2009/07/31

バーベキューパーティ

木曜日がheinrichの休みだって言うんで、バーベキューパーティをすることになった。
やっぱり仕事してない私が準備に借り出される。

そこで再度レストランのキッチンへ潜入。
パーティに来るのは約20人。・・・20人?ずいぶん大きなパーティになってしまった。20人分のバーベキュー用意するのか・・・。

しかも、準備をする人ではないWolleが食べたいものを次々にあげていく。ラム、ミートボール、照り焼きソース、スープ、ケバブ・・・。ひとつずつ食べたってそんなに食べきれないんでは・・・?
Heinrichも20人分のバーベキューが今ひとつどれくらいの量なのかわかんなくなっちゃったみたい。スーパーマーケットで買い物をするときに「これくらいかなぁ」「足りるのかなぁ、多いのかなぁ」なんて言ってる。
いずれにしてもお肉は塊で買うんだし、その塊が何人分のケバブになるのかなんて、見ていたってわからない。適当に買い込んでいたら、気が付いたときには大量の食材に・・・。

結局丸2日間かかって買い込んだ食材を準備した。切る、マリネートする、混ぜる・・・。
本当にすごい量だよ。もっと友達呼んだほうがいいんじゃない?

当日、もちろん火のそばに立つのは男の子の仕事。私は座ってビールを飲んでればいいはず・・・がどこに何があるのか、どれがどのソースなのか、結局私も火のそばにいることになった。






でもそれも時間をかけて用意しただけあっておいしい。

20人分用意しようとしたバーベキューは結局大量に残り、来週再度バーベキューをすることになった。
場所を提供してくれたパブのローバートはどの味も気に入ったらしく、翌週に再度バーベキューをすることを快諾してくれた。
どうもありがとう。

あ、でも私、マクトブルクにいて来週のバーベキューには行けないんだ・・・。

2009/07/27

日本食の材料

日本食の材料って、海外では手に入りにくい。
そんなことを言ってしまえば、どこの国の人にとっても同じなんだろうけど。

例えば片栗粉、料理酒、みりん、こんぶ、かつおぶし・・・。あげていくときりがない。
もちろん代用できるものもある。
片栗粉にはコーンスターチ。でもとろみが今ひとつ弱い。
料理酒には日本酒。でも海外で日本酒というととても高価なことが多い。
みりんは料理酒よりも見かけるけど、これも高価。
昆布・鰹節は出汁パックになって売ってる。だけど、普段使い慣れてなので、どれくらいの量を入れると自分の好みになるのか今ひとつ把握できない。

と、いうことで今回はドイツに結構いろんなものを持ってきた。
昆布、鰹節、料理酒、片栗粉、カットわかめ、梅干、などなど。使いやすかったのは乾燥ごぼう。ごぼうの千切りが乾燥してあって、キンピラやごぼうサラダに使える。

ところが、いざ何か作ろうとすると、「あれ、ゴマがないや。」とか「あれ、からしがないや。」とか、なんだかんだいって足りないものが出てくる。

ということで、仕方がないからなんとなく日本食だけど、日本で食べたらそれほどおいしくないよね、って位の味のものを作ってる。

まぁ、どこででも、そこの地元の料理を食べるのが大抵は一番おいしいので、私の現在の食事はほとんどドイツ風・・・あくまでドイツ風・・・の食事を作ってる。
ただ、ミートボールはハンバーグだし、カツはシュニッツェルだし、この二つは完全に被ってるのでちょっとうれしい。昔の日本人のどなたか、日本にこの料理を持ってきておいてくれて、ありがとう。

普段日本で食べてるものって、意外と純和食じゃないものが多くて、パスタにしろ野菜スープにしろグラタンにしろ洋食を食べてることも多い。そういう料理はどこに行っても比較的他の国の人にも受け入れやすいみたいで、結構みんな食べてくれる。
ただ、しっかり出汁をとったおみおつけなんかは人によっては魚くさすぎてだめらしい。
おみおつけが魚くさいなんて・・・って思うのは純日本人。・・・私も。でも、よく考えたらだしを昆布と鰹節でとってるんだから当たり前。

大きな町に行くと、アジアンマーケットとか言って、アジア料理の食材が大量においてあるお店なんかもあったりする。でも、経営者が日本人でない限りは、たいてい中華系のものか、ベトナム系のもの、タイのものなんかが多い。あるいは乾麺。
多くの外国人にとって日本食といえばSushiなので、のりとかガリなんかは手に入りやすい。わさびも。手巻きずし用の・・・なんていう名前なんだろう、くるくる巻くための竹の棒が編んである道具、なんかも時々見る。

