2014/02/26

流行りもの

2年ほど前から、ピピ島にいるときに、特定のファッションを見かけるようになった。もちろん若い子達の間で、だ。
まるで20年位前に流行ったようなハイウエストのジーンズのホットパンツ。上に来ているシャツやTシャツはパンツの中に入れてしまう。
それをよく見かけるようになったころ、そのファッションが・・・新しいのか古いのかは別として、かっこいい、よくない、で話がもりあがったことがある。


今になってみれば、そのハイウエストも見慣れてきて気にならなくなってきた。
・・・のだが、今度は更なる新手が。
そのハイウエストのホットパンツの足の部分。この部分の両サイドを切り込んで、さらに後ろのおしりの部分もとてつもなく・・・・と、思ってしまうのは私だけでしょうか・・・短くしてある。
・・・ということは、後ろから彼女たちをみると、おしりの下の丸い線が丸見え。


丸くてかわいいおしりにそれを履いているならいい。むしろ、自分にはできない格好なので、かわいいおしりだなぁ、などと思ってしまう。
が、私のようなおしりをした人が間違って履いちゃっていることもある・・・。
これはいただけない。「見苦しい」という言葉以外に言いようがない。 




このほかに、今シーズンよくみるのは、ロングヘアの女の子のツーブロック。
右側でも左側でも、側面を坊主状の長さに切ってある・・・というより、刈ってある。髪を下ろしていれば見えないけど、縛ったりあげたりすると見える。


まぁ、彼らが自分の国に帰って、仕事にも生活にもその髪型で支障がないというのなら、私が何も口出しをすることはないんだけど、どうにも気になってしまう。
でも、これは「見苦しい」という感想を持つほどのものではない。


ちなみに去年あれほど流行り始めていた蛍光色は、今年は少しずつ減っている気がする。




さて、ここピピ島で見かける流行ものというのは、ほぼ全世界の若者たちのファッションなのか、ここに来るパーティ族の独特な格好なのかは知らない。
が、ここで流行るものがすべて日本で流行るとは限らない。


私が思うに、今シーズンのおしりを出しているホットパンツは日本ではちょっと・・・とも思う。
でも、去年、蛍光色のこともそんな風に思っていたのに、日本で蛍光色の衣類を見かけて驚いたから、もしかしたら、今年の夏は日本でも女の子のかわいいおしりの線が見られるのかもしれない。




私が会社で働いていたころ、時々、仲のいい部長から「こら、会社でケツをだすな」って言われてた。そのころ出していた「ケツ」は上から出していたもの。
それが10年経つと同じ「ケツ」でもしたから見せるようになるのね。


もともとファッションにそれほど興味があるほうでもないし、どちらかというと実用性で者を選ぶ習慣のある私。流行りものにも疎い。
でも、もし自分のおしりがまぁるいかわいいおしりだったら、そんなホットパンツも履きたくなるのかもしれないなぁ。



水中の拾い物

ダイビングをしていると、水中の落し物を拾うことがある。


一番よく拾うのは、もちろんゴミの類。
私はスクーバ器材のひとつ、BCDのポケットにメッシュバッグを入れている。ポケットに入りきらないようなゴミを拾ってしまった場合、そのメッシュバッグが活躍する。


次に多いのが、ブレスレットなどのお土産で買うようなカジュアルなアクセサリー類。


さて、ゴミばかりではなく、スクーバダイビングに使う器材を拾うこともある。
その中でも一番多いのがスノーケル。
まぁ、スノーケルはダイビングをする人以外に、スノーケラーが落としていってるという分もあるのかもしれない。
マスクも時々拾う。これは使用中に落とすのではなくて、ボートの上から落としてしまっているんだと思う。




さて、私が拾ったことのあるもので珍しいもの。
もうだいぶ前のはなしだけど、ダイブコンピューター。そのころ、すでにダイブコンピューターは多くの人に普及していたものの、まだ、今のように誰でも持っているというものではなかった。それなのに、そんなに高価なものが水中に・・・。
そのコンピューターは随分長く水中に落ちたままになっていたようで、表面には何か生物が生えかけていた。
もちろんメンテナンスに出したら使えるようになる。


