2011/09/15

ゲーテと私

この前の私の誕生日。
Wolleの家族とお昼を食べているときに、家族の誰かが「Yaskoはゲーテと誕生日が一緒なのよね」。

ドイツ語で「ゲーテ」というと、もちろんカタカナで「ゲーテ」というのとは違って聞こえる。「え??ゲーテって誰?」ってWolleに聞くと、「君が知ってるゲーテだよ。」・・・たまたまちょっと前にWolleとゲーテの話をしたことがあったのです。

え。そうなの??私の誕生日ゲーテと一緒なの??はぁ、38年間知らなかった。

だからって、ゲーテの恩恵が受けられるわけでもないのに、ちょっぴり誇らしく思ったりして・・・。

ああ、でも、ちょっと待って。
私ゲーテの作品なんて、ここ20年以上読んでませ~ん。
確かファウストは途中で挫折した記憶すらある。
唯一ページを最後まで繰ることができたのは「若きウェルテルの悩み」のみ。それはきっと本の薄さのおかげ・・・。しかも、今思えばどこまで理解していたのかなんて、怪しいなんてもんじゃない。いや、怪しいというより字面を追っていただけではないのか・・・?
確か、「おぉロッテ、ロッテ!」ってやつだよね、位です・・・ごめんなさい。

ところで、最近ドイツ語に関することに敏感になっているせいか気がついたことがある。
「若きウェルテルの悩み」って言ったらたいていの人は同じ小説を想像すると思う。
じゃぁ、「若きヴェールタの悩み」って聞いたらどうだろう。
同じ小説を想像するだろうか。なんだかパロディ映画のタイトルみたいだ。

これ、私の辞書に載ってた・・・なんていうと辞書を熟読しているように聞こえそうだけど、そんなわけない。たまたま開いたページに・・・しかも表紙の裏・・・格変化の例として使われてた。

「Die Leiden des jungen Werther」というのがこの小説のドイツ語の原題。
このWertherというのが一般のウェルテルという名前の部分。

どうやら、日本でこの小説が最初に訳されたときに「ウェルテル」と訳されたので、日本ではそれが通常の読み方になっているらしい。が、実際ドイツ語では「ヴェーテァー」みたいに聞こえる。
それが最近訳す人によってウェルテルじゃない読み方に変られている、というわけだ。
どうしてドイツ語のWの発音を本来の「ヴ」じゃなくて英語読みのように訳したのかはなぞだけど。

最近富みに外国文学を訳しなおして再出版するということがある。私はまだ手にしていないけど、ロシア文学が顕著らしい、って事を聞いた。
そんな影響のせいか「若きウェルテルの悩み」も一見タイトルが違うものになってることがあるみたい。


そんなこんながきっかけで、今回日本に戻ってから、本棚を漁ってみた。
数年前家中の本棚を整理したときに、外国文学、日本文学、しかも作者が同じものを並べてみたりした記憶がある。
あった、あった。「ファウスト」と一緒に。あ、でも「ファウスト」は一部しかない・・・一部の時点ですでに挫折していた模様。

時間もあることだし、読んでみることに。
書簡の形態をとってるこの小説。ウェルテルの心の動きが友人ウィルヘルム・・・この名前だって最近の訳だったら違うのかも・・・に延々とつづられている。

20年も年をとったんだから、ちゃんと読めば前よりは少しは理解できるかも・・・なんて思いながらゆっくり読みました。
でも、時代の差というか、国の違いというか・・・。
日本文学を時間がたってから読み直すのとはやっぱり少し違う。結局小説の後ろについている解説の部分を読むまで、よくわからなかった。
この小説、この時代に書かれたから意味があったのかなぁ。当時は小説というのは娯楽として楽しむためにのみ書かれていたらしい。それが「苦悩」を題材にしたところが斬新だった、と。
そういわれたからって、理解できたとは言えないんだけど。
でも最終的に自殺したウェルテルに習って、自殺まで流行したっていうんだから、当時は相当センセーショナルなものだったに違いない。


私が今習ってるドイツ語のレベルとは程遠い話で、まさに気の遠くなるほど先の話だけど、いつか原文でこの小説が読めたらいいなぁ、なんても思う。
そうしたらもう少し、ほんのちょっとはウェルテルの悩みも理解できるようになるかもしれないなぁ、なんて思ったり・・・。
あ、それは別の話かな・・・。