おしょうゆはキッコーマンが圧倒的に多い。
ノルウェイでスーパーマーケットに行って、キッコーマンを見なかったところはなかった。他の日本のメーカーのおしょうゆは見たことないかな。でも、味がちょっと古い味がするときがあるんだよね。
中華系の材料にもおしょうゆはあるんだけど、何がなのかわからないけど少し味が違う。で、日本のおしょうゆのことをみんな「キッコーマン」って呼ぶ。絆創膏を「バンドエイド」って呼んだり、ホチキスなんかもそんな類だけど、メーカー名がそのままその商品をさしてる。

パン粉。
これがちょっと面白い。
シュニッツェルなんかがあるんだから、日本以外でも当然パン粉は存在する。でも、日本のみたいに目が粗くない。
元々の名前を見ればなるほど、なんだけど乾いたパンをすりおろした状態のもので、顆粒状よりももっと細かい。それを使うと、同じフライでもなんとなく日本のフライと違う。かりっとはするけど、さくっとはしないというか・・・。そのせいか、アジアンマーケットなんかで時々「パン粉」って日本語で書いてあるような日本のパン粉を置いてあることもある。

Wolleが毎日仕事に行くのに、朝ごはんのパンを持っていく。同じパンでもフレッシュなほうがいいと言うので、毎日パンは買いに行く。・・・朝じゃないよ。
でも、夕食分が食べずに残ってたり、切り残しがあったりと、全部食べきらないときがある。
そういうパンって、日本で放置しておくとカビが生える。でも、ここはすごく乾燥しているのか1日2日するとカチカチになる。
最近それをすりおろしてパン粉にしてる。すると、売ってるものと全く同じものになる。ははぁ。パン粉って元々はここから来てるのね。日本のパン粉は目が粗いから、どうしてパン粉って言うのかそれを見るだけじゃよくわかんないけど。
昨日それでシュニッツェルを作ったらおいしかった。・・・当たり前か。


ところで、今度の木曜日、バーベキューをすることになってる。
何か日本の味を入れて、っていわれてるんだけど何がいいんだろう。
照り焼きソースを作っていく?あるいは・・・。mmm。バーベキューにできる日本の味って何があるの?バーベキューって日本では夏のアウトドアのときくらいにしかしないからねぇ。
もう少し考えます。

2009/07/24

豚肉の話

どこの国に行っても、びっくりすることってよくあること。
初めてドイツに来たときに、豚肉でびっくりした。

日本人の感覚で言うと、豚肉は雑菌をいっぱい持ってるから、触ったら手を洗うとか、使ったまな板はよく洗うとか・・・。
それがドイツでは生の豚肉を食べる。

日本で言うハンバーグがミートボールと呼ばれてるんだけど、それを焼く前の状態で食べる料理もある。
普通にスーパーマーケットで買ってきたひき肉は生で食べられる。

げげっ、って気持ち悪く思う人だって日本人の中にはいるだろうね。私の家族もその話をしたときに変な顔してたもん。
でもこれがおいしいんだ。
しかも何がいいって、ミートボールを焼く前にスパイスを混ぜた状態で味の確認ができるってこと。まぁ、私は日本でもちょろっとなめてみたりするけど、ひき肉をボウルでこねこねした後に指にくっついたお肉もぺろぺろ食べられてしまう。
何が困るかといえば、ミートボールを焼いている間にWolleがボウルから1/3くらいは食べてしまうこと・・・。

その代わりに、Wolleが日本に来たときにはとりわさにびっくりしてた。それを聞いたほかの人もびっくりしてたけど。「日本人はサルモネラっていうものを知らないのか?」って。
もちろん私たちだってスーパーマーケットで買ってきた鶏肉をむしゃむしゃ生で食べてしまうわけじゃないから、それはちゃんと説明したけど。


ドイツではお肉といえば基本的には豚肉らしい。・・・・ドイツっていうのか、Wolleの住んでる地域だけなのかよくわかんないけど。
お肉屋さんには鶏肉は置いてない。鶏肉は肉じゃないから・・・。牛肉を扱ってないお肉屋さんもある。

それが、その豚肉がおいしい。
生のものだけじゃなくて、軽く燻製にしたステーキとか、ソーセージとか、脂部分だけとか。こんなにも種類があるのかと思うくらいの種類がショーケースに並んでる。
どれもしっかり脂が乗っている状態で、しかももちろん新鮮この上ない。・・・生で食べられるくらいなんだから。
ただ焼いただけでもしっかり「豚肉」の味がする。

