津波の起こった日から丸4年が経った。
26日には毎年セレモニーが行われる。
今年も朝10時半にいつもセレモニーがある辺りに出かけた。その周辺も今ではローカルの屋台が並んでいて、セレモニー用のテントと、献花をする大木が同じ場所ではなくなっている。
今年。
去年以上に参加者が少なかった。場所が目立たなくなってこともあり、悲しむ人が減ったこともあり。
うれしいやら、悲しいやら。
でも、ここ数年見ていると、本当にまだ苦しんでいる人は参加してないんじゃないかとも思う。私はこのセレモニーでまだ、ダニーに会ったことがない。
去年は花を持って、セレモニーと反対の方向、たぶんメモリアルパークに向かうダニーの姿を見た。今年はその日1日中会わなかった。
でも、ダニーもきっと少しずつ悲しむ日が減ってるんじゃないかと思う。ミカエラのことを話すことが前よりも減ったから。
去年、12月26日。
ダニーがいつもしていた2つの同じペンダントがひとつなくなっていることに気がついた。
どうしたの?ってきいたら、
ミカエラの遺体からはずして以来、ずっと一緒に首からさげていたのに、26日の朝、突然ミカエラのペンダントが切れた。って。
きっと、ミカエラが「もう悲しまなくてもいいよ」って、言ってるんじゃないかと思う、ってダニーは言った。
ミカエラが話せたら、本当にそう言っていると思う。
私だってダニーに言いたい。
そんなに苦しまないで、って。
ほんの偶然で、自分だけ無傷で生き残ってしまったことを、ダニーはどれほど呪い、苦しみ、怒り、悲しんだだろう。普段のダニーの笑顔からは想像できない。
私にその話をしてくれるときの彼女は、いつも自分のことじゃないような話し方をする。
きっと自分の言葉では表現の仕様のない気持ちを、そんな風に話してるんじゃないかな。
3年。4年。
もう十分じゃないかと思う。
今年25日の夜、ふらりんふらりんに酔っ払って、ダニーが私のところに来たから、もしかしたら26日は二日酔いでセレモニーに参加してなかったのかも。
そうだといいけど。
もう4年も経った。
私の中で残っている何かは、少しずつ大人しくなってるんだろうか?
いつか、みんなの心に残った傷が風化して、触れても痛まないようになる日がくるといい。
それまでに、あと何年必要なんだろう。
私にとってもみんなにとっても。
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