2008/11/28

タイの少女 ハイジ

メインショップの店先にはテレビがある。なんとなくみんなでだらだら過ごすときなんかによくスイッチが入ってる。
タイ人スタッフのポンがよくトムとジェリーを見てる。で、トムとジェリーになると私とサムが参加する。

ちょっと前に気がついたんだけど、トムとジェリーの番組のあとに、昔日本で放映してた「アルプスの少女 ハイジ」が流れる。
私は特に小さいころにそれほどテレビを見なかったので、いつごろの番組かわからないけど、名前や絵くらいは知ってる。

もちろんタイではハイジはタイ語を話す。で、もって、吹き替えてあるので、せりふの部分だけ音楽が途切れる。やさしぃい音楽が流れているのに、彼女が話すときだけ、ぷつっと切れて、あのタイ語独特の鼻に抜ける声調音が大きく聞こえる。
昔は音楽もせりふも一緒に録音してたのかなぁ、と思うけど、もちろんそんなことはわからない。

どっちみちタイ語で彼女が何を話してるのかなんてさっぱりわかんないんだけど、なんとなく音楽やアニメーションに集中してると、突然途切れるBGMがすごく気になる。

でも、慣れてくるとそのパターンが気になるというよりも面白く感じてきた。どうせわかんないんだから、見ていても時間の無駄なんだけど、そのくすくす笑いたくなるようなばかばかしい感覚にちょっとはまってる。
滑らかな表面に突然ざらざらの穴が開いていて、それを手でなぞっているような奇妙な面白さなんだけど。はまるってそういうどうしようもないものが多いなぁ。

2008/11/25

Phuket International Sportfishing Tornament 2008

11月20日から22日まで3日間、Phuket International Sportfishing Tornamentに参加。

結果からいってしまうと、チーム成績は、カップなし。

まず、悪天候のせいでトーナメント全体の結果もよくなかったみたい。
でもラッキーだったチームは大物も釣り上げてきた。
1日目には私のスウィートダーリンのWalterがマーリンを2匹リリース。
1日目、2日目に空で帰ってきた、いつも元気なHariが3日目にはセイルフィッシュをリリース。Hariは3日間の間にたった1匹だったけど、その1匹で3つもカップを奪っていった。

天候は3日とも
とにかく風が強い。1日目2日目にはボート上で座っていてもどこかしらにつかまっていなければならないほど。まるで馬に乗っているときみたい。
しかももちろんボートは常にまっすぐ走っているわけじゃない。波の向きによっては横揺れもひどい。ボートの両脇からしぶきだけじゃなくて、多量の水が飛んできて、ほぼ1日中全身びしょぬれ。

でもとにかく楽しいトーナメントだった。
メンバーはWolle,私もWolleも仲良しのFlo,Wolleの地元の仲良しのAndreasとOlli,そして食事係のUlli,そして釣りのプロフェッショナルなJo、今年のレディスカップを狙うYukoさん。キャプテンのTon。そして私はビデオを回している。
チーム名は「The Big Easy」
メンバー全員がボート上で何をしなくちゃいけないのかわかっている人たちばっかり。私はゆっくりビデオをまわしていればいいとのこと。って、いってもゆっくりなのは回ってるビデオだけで、走り回りながらとってるビデオがゆっくり回ってるんだけど。

ボートの上では飲み放題。
みんな朝から、プシュプシュビールの間を開けてる。
私はビールを飲むと陽気にはなるけど、使い物にはならなくなるので、ボートに乗ってるときは5時まで飲まないって決めてる。昼間は水・・・。
いいボートボーイだわ、私って。

朝8時に爆竹の合図と同時に出港。夕方7時までに帰港していなければいけない。

もちろんその後はパーティ。トーナメントのためにバーが1軒貸切になってる。そこでも飲み放題。
アンドレアスいわく、登録の日も含めて4日間の1日中飲み放題は体によくない、とのこと。思わずみんな飲みすぎてしまう。当然だけど。

最後の表彰式の日には、カップを取って盛り上がっているチームと、カップを取れなくてがっかりしているチームと、そしてカップも取ってないのに最後まで「We are the Champion」を歌って盛り上がっていたThe Big Easyで各々飲みまくり、踊りまくった。

フィッシングトーナメント

 空と海の間にある水平線が直線ではないことを再認識している。はるか遠くに見えるプーケットの島影と水平線の間で、立っている二本の足で波の動きを感じる。ボートのスピードのせいで凪いだ日でもどこからか風を感じる。
 
 太陽が真上から照りつける船上に突然ホイッスルが響き渡る。魚が掛かった合図だ。緩んでいた時間が合図と同時に張りつめる。ボートの速度が落ちる。船上がいっせいに動き始める。

 魚の掛かった竿につくのは最初はひとり。ほかの全員は水面に繰り出してあるラインを戻す。アウトリガー、ダウンリガーを含め、竿は全部で11本。ほかに仕掛けも出してある。