日本料理にはお肉の薄切りをよく使う。
よく使うからあるのか、薄切りが多いからそれを使った料理が多いのか、コロンブスの卵。でも日本以外の国で日本料理に使えるような薄切りを見たことがない。
それは私にとって、実はとても困ることなんだけど、ショーケースの中の大きなお肉の塊を見るとそれはそれで日本では見慣れないものだから、ちょっとうれしくなったりもする。
Wolle曰く、頼めば薄切りにもしてくれる。
だけど、私にはそれを頼むほどの語力がないので、今のところ塊を量り売りしてもらってる。
そのうちね。好きなこと、何でも言えるようになったらね。


この前、Wolleが豚肉の料理を作ってくれた。
大きな塊をハーブでマリネートして、オーブンで焼く。それだけなんだけどすごくおいしい。
これはオーブンに入れる前。
2時間くらいオーブンで焼く。
周りの白いのは塩。この塩がオーブンの中でお肉にしみこむ・・・ってほんと?
外はかりっと、中はジューシー。


こういう料理が沢山あるから、きっと薄切りなんていらないんだよね。
でも薄切りもおいしいよ。
とはいっても、お肉の塊を食べなれてる人たちにとっては、薄切りって、食べた気がしないのかもしれないなぁ。

2009/07/23

NightとEvening

Nightって言ったら「夜」って普通は訳す。
じゃあEveningは?
「夕方」?「晩」?

でも「夜のみに行かない?」なんていうときにはthis eveningって使うことが多いような気がする。でもここで私たちが言う「夜」って9時とか10時の話じゃなくて、6時とか7時とか、間違うと5時ってこともある。
日本語には英語でいうeveningの時間帯がないの??

私はnightもeveningもフレーズとして使っているような気がする。何かする時間帯はevening・・・みたいな。

で、この夏ここドイツにいて、なんだか感覚的に、どうしてeveningっていう言葉とnightっていう言葉があるのかなんとな~くわかった気がする。
だって、夏だからなんだけど、今でも夕焼けは9時半頃なんだもん。
ここに来たばっかりのとき、6月の頭には11時半ごろが夕焼けだった気がする。

1日の終わりに近い時間帯がevening??暗くなってうちに帰って寝てもいいような時間がnight??

日本だと、夏も冬も日の暮れるのは大まかに言って6時前後。
ここはイングランドじゃないけど、日本とここほど違いはないだろうから、そういう感覚で英語ができてるのかなぁ。と、最近思う。

で、日本語にするとやっぱり「晩」・・・かなぁ・・・。
でも私の中では「晩」はすでに暗いイメージがあるし・・・。「晩、寝る」って言う?言うのかなぁ。「夜、寝る」はしっくり来るけど。
「晩」だけじゃあんまり使わないからかな。「今晩」だったらまだ何かする時間帯のように感じる。「今晩電話するね」とか・・・。

訳す、って難しいねぇ。
最初からその言葉が出来上がった場所が違うんだから。

Soljanka ~Heinrichのキッチンへ潜入~

キッチンで忙しかった昨日。
私をうちに送ってくれたHeinrichとWolleと、夜になってから常連のパブに飲みに行く。
Wolleは2日間私がキッチンで大丈夫だったのか、ちょっと心配していたみたいでHeinrichにしきりにキッチンでのことを聞いてた。
Heinrichもレストランもオーナーも私がキッチンに潜入してることにHappyだよ。とのお言葉をいただき・・・ちょっと・・・いや、すごくうれしい。ろくに話もできないのに使ってくれるなんて・・・。

で、飲んでるときにHeinrichが明日はSoljanka(ゾルヤンカ)を作るんだ。なんて言った。
Soljankaっていうのは、キッチンにあるもの何でも入れて作るスープだ。Wolleの説明だと、「キッチンのクリーニング」になる。Heinrichは否定してたけど。
とにかく、そのスープを作るって聞いたとたんWolleが「Yaskoは明日も暇だよ」って。
おい!
確かに暇だけど、明日は私はキッチンに行く予定じゃないぞ。洗濯もしなくちゃいけないし、ほかにも・・・。
なんていうドイツ語を考えてる間に、翌日も行くことに決定した様子。

昨日もキッチンで作った魚のスープを持って帰って、それがよっぽどおいしかったみたい。
かくして、キッチンにて3日目突入。

前日に飲みに行ったせいで翌朝のHeinrichはくたくたしてる。私たちが帰った後にも、同じテーブルにいたほかの人たちと遅くまで飲んでたらしい。
だけど、今日は予約は一組だけ。しかもスープを作ったらさっさと帰るらしい。さすがドイツ・・・というか、なんなのか・・・。日本だったらキッチンのシェフが好きな時間に来て好きな時間に帰るなんて事はないだろうに・・・。時間制じゃないんだろうか・・・?


