2016/05/11

勝手にフィンランド人面相

数日前ドイツに帰るためにヘルシンキで乗り換え。
ここはすでに何度か利用している空港。そして、乗り換えをするたびに思うことがある。

思うことの前に少々前置きを。
私には仲の良いフィンランド人が二人いる。二人とも男性。
一人は昔見たベトナムの水上人形劇の人形に見たことがあるような下膨れの赤いほっぺの赤ちゃんのような顔のJ。もう一人はヨーロッパ人の男の子が男性になりきる前のような優しい顔立ちで、これもまたかわいらしいN。

ヘルシンキの空港で見るフィンランド人男性の8割以上はこのふたりの顔のどちらかをしている。
どこを向いてもJかNがいるように見える。

フィンランド人ってみんな同じ顔をしてるよな~。
これが毎回ヘルシンキに降り立つたびに思うことだ。

ちなみにフィンランド語のアクセントは独特。英語を話していてもフィンランド語を話しているように聞こえる・・・・あ、私の英語も日本語に聞こえるかもしれないけど・・・。妙に抑揚のある間延びしたアクセントだ。これはフィンランド語にやたらと連続した母音が多いためかと思われる。私なんかには絶対に発音できない、子音の連続するウェールズ語なんかとは真逆だ。
もちろんJやNも同じようなアクセントで話すものだから、なおさら誰を見ても彼らを想像してしまう。

当たり前のことだけど、なんとなくみんな似ているだけであってみんな違う顔はしている。だけど・・・・どう見ても2種類の顔だけにしか見えない・・・のは私だけ?

ちなみにNの顔は私の好みにぴったり。
優しそうで、かわいらしくて、ものすごく純粋そうに見える・・・・実際にそうでないことはNを近くで見ているからわかってるんだけど・・・。そして、その顔のせいでどうしても年下に見える。何とも言えずかわいいのだ。
実際数年前にヘルシンキで罰金を食らったときにも、Nの顔で突き付けられたフィンランド語のわけのわからない書類を見ても腹が立たなかった。

じゃぁどうしてフィンランド人を彼に選ばなかったのかと問われると…。外見とは裏腹に・・・いや、裏腹と言っては語弊があるのかな…フィンランド人で「この人普通の人だね」と思えるような人に会ったことがないから。何がと聞かれても困るけど、とにかくおもしろい。
Jはところかまわずオペラを高らかに歌いながらストリップを始めるような人だし。
Nは常に若い男の子をそばに侍らせているゲイだし。
あ、フィンランド人と婚約中のEちゃん、ごめん。

そんな人ばっかりじゃないことはわかってるけど、フィンランド人と聞くとどうしても「この人おもしろいんじゃないか」と期待してしまう。そして実際におもしろいことが多い。

じゃぁ、女性は、と言えば…。あまり知らない。
私が一緒に働いたことがあるフィンランド人女性は二人。二人とも男装が似合いそうなくらい端正な顔立ちをしている。そしてその顔の原型は美人かと思われる。

ああ、そういえば、一人は結構普通の人だった気がする・・・ちょっとの間しか一緒に働かなかったから実際はどうなのかよくわからないけど。
もう一人は。この人は確かに面白かった。
そのころ一緒に働いていた体つきはものすごくがっちりしていて、無茶を平気でするタイプのマリオがこんなことを言っていた。「彼女さー、俺のこと好きなのはわかるし、いいんだけど・・・。目を合わせちゃったらそのまま押し倒されて犯されそうな気がしてちょっと怖いんだよな」
これを聞いたとき、まさにその通りになるだろうと大笑いした覚えがある。

そんなこんなのフィンランド人観。当たっているのか違っているのかはわからないけれど、国籍で人を分けることが嫌いな私がとても好感を持っている人たちである。

楽々フライト

さてさて、6か月ぶりにドイツに帰ってきました。

この「帰ってきました」。すでに友達に冷やかされた。「初めてドイツのことを『home』って呼んだね~」。そう。いつの間にか「ドイツに帰る」という感覚になってきた。
去年 、今までになく長くドイツにいたせいか、ドイツの生活にかなり慣れた気がする。
実際におととい「帰ってきた」時にも「うちに着いた~」という気分になった。結婚生活に慣れたせいもあるのか、あるいは去年ドイツのIDカードを手に入れたせいか。

今回のフライト。Finnairでヘルシンキ経由ベルリン行き。以前にも使ったことのある経路。ヘルシンキの空港をざっとわかっているだけに気も楽だ。

日本を出発する際のチェックインカウンターで搭乗券を受け取る。
すでにウェブサイトでチェックインしていたけれど、プリンターのご機嫌が悪く搭乗券をプリントアウトできなかったから。だから、ウェブサイトですでに通路側の座席は確保してある。これだけでも少しは気が楽。ああ、楽々続き。

と、毎度のことながら、ドイツに帰るときには「日本に戻ってくる」チケットを持っていない。そうすると、ドイツを出国する保証がないことになる。これは特にヨーロッパで厳しいのかもしれないけれど、ドイツに違法滞在しない保証を見せろ、ということになる。毎回ここでひと悶着ある。私はドイツ人のパートナーのところに行くのだ、と言っても、当たり前だが信じてはくれない。その証拠を見せろ、ということだ。
ところが今回、すでに私のパスポートの名前が鵜飼からWollweberに変更してあるせいか、一言「IDカードはお持ちですか」。はいはい、ありますよ~。ここでやっと、そういえばいつも引っ掛かるんだったことに気づく。
でも、今回はIDカードというドイツ在住の証明を持っているのだー。
そういえば、6か月前にヘルシンキからEUを出るときにも、これ一つ見せただけで何の質問もなく短時間でイミグレーションを通り抜けた。

空港までわざわざ両親が送りに来てくれていたこともあって、イミグレーションの混み具合を何気なく聞いてみた。「今日の混み具合ってどれくらいですか」
ところがカウンターのお姉さんはこれを飛行機内の混み具合を勘違いしたらしい・・・というか、私の質問はここでするものじゃなかった。

 「そうですね、ほぼ満席なんですが…。お客様のお座りになる座席の隣はすでに埋まっています。でも、2席空いているところが1か所ありますね。もしかしたらあとから埋まるかもしれませんが、こちらの通路側のお席に変更しましょうか」

なに?
もうすでに搭乗券は私の手に握られているというのに、さらに変更可能なんですか。あ、そりゃそうか、できるよね。でも、何に驚くかといえば、なんというサービス。

その時は「いや~、ありがとうございます~。お願いします~」なんて、当たり前のように受け取ったけれど、よく考えたらこれはとてもうれしいオファー。
もしかしたらこの10時間フライトで2席使えるかもしれない。隣に小山のような人が座るかもしれない可能性を考えると2席確保はベッドに近い。・・・実際私は2席で横になれる。

そして、実際、私の隣は空いていて、ほかのみなさんぎゅうぎゅうで座っている中、横にならせていただきました。


横になりながらつらつら考える。
どうしてこんなオファーを「私に」くれたんだろう、と。
ああ!IDカードだ。

IDカードをもって住んでいる国と母国を往復するということは、これからも同じフライト経路を使うかもしれない可能性大。一生に1度しかこのフライト経路を使う可能性のないかもしれない旅行者にサービスをするよりも、私のような者にサービスをしておいた方が これから先の売り上げにつながるというもの。
な~るほど。

IDカードさまさま、だ。

そんなこんなで、今回のフライト、気も体もずいぶん楽だった。
これからもこんなサービスが毎回あるとは期待できないけれど、IDカードの偉大さを思い知る。大事にしなければ。

Finnairさん、次回も使いますよ~。