 リールを巻く腕がもどかしい。「そっちじゃない、こっちが先だ。」「ガフを用意しろ。」大声がいくつも飛び交う。そんなころにはすでに掛かっている魚が推測できている。これは大きなシイラだ。「ファイティングベルトをつけろ!」男性にとってはファイティングシートよりもベルトのほうがコントロールしやすい。


 シイラはなかなかのファイターだ。大きいものになると大柄の男性でも引き寄せるのに時間が掛かる。   
 魚が体をくねらせ、水面から躍り出るたびに、鮮やかな黄緑色の体が太陽の光に反射してきらめく。シイラの一番美しい瞬間だ。

 
 暴れるようなら泳がせて。魚が力を抜いたときに巻いて。タイミングを合わせて全身で格闘する。一度に巻けるラインは長くて数メートル。
 まだか。まだか。
 まだだ。まだだ。まだだ。

 ゆっくりと、だが確実にラインは短くなっていく。船尾で波に足を洗われながらガフを構える。最後の瞬間が近づく。ファイティングベルトをしている後ろから、いつでもベルトを引っ張れるようにひとりが構えている。ひとりはガフを構える後ろから、ボートから転落しないように支える用意をしている。全員が息を呑んでいる。最後の瞬間に大物を逃すほど悔しいことはない。

 全員の目が船尾近くを縦に横に泳ぎ回るシイラに注がれている。船上を更なる緊張感が支配する。逃すな。ラインが手の届くところまで近づく。
 片手でラインを引き寄せながら、柔らかい腹を狙ってガフを食い込ませる。同時に勢いよく船上にすくい上げる。船上に歓声が上がる。

 釣れた。

 自分の意とそぐわない状況を振り払おうとするかのように魚は暴れる。ガフが食い込んだままの体をばたつかせるシイラの頭部を棍棒でたたく。タン。タン。気絶したシイラはやっとおとなしくなった。

 鰓に指を差し込み、のどに食い込んだフックをはずす。興奮と感嘆のため息の中、魚はアイスボックスの中に放り込まれる。

 シイラは興奮しているとき、体が黄色と緑色に変わる。釣り上げて20分もすれば元のグレーに戻ってしまうこの体色は自然しか造り得ないだろうと思われるほど美しい。

 このシイラは2007年プーケット、シャロンにおけるインターナショナル・フィッシング・トーナメントの初日、参加した全ボート中最大のシイラだった。



今年もElectric Blue はトーナメントに参加する。
どんなトーナメントになるんだろう。

2008/11/16

フリソデエビ しかもダブル

久しぶりにダイビングに出かけた。
コンピューターの調子も悪いし、風邪もひいていたし、何日もサボってたんだけど。

今日はビデオも一緒。

1本目ビダ・ノック。
今日の1本目は少し流れがあるはずだから、ちょっと慎重に。透明度良好。流れもほとんどさえぎられてた。
潜降直後の湾内で、コブシメ、続いてホークスビル・タートル、ブルースポッテド・スティングレイ、と撮りたいものが続々。
でも今日はChampについていくって言っちゃたから、Champがいちいち止まって待っててくれるので、ひとつところに何分もとまっていられない。
しかもChampのガイディングは、いつもグループを見失ったら2度と見つけられないようなコース取りだ。
でも、しっかり必要な分は撮った。

2本目、マヤコーナー。
私自身はこの場所、ちょっと深めを行くのが好きなんだけど、2本目ももちろんChampに付いていく。
だって今日のメインはここ。
カメラを持って初めてフリソデエビを撮りに行くんだーーーー。
どこにいるのか知らないから、今日はChampにくっついてきた。

私と違って結構みんな1度何か見た場所覚えているみたい。私は行き当たりばったりが多い。それに、群れや光物が好きなもんだから、ついついリーフの外側に目が行っていて、、、。
何を言ってもすべて言い訳なんだけど・・・。

Champのダイバーたちが見終わったあと、さてさて、私の番。マスクの中で思わずにやけてしまいそうになる。
ここではさすがにChampも私を待つ気をなかったようで、さっさと泳いでいってしまった。
私だって待っていられたら、ゆっくり映像が撮れないからシメシメ。

いたー。いたーー!!
2匹のエビたちが小さな穴の入り口で、体と同じくらい大きいソデをフリフリしているぞ。
はじめましてーー。
彼らたちだけじゃなくて、私、実はフリソデエビ見るの初めて。
今まで本の中でしか見たことなかったエビが目の前で私に手を振っている。いや、これは威嚇なんだろうけど。
でもハローって言ってるんじゃない?もしかしたら。
本当はカメラに向かってピースしたいんじゃない?両手で。エビだし。
だって、彼らにとってもカメラは初めてのはず。