ウィキペディア ゲーテ
ウェキペディア 「若きウェルテルの悩み」

2011/09/14

ビデオ 「南極料理人」

今回の映画は劇場で見たものではありません。
2009年公開の「南極料理人」。DVDのレンタルです。

相変わらず、映画を見て笑いたい私と母の真夜中の映画鑑賞会。

南極の観測所で越冬する8人の隊員。主人公は彼らの食事を作る料理人。
この料理人が主人公ではあるんだけど、8人が8人ともユニークなキャラクターで、どのシーンを取り上げても必ず笑える。
これはすごいこと。しかも「くすっ」と笑えるんじゃなくて、「どっ」と笑える。

どこまでがエッセイにある事実で、どこからが脚本のオリジナルなのかわかりませんが、これだけ笑わせてくれるなら・・・しかも気分よく・・・全部フィクションでもまったく問題ありませ~ん。

キャストもしっかりそろってる。実はDVDを借りるとき、キャストに注目することが多いんだけどね。

DVDのカバーにも書かれていたことだけど、この料理人・西村さんが作る料理、どれも本当においしそう。夜中に空腹を我慢して見ているからなおさらのこと。
伊勢えびのエビフライ・・・おいしいんだろうか・・・?食べたことある人いますか??

南極で越冬、しかも少人数で暮らしていること 。
これって、一般に人が住む条件とかけ離れてる。
私にとっては「南極で越冬」なんてすごくかっこよく聞こえる。でも私自身の経験上「少人数で暮らす」というのは耐え難いほどのストレス。この二つがもしかしたら私のポイントをうまくついたのかもしれない。

ここ最近の一番のおススメです。
詳しいことは下記ウェブサイトをご覧ください。

ウィキペディア 南極料理人






創造力

昨日友だちと飲みに出かけた。

うちに毎日襲撃に来る弟の子供たち。彼らにとって私は時々いるけど時々しかいないおばちゃん。
6歳、3歳、1歳という、聞いただけで思わず身震いしてしまいそうな組み合わせの彼らは、それ相応に激しい。

昨晩帰ってきたときには気づかなかったのだけれど、今朝になって気づいた。
居間の飾り棚に、おもちゃのブロックが置かれている。

昨晩「ぼん(私のこと)に見せたいから、帰ってくるのを待つ!」と言い張る彼らをなだめ、ブロックで作ったもの・・・失礼、作品を壊さないように並べたらしい。
これは3歳ののちちの作品。
3歳のわりにはまともなものを作っているように見える・・・が、この動物・・・恐竜かと思われる・・・には足が6本ある・・・・。
3歳という年齢で、何をどれくらい知っているのかわからない。
ただ、動物に足が6本という時点で、芸術なのか、それ以外のなにかなのか混乱させるものではある。
これは6歳のお姉ちゃんの作品。
・・・・。
彼女に創造性のセンスがかけらもないことは明らかである。普段から星マークやハートマークが好きな彼女のことを考えると、もしかしたら筆のタッチの芸術ではなく、幾何学的なデザインならいけるのかもしれない。・・・もしかしたらCG系の・・・・。
いや、これは妄想です。
兄と姉が何かを並べているのを見て、自分も何か、ぼんに見せるものを・・・そこまでわかっていたかどうかは定かではないけれど・・・置かねば、と持ってきたのがこれ。
上の二人に遅れをとるまいとするところが、年齢も重ね合わせるとかわいらしい・・・。気分はお姉ちゃんとお兄ちゃんと一緒なんだろうなぁ、と思う。
ものが3つ並ぶと3人3様で面白おかしい。
自分には子供がいないせいもあるのかもしれないけれど、 自分が3人兄弟のせいもあるのかもしれない。

2011/09/10

小説「私の男」 桜庭一樹

日本にいる間は、私の少ない読書の時間でもある。
実家の階段を上がったところに乱雑につまれている本。うちの階段文庫だ。


今回こんな小説を見つけた。
桜庭一樹著「私の男」 。

この作家の名前、私は聞いたことがなかった。でも、帯に「直木賞受賞」という文字をみつけ、手にしてみた。

表現法に凝ったのだろうか。物語が現在から過去へとさかのぼっていく。よって、「これから先どうなっちゃうのかな。」というドキドキはない。その代わり「どうしてこんなことになっちゃったんだろう」という疑問には答えてくれる。