一人で持って帰れなかったもの。
小型ボートのエンジン。5馬力の小さなものだったけど、翌日他のスタッフと一緒にリフトした。




さて今度は去年の話。
水中を泳いでいると、ちょっと離れた大型のサンゴの上に何かキラキラするものが。
気になって、泳いでいってみると。
Go Proカメラ。
しかも最近発売した最新モデル・・・。
キョロキョロしてみたけれど、近くに何かを探しているようなダイバーはいない。念のため、スノーケラーかもしれないと思って水面も見上げてみる。誰もいない。


そういえばこのころ、他のダイバーもよくこのカメラを拾ってた。


このGo Proカメラ。去年、おととしくらいから急激に世界中で人気が出た。
Wolleもカヤックのトリップに出るときには、自分のカヤックの舳先にこのカメラをつけている。


まぁ、私が見つけた場所に戻しておいたところで、他のダイバーが持っていくのは確実な話。・・・ということで、私がカメラを陸に戻してあげることにする。


ちなみにこういう場合、一応中身をチェックする。
自分の知っている人が写っていたり、カメラに名前が書いてある場合にはその人に戻す。
が、どうにも手がかりがない場合、一応数週間は保管する。そしてその間に名乗り出てくる人がいない場合、自分の手元に残す。


去年は私もこのカメラを結果的にいただくことになった。




さて、今年。
去年と比べるとこの種類のカメラを水中で拾った、という話が極端に少ない。
よくみていると、去年はみんなカメラをハウジング(水中にも対応できるカメラのケース)に入れ、手に持って使っていたように思うのだけど、今年はみんな、そのカメラ用のスティックにつけたり、紛失防止用のアタッチメントを使ったりしている。
なるほど。
そのせいで、去年よりも落とす人が減ったということだ。


それにしてもこのGo Proカメラの人気、目を見張るものがある。
小型で、画質も驚くほどいい。これじゃ、私がしていた水中映像を撮ってDVDをダイバーに買ってもらうという職業が下火になるわけだ。




今日のダイビング中に拾ったもの。
足首につけるアンクレットとプラスチックのコップ・・・要は、ゴミの回収みたいなもの。
もう少しステキなものがいいですな。





2014/02/05

23歳の失恋

ピピ島にいるとき、私の周りの友達の年齢は実にさまざま。
20代前半から60代まで。当然のごとく、みんな対等に話をする。

若い子達はもちろんダイバーが圧倒的に多い。
その中に、23歳の女の子で仲のいい子がいる。

おととい、彼女が通りをぼんやり歩いているのを見かけたので、はろーはろー、なんて声をかけた。いつになくリアクションがないので、どうしたの?って聞いてみると・・・・あれ、あれ・・・彼女の大きな愛くるしい目にみるみる涙が盛り上がる。


どうした、どうした。
まぁ、こういうとき、私は年齢のせいもあってか、比較的相談役になることが多い。


彼女はその日、それまで一緒に住んでいた彼の部屋を出たのだという。あんまりにも相手にしてくれないから、「Do you love me now?」って聞いてみたんだそうな。
そうしたら「わかんない」って答えられたらしく・・・。

彼のほうも私は仲がいい。ピピ島にいるインストラクターの中では古株同士だし、彼は・・・毎回、彼女は若いとは言え・・・30代後半。
かなり独特なタイプの人で、私にとっては軽い話から深い話までできる面白い人。
・・・だが。
彼女曰く、
優しい言葉をかけてくれることが少ない。
スウィートなことを言ってくれない。
自分がサッカーを見たいときだけ、勝手に出かけてしまう。
誘っても一緒に出かけてくれない。
いつも部屋でインターネットばかりしてる(彼はダイビングのウェブサイトの仕事をしてる)。
あれこれ、あれこれ・・・。


おや?
どこかの彼氏に似てますな・・・。
こういうのは別居の条件になるんでしょうか。
それはさておき。






あそこのバーにいるから、何もすることがなかったらおいで、と伝えると、1時間後くらいにやってきた。
さっきは涙が出ちゃってごめんね、なんて言いながら、またしても青い目が潤んでる。そして、私にくっついて、ちょっとちっちゃくなってる・・・・元々は私より、そしてその彼よりも大きいんだけど。
おそらく誰彼なしに話せることじゃないから、私のところに来たんだろう。