キッチン潜入3日目。
言われなくても大体しなくちゃいけないことはわかってきたぞ。だけど今日はスープ。

まずはブイヨンを作る。10Kg近くある牛肉と、同じく豚肉のスモークされたものの脂身を取り、茹でて茹でてブイヨンにする。
そして残りのお肉・・・というかその部分が大半なんだけど・・・を半口大に切っていく。両手でもてあますほどの大きさのお肉を半口大に切っていくって、結構手間がかかる。
そして、ストックしてあった他のブイヨンでまずは牛肉を煮る。豚肉を入れるのは牛肉を入れて1時間以上たってから。じゃないと、豚肉が崩れちゃうらしい。
そして玉ねぎ。みじん切りとまではいかないくらいの小ささに刻む。「これがぎゅうぎゅうにいっぱいになるくらいの量ね。」って渡されたのは一般的なバケツ大の容器。
・・・これにぎゅうぎゅういっぱいね・・・。玉ねぎいくつ必要なんだろう・・・。
結局玉ねぎをむいて刻むのに1時間くらいかかった。
私はコンタクトレンズを使っているせいか、玉ねぎを切ってもそれほど涙が出ない。普通にめがねで作業してたら涙ぽろぽろじゃないかなぁ・・・。
そして、トマトとパプリカ、ピクルス。
お肉を2時間くらい煮たあと、野菜を全部入れる。そしてもう2時間くらい。

スープを作ってるお鍋は私が座り込んで入れそうなほど大きい。これ、アウトドア用のお風呂になるんじゃないの??そしてもちろんかき混ぜている木の杓子も、戦えそうなほど大きい。
そのお鍋がクツクツいってるのをそんな大きなへらでかき混ぜてると、なんか悪いもの作ってるような気分だ。食べたら変身するスープとか・・・。
mmmm・・・。言葉が使えないと想像力っていうのはどんどん増長する・・・。

Heinrichは毎回、何かを作るたびに丁寧に私に味を聞いてくれる。
「どう?何か足りないかな。」
でもこのスープは、私にとって初めてのスープで、どんな味があるべき味なのかわかんないので困った。・・・塩が足りない気もするけど、他には何を入れることができるの?
私は塩味が好き。しかも日本食っていうのは他の料理と比べてとにかく塩っけが多い。そんな私の舌で味見をしても私の好みには、あるいは日本人の好みにはなるかもしれないけど、他の国の人にとってはどうなんだろう。
私が料理をするときは、できるだけ塩辛くならないように気をつけてるけど。
でも、Heinrichも私も、昨日沢山飲んで体が塩や水を欲しがってる日だから、ちょっと薄めくらいがいいのかなぁ。

前日の魚のスープがWolleに大好評だったので・・・Wolleの両親にも・・・今日は一回り大きい容器にスープを入れて持って帰った。
お給料がない分、現物支給・・・?
それもいいかも。
夕食の後、Wolleのママが「明日はなぁに?」って聞いてた。いやいや、明日はおやすみです。

2009/07/20

Heinrichのキッチンへ潜入

昨日の夜Heinrichから電話がかかってきた。
前からあんまり忙しくなさそうな日にHeinrichの働いてるキッチンを見に来ていいよ、って言われてた。ちょっと急だけど、明日。ここのところ、私にかかってくる電話がいくつかありますなぁ。

で、翌日、というか当日。
必要なのはキッチンではく靴のみ。一応外からはいてきた靴から他の靴へ履き替えなくてはいけないらしい。エプロンと腰から下げるタオルはHeinrichのを使う。

さて、キッチンへ。
朝一番にキッチンへ入るので最初の準備から。

ドイツ料理でよく出てくるソースは冷蔵庫のものを出して適温に保つ機械に入れる。お湯が張ってあってその中にケースごと入れる。要するに湯銭にかけている状態。
なるほどね。これで一回一回温めなくても常に適温で出せるわけだ。

次はサラダ。
野菜を、切って切って切って切って・・・。
こんなに多量の野菜を一度に切るのは初めてだぞ。トマト10個とか、レモン10個とか、玉ねぎ5Kgとか。ここまで沢山の野菜を一度に切るってなると、ものすごい単純作業になって、まるで自分が機械化したみたいに感じる。

