2014/07/15

山の塩・海の塩

ドイツで私の住む町から列車で30分弱くらい南に下ると、車窓から、白く大きな山のようなものが見える。まるで工事現場の砂や砂利の小山が巨大化したかの様。

初めて見たとき炭鉱かと思った。・・・とは言っても、私は炭鉱なんてよく見たことないんだけど・・・。






何度目かに見たとき、たまたま一緒に乗っていたWolleに言ってみた。
「こんなところに炭鉱があるんだね」と。

別になんでもない会話のつもりだったのが意外や意外。
この白っぽい山から塩を取っているのだという。

え??塩??
日本で一般に食用にされる塩は、海から採れるもの、とほぼ相場が決まっている。
どこどこの塩がいいとか、あそこの塩が有名とかいう地名がつく塩はこぞって海辺の名前がついている。

でも時々岩塩と呼ばれる、きれいな塩の結晶を見かけることもある。これが海からではなく、陸で採れる塩だろう。
詳しくはこちらへ → 岩塩


さて、ドイツでは塩といえば陸から採れるもの。
日本のように島国なら、山を掘るよりも海から塩を取ったほうが早いのだろうが、ドイツで海といえば、国の北のほうにあるバルト海と、そこからデンマークをはさんだ北海のみ。
陸で塩が採れるならもちろんそれだって使うはず。
日本でも時々見かける、パッケージにも山の絵がついているものだ。


話は変わるが、ドイツのスーパーマーケットで見かける塩のパッケージも、日本と同じく何種類もある。
ドイツ語で塩のことをSalzというけれど、ただSalzと書いてあるのもからMeersalz、Jodesalzなどなど・・・。
Meerは海。だから、これは海から採れた塩のこと。
じゃぁ、それ以外によく見かけて、しかもちょっとだけただのSalzよりも値段の高い、Jodesalzって書いてあるのは何?

日本の塩だって 値段の高い塩のほうが栄養分が多いとか、ミネラルが多いとかそれなりの理由があるはず。
もちろんJodesalzだって理由はある。

Jode・・・つまりヨード。ミネラルの一種だ。
詳しくはこちらへ→ ヨウ素

これは同じ町に住む唯一の日本人女性に聞いたこと。
海から採れる塩には、海水にもともと含まれているヨードが入っている。しかも、日本人は海草を食べるから、人間の体に必要な栄養素のひとつであるヨードを、普段から十分に摂取しているらしい。
・・・一方ドイツ人は海草、あるいは海から採れる物を食事で摂取することが少ないので、少し気をつけて摂取する必要がある、と。

・・・ということで、ミネラルの摂取に積極的な人は、わざわざヨードを加えてあるJodesalzを使う・・・らしい。

そんなことを聞く前に、違いが気になってわざわざJodesalzを買ってみたことがある。
ただのSalzが真っ白なのに対して、Jodesalzは薄く黄色味がかっている。この黄色がヨードなんだろうか。

塩なんて、摂取の方法よりも、むしろどう減量させるか、というところに重きを置いていることが多い。それでも、使う塩の種類によって摂取できる栄養素が違うということになれば、多少は使う塩の種類も気になる。
同じ塩なら、ただ塩辛いものよりもミネラルを含んでいるものを摂取しようかという気にもなる。

でも、ただでさえ栄養過多気味に見える私たちのおなか・・・。
これ以上、いや、必要以上に栄養素の摂取に心がける必要はないのかな??




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