「私は23歳なのよ。こんなに年が離れてる若い彼女をどうしてかわいがってくれないんだろう。」
「彼と1年半も一緒にいるのよ。私のこの若い時間を無駄にしたくないよ。この年齢だっていうだけでも男の子よって来るんだから・・・。」


彼女の訴えは、なんとなく、わかるような、ちょっとクビを傾げたくなるような・・・。
確かに彼女は「かわいい」と「きれい」の調度真ん中くらいで、彼女が「もてる」ことも事実だし、自分自身でもそれはわかっていることなんだろう。
確かに彼女の前の彼は若くてかっこよかった。




が、彼女には申し訳ないんだが、訴えを聞いていて、思わず頬が緩んでしまった。
別れ話を聞いているというよりも、拗ねているのをなだめているような、わがままを聞いているような・・・。

もちろん何でもいいからスウィートなことを言ってくれたほうが気分もいいし、こちらも優しくもなれる。
この、日本人男性の持たない習慣に初めて接したころ、私はむしろ、どんな言葉を返せばいいのかわからなくて困ったものだ。
シャワーを浴び終わってみたら、「君はとってもクリーンだね。最高だよ」なんて言われたって、何を当たり前のことを・・・なんて思ったりして。I love youっていうからThank youって返したら怒られたこともあるし・・。


今となっては、そういう言葉がないと寂しくはあるけれど、別れ話の理由にはならないような・・・と、思うのは私が日本人だから。
スウィートでなくなる=もう愛してない
というのは、立派な別れの理由になる。


でもとにかく、彼女は現在ひどく傷ついていて、おとといも昨日の夜も私の隣から離れない。そんな彼女をすごくかわいいなぁ、と思う。そして、同時に、23歳という若さが微笑ましくも、羨ましくもある。


「じゃぁさー、あなたは彼のこと愛してるの?」
って、聞いてみた。すると彼女は、きょろんとした顔をしたあと、「わかんない」・・・だって。
大体このカップルは元々ベストフレンド同士で、それだから部屋をシェアして暮らしていた。それが何かの勢いでカップルになってしまったから、いつからI love youってお互いに言い出したのか、自分たちでもよくわかっていない様子。



去年一緒にいた仲間内からは「プリンセス」っていうニックネームをもらっていたくらい、多少わがままなところはあるけど、年齢の割りにしっかりしていて、人を気遣うこともできる彼女。
今年は彼女にとっては経験のないマネージメントのような仕事をしていて、その疲れも出てきて、普段のわがままに拍車がかかっている状態なんだと思う。こういうときに一番当たりやすいのはやっぱりボーイフレンドなのだ。


失恋に直面している彼女には申し訳ないけれど、こういうかわいらしい恋愛をしていたころが私にもあったんだよなぁ、なんて思ってしまう。
で、そんな恋愛と失恋を繰り返しているうちに、徐々に、かわいいだけの女の子から脱していくんだと思う。


昨日、彼女に言いたかったけど言えなかったこと。
今はまだ過程なんだよ、と。
今悲しいときには、思い切り悲しみに浸かるといい。時間という巨大なシステムがいつかこの辛い思いをスウィートな思い出に変えてくれる。
そして、そんな思い出がいくつもいくつも溜まったころ、スウィートなことを言ってくれなくても、その人と一緒にいるだけで自分がスウィートになれるような人が彼女の前にきっと出てくるはず。いや、そんな人を見分けることができるようになるはず。


こんなことを今の彼女に言ったって慰めにもならないし、説教くさいようでなんとなく言えなかったけど。




私が23歳だったころ、私のボーイフレンドたちは一度でもスウィートなことを言ってくれたことがあっただろうか、などとおぼつかない記憶をたどりつつ、おそらく今晩も私は彼女と並んでバーの隅っこでダイキリを啜ってるんだろうな、なんて思っている。
あるいは、彼ら、今日のうちに仲直りをして元のさやに収まっているかもしれない。ちょっと気にかかって、久しぶりに書くブログに彼女のことを書いてみたけれど、もしかしたらただの老婆心・・・。