今現在、このエビたちはモスキート以外のダイバーに発見されていないらしく、どこのダイブショップでもまだ、誰も映像を撮っていない。
って、ことって、私が一番のりーーー??
いや、それがわかってたから今日ビデオカメラ持ってきたんだけど。店のみんなもわくわくしてるはず。

穴の位置と、私のポジションと、レンズの向きがどうもうまく一致しなくて、時間がかかった。
でも、はずさないように、フィルターあり、なしの両方の映像を、しっかり撮ってきました。

まあ、いくら珍しくても、同じものを10分もビデオで見ていたら飽きるので、そこそこに。
あんまり映像に執着してしまって、写真を撮ってくるのは忘れた。
次回、次回。

2008/11/15

ロイカトン


タイのお祭りのひとつにロイカトンというのがある。
毎年11月のフルムーンのあたりの日。
何をするかというと、カトンと呼ばれる花で作ったケーキのようなものを、一人一人が海に流す。カトンの中には自分のつめの切れ端と、髪の毛、そしてコインを入れる。


カトンは女の子たちは自分で作ることが多いみたい。私のような無精者や、観光客の人達用は通りで買うことも出来る。
ロイカトン当日。私はプーケットからピピ島に戻る間際になって、今日がロイカトンだって気が付いた。女の子たちがカトンを作っているのを見たから。
その女の子にどこい言ったらカトンを帰るのか聞くと、どこでも売ってるけど、ここのピアでは無理かも。でもその子達は「買ってきてあげるよ」って、行って来てくれた。


夜、ダニーのところに行くと、彼女たちは自分で作ったカトンを用意していた。
みんな凝って作っているので、ちょっとしたくらべっこになる。

ビールを飲みながら、数人友達が集まるのを待ってピアへ。
ピアはすでにカトンを流す人たちで賑わっている。

カトンは流れていってくれないといけない。流す時に願い事をして、ろうそくとお香に火をつけ、出来るだけ遠くまで流す。
私たちはピアの先端まで行って流すことにした。風向きも考えて、一番流れやすそうな場所を選ぶ。

流し終わった後は、今度はバルーン。タイ語でなんていうのか知らない。私がすっぽり入りそうなくらいの紙で出来た風船。中にろうそくをともして、気球の要領で空へ飛ばす。
これはロイカトンの日だけではなく、何か特別な思いのある時に行う。津波の起こった日に飛ばす人もいるし、何かしらの理由で各々の特別な日に飛ばす。

一緒にピアに行ったダニーは津波で大変な思いをした人たちの一人。私よりもずっと大変な思いをしたはず。カトンを流しながら彼女は何を願ったんだろう。
ダニーには本当に幸せになって欲しいなぁ、と思う。


で、ピアからはもちろんバーへ直行。
最初に、ほぼ溜まり場と化しているLe Grand Bleuへ。
そして次に、新しいビーチバーIbiza Barへ。
久しぶりにビーチに出かけたら、すごい人数の人が集まっていて、ちょっとタイムラグを感じてしまった。でもこのバーのスピーカー私たちのバンガローの方を向いていて、夜ちょっとうるさいんだよねー。
スピーカーの正面に行くと体中で音を感じるほどの音量。そりゃあウチまで届くよ。

全員フラフラになるまで踊って、帰りました。

またプーケットへ

私のコンピューターがどうなだめても、機嫌が悪い。リカバリまでしてみた。
でもダメ。
これじゃ仕事にならない。
仕方がない。プーケットに行こう。
プーケットでコンピューターを使って大きくビジネスをしている友達が頼り。もしかしたら必要なプログラムも持ってるかもー。

ここ数日ピピ島はあまり天気がよくない。
トヨさんが昨日レムトンでイルカ見たって言ってたし。あと数日はきっとこんな天気なんだ。
エレクトリックブルーも、ちょうどペトローるが切れたところにエンジンに小さな故障が出た。



と、タイミングがそろってプーケットへ。

ピピを出る時にはスコール。トンサイ湾内の数十メートル先のボートさえよく見えない。でもWolleとキャプテンのTonと私とビール15本。出航。
エレクトリックブルーでプーケットまではおよそ3時間。20日から始まるトーナメントに向けてルアーやラインのチェックをする時間にはもってこいだ。

まず私の仕事は釣り針を磨くこと。針が鋭くないと、せっかくかかった魚にしっかり引っかからない時がある。片手で握れてしまうほどの砥石で、特に針の先を丹念に磨く。


Wolleは古くなりかけているラインの交換。せっかく魚がかかっても、ラインが切れてしまっては元も子もない。この前Peterとフィッシングに出かけた時、ボートキャプテンのロッドの古いラインが切れてセイルフィッシュを逃した。
トーナメント中にそんなのは絶対イヤイヤ
プーケットには3日ほどいる予定。
その間にエンジンと私のコンピューター治るといいなぁ。