Heinrichが左利きのせいか、包丁の歯がなんとなく使いにくい。私が見てる限り、日本よりも左利きの割合が多いみたい。私が知ってるだけですでに何人かいる。

レストランが開店する頃になると他のスタッフもやってくる。

なんだか学生の頃バイトをしていた頃を思い出す。
開店作業に準備、そして開店。

キッチンにはこれまた私が入れそうなオーブン。1M四方くらいの鉄板・・・ここには常に温めておくお鍋が乗ってる。そしてガステーブル。フライヤー。油の薄く入れてあるお風呂桶の半分くらいのサイズのフライヤー。
冷蔵庫は普通に大きなサイズのものと、さらに一部屋冷蔵室になってるものもある。

mmm・・・。さすがレストラン。
これだけストックがあれば何十人のお客さんが来ても大丈夫だ。

この日は、Heinrichが特に予約も何もない日を私のために選んでくれたせいと、天気が雨だったせいですごく暇だった。
その代わり、Heinrichがキッチンの各所を説明してくれる。Heinrichは英語をほとんど話さないので全部ドイツ語。それでも、手や体を使って説明してくれるのでなぜかすごくわかりやすい。・・・他のスタッフのドイツ語は聞き取れないんだけど・・・。

注文が入ると、どうしても私はすぐに動けない。だって・・・注文表に書いてある料理がなんなのかわかんないんだもん。
でもそのたびにHeinrichが私にできることを指示してくれる。
おおぉ~、なんか働いてるぞ、私。

朝からキッチンにいたので、午後3時ごろには仕事は終わり。この前このレストランに招待されたときにHeinrichが9時ごろまで働いていたので、それくらいまで仕事なのかと思ったら、早く終わった。
久しぶりに半日ずっと立って動き回ってたせいか、疲れた。時間はあっという間に過ぎたけど。

Wolleにお土産に私の作ったブュッフェ用のアペタイザーを持って帰った。
うちで作るものと違って見た目がすごく凝ってる。よくブュッフェで見かけるゆで卵が半分に切ってあって、君の部分がクリーム状で、その上にキャビアとかオリーブとか乗ってるやつだ。
Wolleはいくつもあったその卵をぺろりと食べてしまった。

今日はHeinrichにお疲れ様、だ。仕事中にうろちょろしてる私の世話をしてくれて。
どうもありがとう~。

2009/07/19

Arendsee Fishing Tornament

週末、天気が悪いって聞いてたので、遠くから誘われてたパーティを断った。
雨の中のパーティはちょっとつらい。しかも私たちのキャンプ用の器材はまだノルウェイのラツィのところにある。
寝袋もテントもなしで雨の中で寝る・・・ってことは車の中ってことになる。そんなのは疲れるからいや~。 なんて言って、うちにいたら、金曜日の夜になって電話が鳴った。

毎年冬の間プーケットにいて、去年のフィッシングトーナメントにも参加してたOlli。
Olliはここから車で30分くらいのところにある湖Arendseeに住んでる。ついこの前も遊びに行ったばっかりだ。
明日Arendseeで釣りの大会があって、参加条件が「カップル」なんだけど、Yasko来ない?
おおぉっ。なんだなんだ、この電話はWolleにかかってきたんじゃなくて、私にかかってきたのかい??
はい。行きます!!

Olli曰く、前にも優勝したことがあるから、今回も優勝狙いで行く、って。
優勝したらカップをあげるからおいでよ、なんて言われて優勝するつもりで出かけた。

トーナメントとは言っても、地元の人がほとんどのちょっとしたイベント。 Wolleは、「それでもトーナメントはトーナメントだ」って。確かに・・・。
これを期に、プーケットをはじめ、各所のトーナメントに私の名前を残して歩くことにしようか、なんて笑い話にもなる。


翌日土曜日。午後2時から始まるトーナメントにあわせてArendseeへ。
湖なら岸からでもボートからでもいいらしい。 Olliは自分のうちの庭から湖岸へ出るところで釣ることに決めてるらしい。

この湖は湖岸の半分くらいの土地が、細かく区切られて番号札が立っている。これは、この番号札の部分の持ち主がそれぞれ違うということで、Olliのうちではたまたま自分のうちの前にそういう切り売りの土地が出たから所有した、という感じで、家の建ってる土地と、湖岸の土地が小道ひとつはさんだだけでくっついてる。
この岸辺の土地に簡単なバンガローを建てて、週末ごとに遊びに来る、なんて人も沢山いる。
そういえば、ピピ島の私たちのバンガローの改装をしてくれたThomasもArendseeの出身で、週末に遊びに来る人たちを対象に、映画館を経営してる。

こういう湖。日本だったら湖岸全周がホテルとかお店で埋まってしまいそう。
結果的には土地を売ってるんだから同じかもしれないけど、湖の周りがプライベートの土地っていうのがなんだかいい気分。

さて、トーナメント。
2時までにOlliが今日の釣り方を説明してくれる。使う竿、えさ、引っ掛け方、水底のこと、かかったときの引っ張り方、かかったときに待つ長さ、等々。
試しにちょっと竿をたらしてみると、すぐにかかる。
OK。こんな感じ。

