入れたままのカメラを支えて撮るのは結構重くて大変。8,9キロだと思うんだけど、腕だけではなかなか支えきれなくて、今ちょっと腰が痛い。

毎日もぐってるけど、いつん会ったら初心者ですって言わなくてよくなるのかな。
来シーズンかなぁ。