フィリピン2か所目のダイビングはCoron。
この辺りでジュゴン見たいんだけどなぁ、なんて思いながら見かけるショップでちょっと話を聞く。ところがどこに行ってもジュゴンなんて言葉は一言も出てこない。
なんとCoronの見どころは第二次大戦の日本軍の沈船。・・・なんと、まぁ。
戦艦だけではなく、貨物船なども多い。
私が潜った日は1日3本のダイブ。1本目は沈船ではなく、これまた一つの見どころのBaracuda Lake(バラクーダレイク)。
Coronの町があるのはBusuanga Island(ブスアンガ島)の南東。この町の向かいにCoron Island(コロン島)という島がある。この島の西側にある湖で、水面から深度14mまでは淡水、そこから深度32mの水底までは海水、というちょっと毛色の変わった湖。
この湖には昔淡水なのにバラクーダ(オニカマス)が群れで住んでいたそうである。名前はそこから由来している。・・・が、すでに10年ほど前にはバラクーダは全くいなくなり、今では生き物自体がほとんどいない。
このダイブサイトのもう一つ面白いところ。水温。
淡水中は30℃弱という、島の周りの海と同じくらいの水温。それが14mを超えると、40℃まで水温が上がる。これは、水底から湧き出している海水のため。確かにCoronの観光地の一つに海水の温泉がある。塩分濃度も水温も高く、長いこと入ってはいられないけれど。
そんな水温なのでウェットスーツはなし。ボートがコロン島の浅瀬に着くと、ダイバーは各自自分の器材を背負って浅瀬から階段を20段くらい上がって、また降りる。すると湖のプラットフォームに降りられるようになっている。
ここはもちろんダイバー専用ではないのでノンダイバーでも泳ぎに行ける。
湖は岸壁に囲まれており、水底から何も生えていない絶壁がそそり立つ。
徐々に深度を下げていくと、突然もわぁっと気持ちの悪い水域に入る。これが水温40度。
お風呂や温泉で40度のお湯につかることはあっても、実際に頭のてっぺんまで40度の中に入ることはめったにない。あったとしてもすぐに頭を水面に突き出せる。が、ダイビング中深度14mで全身40℃に浸かるというのは、正直言って全くもって気持ちのいいものではなかった。
が、気持ち悪い、気持ち悪いとは思いながらも、しばらくその水温中にいれば徐々に慣れるもの。深度を下げていく。水底の一番深いところは32m。水底の堆積物は細かい泥なので徐々に透明度が落ちていく。そして、30mまで行くと、残りの2mは透明度0になる。自分の腕さえ見えない。そして、なんとその水の色は赤茶色。
ちなみにこれは私に常にくっついていたダイバー。
深度30m超で水温40度、透明度0というのは、正直言って もうちょっと細かい説明をしておいてほしかったなぁ、とも思う。一人のダイバーは、視界0の中に入っていく前に「ここで待ってる」というサインを出してストップしたほど。
とにかく変わったダイビング。良し悪しは別として。話のネタにはなる。
少なくとも私にとっては面白いダイブだった。
さて、2本目3本目。
たくさんある沈船の中から二つ。確か一つはオリンピア丸という沈船だったような気もするけど、ブリーフィングがあまりにも適当だったため、名前はよくわからない。覚えているのはどちらも沈船内で深度30mを超えていたということ。
私としては久しぶりの沈船にワクワク。ここのところもう何年も沈船に入っていないけれど、もともと沈船の内部に入るペネトレーションダイブが大好きだった。ただ、これはお客さんをむやみに連れていくことはできないので、インストラクター仲間で遊びに行くときに限られていた。
と、ここまで書けばわかると思うけれど、沈船内を泳ぐことは非常にリスクが高い。いくら上級ダイバーでも、レックスペシャリティダイバーでなければ沈船内に入ることはダイビング団体から禁じられている。
理由は簡単。何かあったときに水面に直浮上できないから。しかも、細かい泥がたまった沈船内をフィンを使ってパタパタと泳いだらたちまち視界が0になる。 視界0の中を迷路のような通路をたどって船外に出るなんてよっぽどでなければ無理な話だ。焦って空気を余計に吸う。パニックになる。余計に激しく動く。さらに空気を吸う。エア切れになるまで終わらない悪循環だ。そしてもちろんエア切れになったらさようなら、だ。