文体というか、内容というか。全体の雰囲気が桐野夏生の小説に似ている。一般常識を少々逸脱しているようなところとか、それを女性の主人公が淡々と受け入れているところとか。
どちらの作家も女性という共通点はある。女性が女性らしくない作風にしようと心がけると、こういう作品が生まれやすいのだろうか。

どちらの作家も筆に勢いはあるが、ちょっと他と違ったものを好む傾向にあるような気がする。・・・それなのに似ていると言ったら彼女たちは心外かもしれないけれど。

直木賞を取っているだけあって、・・・なんていう言い方をしたら失礼かもしれないけれど、人間の深いところにある「俗」をくすぐるような作品だ。
主人公たちの純粋さと俗悪をマーブルのように混ぜ合わせて、しかもそれが見え隠れするように表現してある。

この作家のほかの作品を読んでいないのでなんともいえないけれど、もしも違った作風も書くことができる作家だったら、これからどんどん売れていくんじゃないかと思う。
ただ、もしも、桐野夏生みたいに、このタイプの作風しか描けないようなら、この作家も同じ道をたどるんだろうなぁ、なんて勝手なことを思う。






映画「ツリー・オブ・ライフ」

今日は水曜日。母が仕事で出かけている日、恒例の、父とランチ・映画デート。

今日もランチの後、予定も見ずに劇場へ。今どんな映画を上映しているのかも知らない。
予定表を見ると・・・1時間半ほど待てば「ツリー・オブ・ライフ」なる映画が始まるとのこと。なになに?カンヌでパルムドール受賞?
よさそうじゃない?

前回同様、内容も知らないまま映画が始まる。

結論から言ってしまおう。
私は生粋の日本人で、宗教概念、神という概念を持ち合わせていない。そのせいなのかもしれないが、映画全体を構成している「神」を理解できなかったんじゃないかと思う。

特に前半に出てくる、宇宙と自然を表現したシーンは、果たしてこの映像をここまで長時間流す必要があるのだろうか、と思った。
人間の魂を神と絡めて、宇宙と自然、あるいは太古を思わせる映像で表現したものだと思われる。人ひとりの魂の深さ、それと他とのつながりを、そこまで大きなスケールで捉えたことには、映画全体を壮大にしているとは思う。しかし、神の存在すらよく理解していない私には少し不可解だった。

ただ、神とか魂とか小難しいことをいわず、映像を楽しむにはいい映画ではないかと思う。
自然の、人間のあるいは家族の「これでもか」といわんばかりの美しい瞬間が映像になってランダムに目の前に差し出される。

回想シーンが多いせいもあるけれど、ある1点を2時間半かけて説明している。そんな映画だったように思う。

詳しい内容を知りたい方はこちらの公式ページへ。
http://www.movies.co.jp/tree-life/








2011/09/06

日本に帰ってきました

3ヶ月ぶり、日本に帰ってきました。
9月1日、成田到着。

成田から埼玉の祖母の家に1泊してから実家に帰ってきました。1日は台風12号が日本に近づいてきた日だったのかな。
もう1泊余分に泊まっていこうかなぁ、なんて思ってたら、「明日は台風がひどくなるから今日のうちに帰れ。」と祖母に言われ、重い腰を持ち上げて実家へ。

帰ってきてから3,4日。今日になってやっと晴れました。

10月中旬まで日本にいます。
みなさん、時間があったらご飯でも食べに行きましょう。

荷造り

とうとう日本に帰る日が迫ってきた。

フライトが午前中なので、ベルリンに住んでいるダイビング仲間のところに前日とまらせてもらうことになってる。
この友だち、2年ほど前にピピ島でダイブマスターのコースを取った。それから会ってないけど、最近仕事柄ベルリンに住むことになったようで、スペイン人の彼とはドイツ語のレベルも同じくらい。