ということで2時。トーナメントスタート。
地元の人が楽しみでやってるだけあって、細かいことはうるさくないし、スタートに鐘がなるわけでもない。鳴ったのは教会の鐘。 ここでも天気は悪いなんて聞いてたけど、少しずつ天気はよくなっていく様子。
風は出たり止んだり。でも、震え上がるほどじゃない。
私が雨用のパンツをはいているのは、釣った魚が飛ばし散らすぬるぬるのため。ここでよく釣れる魚は2種類。そのうち大きいほうの魚はBleiというらしく、体中に大量の粘膜がついてるみたいで、釣り上げるたびに手も足元もぬるぬるになる。

竿はラインを投げ入れるときだけ手に持って、その後は足元に置いておく。今日の仕掛けだと、これが一番ひいているのがわかる方法らしい。
ただ、私のようなのろま~さんにはとっさに竿を持ち上げるという芸当が難しいので、ちょっとひき始めただけでも手を竿に近づけてスタンバイの状態でいないといけない。
じゃないと、ちゃ~んと魚に逃げられる。 Wolleは、参加者じゃないので竿を握らずに釣り上げた魚のフックを取る仕事に専念。
それでも、ぼんやりしていられないほどよくかかる。 釣り上げた後は後方に引っ掛けてある網へ入れておく。元気のいい子が時々バシャバシャと暴れる。 かかってますねぇ。
Wolleは、Olliが「Yaskoのトレーナーだな」って笑うくらい。私の後ろにいつもいて、ちょっとでも仕掛けが動くと、口が動く。
「Yasko見て!」・・・見てるよ~。
「もう少し待って!」・・・待ってるじゃ~ん。
そしてかからなくても口が動く。
「えさがちゃんと付いてるか見てみたら?」
「もう少し岸に近いほうがいいよ」などなど・・・。
人がすることが気になって仕方ないらしい。
そりゃそうだよね。私よりずっと釣り好きなんだから、自分が何もできなくてじりじりしてんだろう。 トーナメントの制限時間は4時半まで。
4時半を過ぎるとそれぞれフィッシャーマンズクラブハウスに釣れた魚を持っていく。
私たちも自転車で出かけた。
他の人たちをキョロキョロ見ると・・・mmm・・・これはもしかしたら本当に優勝狙えるのかもしれないぞ。
もしかしたら、カップル参加だけどみんな女性は一緒にいるだけで釣ってないのかなぁ。


私たちの釣った魚は全部で33匹。総重量20Kg弱。ほかをダントツで引き離しての優勝。 大きい方のトロフィーにはOlliと私の名前が2009年って記されてつけられ、このクラブに保存される。
でも、一人が3回優勝するとその人がもらえるんだって。ただし、代わりに新しいカップをクラブに買うこと、っていうのがルールらしい。地元の面白さ、というか・・・。 みんな、どうして釣れなかったのか、っていういいわけ大会がバーベキューとともに始まる。 背の高いほうのカップは私がもらっていいよ、って。
簡単なつくりのカップだけど、なんだかすごくうれしい。
もしかしてこういうトロフィー型のカップをもらったことないかも。2007年のプーケットのフィッシングトーナメントのカップは壁掛け型だったし。
しかも~。ガラス部分の中にはチョコレートが入ってる~。 チョコレートそれほど好きじゃなくても、なぜかうれしい~。 私よりもWolleのほうがうれしそう。 来年も優勝したら、このカップはOlliがもらえることになる。ここにいるみんながみんな釣り好きなので話の尽きることがない。 このワニもびっくりしそうな魚の剥製は・・・・剥製っていうのかな・・・乾かして何か塗ってあるみたいだけど・・・昔Arendseeで釣れた大物たち。今ではこれほどの大物は減ったらしい。 Olli。今回は誘ってくれてありがとう~。
来年もドイツにいたら誘ってね~。

2009/07/15

アンドレアスの情熱 ~Sailing Trip Denmarkの海~

アンドレアスはセーリングが大好きだ、っていうことにボートに乗ってやっと気がついた。

今までセーリングの話を一緒にしたことないし、去年フィッシングトーナメントに参加してたから釣りは好きなのかなぁ、って思ってたけど。しかもアンドレアスはヨーロッパの伝統的なブループリント・・・日本の藍染と同じものかな、デザインは違うけど・・・を創る人なので、二人で会話になるとたいていそのブループリントの話をしていることが多かった。

今回のトリップの前半。
雨が降って冷たい風が吹いてるのに、レネとアンドレアスはふたりずっと外にいた。
ボートに乗っている間、笑っている顔なんてほとんど見なかった。

パブで話をしてるときかなぁ。
私は初めてのこととか、気になったことなんかに出会うとクエスチョンモンスターに変身してしまうんだけど、このときも、何をきっかけにか変身してしまった。
いつからセーリング始めたの?
どこで習ったの?
どうしてセーリングなの?

