2009/07/15

バルト海  ~Sailing Trip Denmarkの海~

前日とは打って変わっていい天気。
今日から北海を抜けてバルト海に入る・・・らしい。とは・・・海図しか見てないので、今自分たちがどの辺にいるのかっていうのが今ひとつわかりにくい。

でもって、バルト海は北海と比べると格段に波が小さいらしい。
ということは、今日は船内に逃げ込む必要はないってことかな?

出かける前にせっかく買いにいったショートパンツをはくチャンスかな?


この日の出発は少し遅く。
目的地がそれほど遠くないらしい。

海図で前もって深さを調べてすすむ。
この日からは大きな島と本土の間をすすむことになるので、水深がこのボートの入れるところしか進めない。
ボートに必要な深さは2.5M。間違ってそれよりも浅いところに入ってしまうと、潮が上がるまで動けなくなっちゃう。
ハネス、寝袋を修理。
アンドレアスの息子、ハネスは21歳。見た目よりも年よりもしっかりしてる。しかも料理が上手。
出港。
出港時と着岸時は人手が必要になる。全員がどこかしらのポジションに着き、仕事がみんなに行き渡る。
私とハネスがあげようとしてるのは前から2枚目の中型の帆。
全力で急ぐっていうのは結構大変。
しっかり腰を落とさないと、私の力では帆が揚がっていかない。
この写真を撮ってるとき、みんなはらはらしながら見てたんだろうなぁ。私が引っ張られてあがってっちゃわないかどうか・・・。
やっぱりWolleがすると、同じ初心者でも帆の揚がり方に力強さがある。
島と本土の間にかかる橋。
マストの高さが橋に対して高すぎると、橋の一部を上げてもらわなくちゃいけない。
手前にいるうちからホーンを慣らして、昔ながらの旗で「橋をあげてくれ」というサインを出す。

もちろん今では無線もあるし、電話もあるし、マストに橋をあげて欲しい旨の旗を揚げる必要はないらしい。でも、Hanne Marieは昔の船だから、っていうんで、キャプテンのレネは毎回橋の手前で旗を揚げる。
夜港に着く。
食事の用意をしてる間に、誰かが近くにパブを見つけてきた。

夕食後みんなでパブへ。


近くの席で飲んでた酔っ払いのおじさん。
私のカメラで写真撮ってって頼んだけど、英語が全くわからないせいか、酔っ払ってるせいか、カメラを持つのが初めてなのか・・・。
このおじいちゃんは英語らしきものを話してくれた。「ぼかぁ・・・ガッコーで・・・ちょこっとエーゴ習ったからぁね。」って。
ボートに帰る頃にはみんな酔ってる。
酔っ払いゲームをしてみたけど、すすまないくらい笑いが止まらない・・・。

翌朝。
天気は上々。風強。
4枚の帆を全部揚げる・・・。って、ちょっとそれ、この強い風に対して帆が揚がりすぎなんじゃないの???
って、思ってるうちにこの角度。
この日1日中ボートはこの角度を保ったまま進む。素人目には、どう見ても傾きすぎなんじゃないかと思うけど、ハネスに聞いてみたら、これ位の角度は結構頻繁になるらしい。
揺れがないからいられるものの、ちょっとバランスを間違えると・・・というか、体がバランスと角度を測り間違えると、ころりんってひっくり返りそう。

話をするときに、思わずマストに摑まっているのを笑われる。
だって~。こっち側向いてると、どうしてかわからないけどうまくバランスが取れないんだも~ん。
これ、どうして??反対側をむいていれば大丈夫なのに、体が床に近づく向きだと倒れそうになる。
こっち向きなら大丈夫。
こんなにあるロープ。
これはボートのほんの一部分。このロープに全部違う名前がついているのもびっくり。そして、どのロープも使っているときと使ってないときのポジションが決まってるらしい。
帆を揚げ終わった後、おろした後、ちょっとでも違うところにロープをかけると、レネかアンドレアスに注意される。よく見てるなぁ・・・もう。って、こういうのって、私がダイバーにオクトパスの位置を注意するのと同じかなぁ。

夕方港についてやっとボートの傾きがなくなる。逆に不自然な気分。
これ、丘に上がったら私たちも詩化して斜めに立っちゃうんじゃない?

アンドレアスが食料の残り物で食事を作る。残り物って言っても、しっかりハンバーグでした。

毎日、港に着くとみんなでビールを開ける。
一日の最初のビールを、一日の仕事の終わりに飲むって、気持ちいいね~。
このボートのルールで、どんなに遅くなっても港に着くまでビールは開けない。だからおいしいのかなぁ。


翌日の予定を話す。
最終日は幅の狭いチャネルに沿って進まないといけない。他の部分は浅すぎて座礁する可能性が出てくる。
もちろん、目で見て深さがわかるわけじゃないので、海にある浮標を目印に進む予定。
これは昔のビルジくみ出しようのポンプ。
今ではこの船にも自動のポンプがついてる。でも、昔のデザインを保つことを少し重視して残してあるらしい。
もちろん機能する。クルーがだらけてると、キャプテンがビルジをくみ出すように指示するらしい。 でも、これ着いてるってことは自動のが壊れても大丈夫ってことだよね。
私たちのベッドがある穴倉への入り口。
私でもごとごととぶつかりながら入っていくのに、Wolleやハーバードはさぞかし出入りしにくかろう。

日中小雨が降ったり止んだり。
ボートの運転が嫌いなので、ずっとこそこそ逃げてたら、アンドレアスにとうとう摑まった。
「運転嫌いだからやだ~。」なんて言ってたら、「ハネスも嫌いなのにやってるじゃん。代わってやんないと、ハネス網1時間運転しなくちゃいけなくなるんだぞ。」だって。・・・あ、そういえばさっき、って言っても数時間前にもなるけど、ハネスがアンドレアスに摑まってた。
そうかぁ。私が逃げてるとハネスがかわいそうなのねぇ。
よし、仕方ない。代わりましょう。

ということで、運転席へ。
私のサイズ用に作ってあるわけもなく、椅子は高いし、ハンドルと椅子の間は広いし・・・。
でも、ピピで時々運転してる時みたいに流れが強くあるわけじゃないので、思ったよりも楽でした。ぼんやり一方向に進むんじゃなくて、浮標を見て進むからメリハリもあるし。 最終日、港に早く着く。
大まかなことがやっと飲み込めてきたなぁ、と思ったら終わってしまったような・・・。

最後の食事はハネスの料理。
ソーセージとザワークラウトというドイツでは単純で典型の食事だけど、ハネスが作るとちゃんと手が込んでる。ほほぅ。こうするといいのね、なんていうティップがたくさんある。

キャプテンのレネ。
どうもお疲れ様でした。ろくに仕事しなくてごめんなさい。

この航海の後、数日後からHanne MarieはOsloへ向かう。

今頃はどこを進んでるんだろう。

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