というわけで、明日の午後ここを発ってベルリンへ。
それまでに荷造りしなくちゃいけない。

荷物とはいっても、それほどたくさんあるわけじゃない。ここで必要なものはほとんど置きっぱなし。
ただ、9ヶ月使わずにおくものを少し整理しなくちゃいけない。
こういう整理整頓の類・・・苦手なんだよねぇ。

昨日のパーティの二日酔いが残る体を、がんばってのろのろと動かし、少しは片付いたかな。

あとはバックパックに詰めるだけ・・・。

誕生日パーティ 2011


私の誕生日。
毎年取ったチケットによって、日本にいるかドイツにいるのかばらばら。今年はドイツでした。

しかも日曜日。
「誕生日には何をするの」って1ヶ月以上も前からWolleママに聞かれていたんだけど、さっぱり予定はなかった。
毎週待つどこかしらに出かけているんだけど、この週末は最後の週末でしかも誕生日が重なっていることもあり、どうしようか、なんていっているうちにその週末になってしまった。

土曜日にWolleの姪の入学式のお祝いもあることだし、思い切ってこの週末はうちでゆっくりしよう。ということになった。
天気もそれほどよくなさそうだし、どこかに出かけて当たりと出るかはずれと出るかわからないよりも、たまにはうちでくつろぐのもいい。

誕生日の日曜日にうちにいると知ったWolleママは、お昼をみんなで一緒に食べましょう!好きなものを作るから!。
彼女の料理はどれもたいていおいしくて、好きなものといわれてもすごく困る。インゲンのスープ・・・は、彼女にとって特別料理じゃないので却下されました。グラタン・・・もだめ・・・でした。トマトスープ・・・は、もうメニューに入ってる。
何でもおいしいから任せます、ということでお昼。

私が部屋に入ったら、ハッピーバースデーの歌を家族で歌ってくれた!
なんだかすごくくすぐったいように恥ずかしくて、うれしかった。
日本って文化として、あまり誕生日を重視しないけど、誕生日っていうのは、みんなのお祝いじゃなくて、自分だけの特別な日だからちょっとスペシャルな気分になる。誕生日をもっとお祝いして、1日だけでもスペシャルな気分になるのは悪くないなぁ、と思う。

しかも見て!
私のお皿の周りには、庭から取ってきたバラの花が置かれてる!!

mmmm・・・うちで食べるご飯だからって、せっかくの素敵なお昼に私は乱暴な格好をしている気がするけど。


さて、おなかもいっぱいで、ごろりんとしてテレビでも見ようか。世界陸上ファイナルだし、F1も見なくちゃいけないし。

で、F1が始まったころ。ドアのベルが鳴った。
テレビを見てるのは3階。ドアまで走っていかなくちゃいけないことを面倒くさがって「Wolle行ってよ。」「いや、Yaskoが行け。」なんて言い合いながら結局「誕生日なんだから」という意味不明の言葉に理由もなく納得して私がどたばたと階段を降りる。

ドアを開けると。
友だちが二人。
おぉ!なんというタイミング。近所に住んでるからって、F1でも見に来たのかな。
でも、てっきり宅配便を・・・日曜日にもかかわらず!・・・受け取るのだと思っていた私はびっくりした顔をしたのだろう。
あがって、あがって。って言う私に、あれ?知らなかったの?

知りませんでした。
どうやらWolleが日曜日の2時からYaskoの誕生日パーティーをすると電話したらしい。そして夕方に予定していたバーベキューも。
どうして3本もワインを買うのか。どうして何キロにもなるようなお肉を買うのか。何も考えずに見ていたことの理由がわかった。

夕方までワインを飲みながらおしゃべりをし、その後はバーベキュー。
準備を始めるころから、一人、また一人と私が特に仲がいい友だちがやってくる。
最初の二人だけではなくて、私が話しのできる友達を招待していたらしい。
ちょびっとずつのサプライズパーティだ。

残念なことにバーベキューの写真がない。
慌ててどこかにカメラを置き忘れ、いくら探しても見つからなかった・・・。

しっかりおなかも膨れたころに部屋に上がる。
いや、もう写真を見てくださればわかると思うけど、とにかく飲んで飲んでというパーティだった。

私なんか途中で寝て、また起きてる・・・。




















パーティは結局夜中の3時まで続いた。みんな翌日仕事だっていうのに・・・いや、ありがたいことです。