そうしたら、急にアンドレアスが語りだした。

彼はWolleと同じ、旧東ドイツの出身。
旧東ドイツと聞いて何を想像するかは人それぞれだろうけど、私は少なくともWolleと一緒にいるようになってから初めて細かい話を聞くようになった。


当時、若い人たちにとって「国から出てはいけない」というルールはとても過酷だったようだ。外を見られない、見たい。見られない、見たい。見られない。
そんなときに壁が崩された。
それは、Wolleやアンドレアスの世代の人にとっては遅すぎることはなく、むしろ、話を聞くといいタイミングだったようにも聞こえる。

その壁が崩れる前。
アンドレアスは他の若者とたがわず、自分の国以外のどこかへ行くことを夢見ていたという。そして、その夢は漠然と「海」というものに向かった。
海を越えたら世界が広がるような、そんな気がしたのかもしれない。

壁の崩壊後、すぐに国外へ出ようとしたところ、政府に止められた。軍に入隊しなければいけないという指令に、どうしても従えず、それでも国外へ出ようとしたアンドレアスを政府か、警察かが捕まえた。
檻の中、だ。

アンドレアスが語ってくれたのは本当に大まかな話で、細かい経緯はわからない。
だけど、私が生きてきた世界とは明らかに違っていたことは確か。私は新しいところへ行くのが好きだし、常に何か新しいことを求めてうろうろしてるけど、アンドレアスが持つような情熱はない。
私の場合はむしろ、与えられすぎる世界から原始的な方向に向かって進んでいるような気がする。現実世界から離れようとしているというか・・・。

そんな経緯がアンドレアスの情熱に拍車をかけたことは確かだろう。
海へ。海へ。
そんなに夢見た海を渡ることができるセーリングはアンドレアスにとってものすごく大切なものなんだろうと思う。

ものすごく粗野な部分と繊細な部分を併せ持つアンドレアスの情熱は、壁のなくなって長いこと経つ今でも変わらない。
そんな気持ちをアンドレアスは「Passion」って呼んだ。

バルト海  ~Sailing Trip Denmarkの海~

前日とは打って変わっていい天気。
今日から北海を抜けてバルト海に入る・・・らしい。とは・・・海図しか見てないので、今自分たちがどの辺にいるのかっていうのが今ひとつわかりにくい。

でもって、バルト海は北海と比べると格段に波が小さいらしい。
ということは、今日は船内に逃げ込む必要はないってことかな?

出かける前にせっかく買いにいったショートパンツをはくチャンスかな?


この日の出発は少し遅く。
目的地がそれほど遠くないらしい。

海図で前もって深さを調べてすすむ。
この日からは大きな島と本土の間をすすむことになるので、水深がこのボートの入れるところしか進めない。
ボートに必要な深さは2.5M。間違ってそれよりも浅いところに入ってしまうと、潮が上がるまで動けなくなっちゃう。
ハネス、寝袋を修理。
アンドレアスの息子、ハネスは21歳。見た目よりも年よりもしっかりしてる。しかも料理が上手。
出港。
出港時と着岸時は人手が必要になる。全員がどこかしらのポジションに着き、仕事がみんなに行き渡る。
私とハネスがあげようとしてるのは前から2枚目の中型の帆。
全力で急ぐっていうのは結構大変。
しっかり腰を落とさないと、私の力では帆が揚がっていかない。
この写真を撮ってるとき、みんなはらはらしながら見てたんだろうなぁ。私が引っ張られてあがってっちゃわないかどうか・・・。
やっぱりWolleがすると、同じ初心者でも帆の揚がり方に力強さがある。
島と本土の間にかかる橋。
マストの高さが橋に対して高すぎると、橋の一部を上げてもらわなくちゃいけない。
手前にいるうちからホーンを慣らして、昔ながらの旗で「橋をあげてくれ」というサインを出す。

もちろん今では無線もあるし、電話もあるし、マストに橋をあげて欲しい旨の旗を揚げる必要はないらしい。でも、Hanne Marieは昔の船だから、っていうんで、キャプテンのレネは毎回橋の手前で旗を揚げる。
夜港に着く。
食事の用意をしてる間に、誰かが近くにパブを見つけてきた。

