中学生、高校生になるいとこたちの夏休みの宿題を手伝うことになった。
時々、祖母の家にいるときに宿題のお手伝いをすることがあるのだけど、どうも今回は私が夏に日本にいることを知って、初めから白羽の矢が立っていたらしい。
特に、読書感想文。
ずいぶん前になるけれど、国語の宿題の短い感想文を見てもらったことを覚えていて、中学生になるユーセイが
「やすこちゃん、感想文書かせるのうまかった。」
なんて言ったもんだから。
まぁ、書き出しから愚痴っぽく書いたけれど、読書感想文を書かせることって、実はそれほど大変でもない。彼らも一度その本を読んでいて、それなりに何か思いながら読んでいるのだから、それを思い出させてあげればいいだけ。
「誰が出てきた??」
「その人どんな人?」
「その人何した?」
「どうしてそんなことしたの??」
「その人のこと、好き?」
なんて、適当にビールを飲みながら聞いているだけ。
で、自分で答えたことを、すべて紙に書かせる。もちろん箇条書き。
で、最後には、箇条書きしたものを、接続しなんか加えて、下書きさせる。
その後、感想文の長さにあわせて、言葉を加えたり、削ったりする。
それだけで、もう、立派な感想文になる。しかも、思ったり口にしたりしたことを全部メモしているから、出来上がった感想文の言葉はすべて自分の言葉だ。私が何か修正するところなんて何もない。
今回、中学1年生のユーセイが選ばされたのは「山椒魚」。ユーセイはにぴったりの本。叔父がこの本を選んだと聞いて、思わず噴出したくなるほど。
うちにいるときは常にごろごろ、だらだらしてるユーセイが、ユーセイ曰く「2年間もぼっとしてた怠け者の山椒魚」の感想文だなんて、、、。しかも、「人間に例えたら、、、」なんて書いてるんだから、自分でもどうして感想文を「山椒魚」で書かされてるのか、何か気がついたかなぁ。
食べることが大好きなユーセイの大まかな感想は、
「若いうちに怠けていると、いい会社に入れなくて、お金も稼げなくて、おいしいものが食べられない。」
「若いうちに怠けなかったうちのおばあちゃんは、今でも怠けないから、若いうちに怠けなければ、年をとっても怠けないのだろう。若いうちにがんばらばくちゃいけない、、、。」
とかなんとか。
ユーセイ本人を知っている人間が読むと、なんとも面白い感想文になった。
さてさて、高校1年生のシューヘイ。
学校から感想文を書く本を選ぶリストをもらってきている。
リストには、どうしてこの本を読ませたいの??って首を傾げてしまう本も入っているんだけど、とにかくシューヘイは阿部公房の「砂の女」を選んだ。
無難なところいくなー、さすが長男。
って思っていたら、近くの本屋さんにリストの中の本がそれしかなかったんだって。
そうだよね。
駅前の本屋さんにV,Eフランクルの「それでも人生にイエスと言う」なんて、きっと置いてない。
いつもねむねむのシューヘイも、自分ひとりで書くよりも、やすこちゃんがいる時に書いたほうが早いと思ったんだろう。部活の合宿から帰ってきた直後だっていうのに、がんばって本をひろげた。
「砂の女」なんて、私だって感想文書くの難しい。
「一緒に考えようか。」
なんて、調子のいいこと言って、内心ひやひやだった。
だって、自分でもよくまとまらないのに、どうやって原稿用紙5枚分も書かせるっていうの?
だけど、それは私の杞憂だったみたいで、シューヘイは私の「その男何したー?」なんていう単純な質問に答えながら、時々、面白くて、しかもなるほどって思うことを書き足していった。
「砂が人の心を侵食している。」
なんて言葉がシューヘイの口から飛び出したときには、びっくり。
私はシューヘイのこと、まだ赤ちゃんだと思っているのかもしれない。
「やっこたんとあそびたいー。」って、べそをかきながら当時私の部屋だった2階までくっついてきていたシューヘイが「人の心」とか、「侵食」なんていう言葉を使うようになってる。
うれしいけど、なんだかちょっぴりだけ、寂しい気もする。
急に、
「あぁ、もうこの子達を抱っこすることってできないんだなぁ。」
なんて思ったりして。
まぁ、サイズ的にも無理なんだけどね。二人とも最近は私のこと見下ろして話してるくらいだから。
と、二人とも何とか感想文は無事終了。
ほかにも宿題が山のようにあるみたいだけど。
私が中学生、高校生だったときにもこんなに宿題あったかなぁ。
きっとそのときは大変だったんだろうけど、今となってはよく覚えてもない。
とにかく、ふたりとも、残りの宿題がんばってくれ。
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