夕食後みんなでパブへ。


近くの席で飲んでた酔っ払いのおじさん。
私のカメラで写真撮ってって頼んだけど、英語が全くわからないせいか、酔っ払ってるせいか、カメラを持つのが初めてなのか・・・。
このおじいちゃんは英語らしきものを話してくれた。「ぼかぁ・・・ガッコーで・・・ちょこっとエーゴ習ったからぁね。」って。
ボートに帰る頃にはみんな酔ってる。
酔っ払いゲームをしてみたけど、すすまないくらい笑いが止まらない・・・。

翌朝。
天気は上々。風強。
4枚の帆を全部揚げる・・・。って、ちょっとそれ、この強い風に対して帆が揚がりすぎなんじゃないの???
って、思ってるうちにこの角度。
この日1日中ボートはこの角度を保ったまま進む。素人目には、どう見ても傾きすぎなんじゃないかと思うけど、ハネスに聞いてみたら、これ位の角度は結構頻繁になるらしい。
揺れがないからいられるものの、ちょっとバランスを間違えると・・・というか、体がバランスと角度を測り間違えると、ころりんってひっくり返りそう。

話をするときに、思わずマストに摑まっているのを笑われる。
だって~。こっち側向いてると、どうしてかわからないけどうまくバランスが取れないんだも~ん。
これ、どうして??反対側をむいていれば大丈夫なのに、体が床に近づく向きだと倒れそうになる。
こっち向きなら大丈夫。
こんなにあるロープ。
これはボートのほんの一部分。このロープに全部違う名前がついているのもびっくり。そして、どのロープも使っているときと使ってないときのポジションが決まってるらしい。
帆を揚げ終わった後、おろした後、ちょっとでも違うところにロープをかけると、レネかアンドレアスに注意される。よく見てるなぁ・・・もう。って、こういうのって、私がダイバーにオクトパスの位置を注意するのと同じかなぁ。

夕方港についてやっとボートの傾きがなくなる。逆に不自然な気分。
これ、丘に上がったら私たちも詩化して斜めに立っちゃうんじゃない?

アンドレアスが食料の残り物で食事を作る。残り物って言っても、しっかりハンバーグでした。

毎日、港に着くとみんなでビールを開ける。
一日の最初のビールを、一日の仕事の終わりに飲むって、気持ちいいね~。
このボートのルールで、どんなに遅くなっても港に着くまでビールは開けない。だからおいしいのかなぁ。


翌日の予定を話す。
最終日は幅の狭いチャネルに沿って進まないといけない。他の部分は浅すぎて座礁する可能性が出てくる。
もちろん、目で見て深さがわかるわけじゃないので、海にある浮標を目印に進む予定。
これは昔のビルジくみ出しようのポンプ。
今ではこの船にも自動のポンプがついてる。でも、昔のデザインを保つことを少し重視して残してあるらしい。
もちろん機能する。クルーがだらけてると、キャプテンがビルジをくみ出すように指示するらしい。 でも、これ着いてるってことは自動のが壊れても大丈夫ってことだよね。
私たちのベッドがある穴倉への入り口。
私でもごとごととぶつかりながら入っていくのに、Wolleやハーバードはさぞかし出入りしにくかろう。

日中小雨が降ったり止んだり。
ボートの運転が嫌いなので、ずっとこそこそ逃げてたら、アンドレアスにとうとう摑まった。
「運転嫌いだからやだ~。」なんて言ってたら、「ハネスも嫌いなのにやってるじゃん。代わってやんないと、ハネス網1時間運転しなくちゃいけなくなるんだぞ。」だって。・・・あ、そういえばさっき、って言っても数時間前にもなるけど、ハネスがアンドレアスに摑まってた。
そうかぁ。私が逃げてるとハネスがかわいそうなのねぇ。
よし、仕方ない。代わりましょう。

ということで、運転席へ。
私のサイズ用に作ってあるわけもなく、椅子は高いし、ハンドルと椅子の間は広いし・・・。
でも、ピピで時々運転してる時みたいに流れが強くあるわけじゃないので、思ったよりも楽でした。ぼんやり一方向に進むんじゃなくて、浮標を見て進むからメリハリもあるし。 最終日、港に早く着く。
大まかなことがやっと飲み込めてきたなぁ、と思ったら終わってしまったような・・・。

最後の食事はハネスの料理。
ソーセージとザワークラウトというドイツでは単純で典型の食事だけど、ハネスが作るとちゃんと手が込んでる。ほほぅ。こうするといいのね、なんていうティップがたくさんある。

キャプテンのレネ。
どうもお疲れ様でした。ろくに仕事しなくてごめんなさい。

この航海の後、数日後からHanne MarieはOsloへ向かう。

今頃はどこを進んでるんだろう。