この日の沈船ダイブ。私たちのグループは4人。私ともう一人はインストラクター、一人ダイブマスター。そしてもう一人はアドバンスダイバー。
いくら4人のうち二人もインストラクターがいるとはいえ、私だったらこのガイドはしない。
沈船ダイブ自体は楽しかった。前を泳ぐインストラクターダイバーの泳ぎがあまりにも下手でひどく視界は悪かったけれど、もともと好きなタイプのダイビングだ。
ただ。
いくら沈船が呼び物の海域であっても、危険すぎる。アドバンスダイバー(最大深度30mしか行かないことになっている)の30m超えペネトレーションダイブ。聞いただけでもぞわぞわする。
しかもDECO(その深度にいられる最長時間を超えた状態)まで出してる。
夜、町のバーで飲んでいる時に知り合ったフリーランスのインストラクターに聞いてみた。「どこのショップも同じようなダイブするの?」
答えはもちろんNO。ただ、どのショップも、PADIというダイビング団体が作っているルールを、他の地域ほど厳密には守っていないようだ。
ガイドしているダイバーがどこまでリスクを理解しているのか、ちょっと首をかしげたくなるダイブオペレーションだった。ボート上しかり、水中しかり、さらに初心者ダイバーに対する態度しかり。
どこのショップも同じとは言わないようなので、Coronでダイビングをする予定の方、気を付けてくださいねー。
ただ、第二次大戦中の沈船というのがどこにでもごろごろしているわけではないので、ルールを守って、資格を持って潜りに行くのはとても楽しいところだと思う。
この日に潜った2艘以外にも、特徴のある沈船がいくつかあるみたい。Coronで長く潜っているダイバーの話も興味深かった。お客さんを連れて行かない船室などに入ると、骸骨なんかが残っていることもあるそうだ。
Coronには沈船だけでなくリーフダイブができるサイトもあるようだけれど、基本的には毎日沈船ダイブ。
男性に圧倒的な人気のある沈船ダイブだけど、ここの沈船は比較的流れのないところもあるみたいで、そんな沈船だったら女性でも楽しめるんじゃないかなぁ、と思う。
女性ダイバー、試しに行ってみてください。・・・あ、ライセンス取ってからね。
この辺りでジュゴン見たいんだけどなぁ、なんて思いながら見かけるショップでちょっと話を聞く。ところがどこに行ってもジュゴンなんて言葉は一言も出てこない。
なんとCoronの見どころは第二次大戦の日本軍の沈船。・・・なんと、まぁ。
戦艦だけではなく、貨物船なども多い。
私が潜った日は1日3本のダイブ。1本目は沈船ではなく、これまた一つの見どころのBaracuda Lake(バラクーダレイク)。
Coronの町があるのはBusuanga Island(ブスアンガ島)の南東。この町の向かいにCoron Island(コロン島)という島がある。この島の西側にある湖で、水面から深度14mまでは淡水、そこから深度32mの水底までは海水、というちょっと毛色の変わった湖。
この湖には昔淡水なのにバラクーダ(オニカマス)が群れで住んでいたそうである。名前はそこから由来している。・・・が、すでに10年ほど前にはバラクーダは全くいなくなり、今では生き物自体がほとんどいない。
このダイブサイトのもう一つ面白いところ。水温。
淡水中は30℃弱という、島の周りの海と同じくらいの水温。それが14mを超えると、40℃まで水温が上がる。これは、水底から湧き出している海水のため。確かにCoronの観光地の一つに海水の温泉がある。塩分濃度も水温も高く、長いこと入ってはいられないけれど。
そんな水温なのでウェットスーツはなし。ボートがコロン島の浅瀬に着くと、ダイバーは各自自分の器材を背負って浅瀬から階段を20段くらい上がって、また降りる。すると湖のプラットフォームに降りられるようになっている。
ここはもちろんダイバー専用ではないのでノンダイバーでも泳ぎに行ける。
湖は岸壁に囲まれており、水底から何も生えていない絶壁がそそり立つ。
徐々に深度を下げていくと、突然もわぁっと気持ちの悪い水域に入る。これが水温40度。
お風呂や温泉で40度のお湯につかることはあっても、実際に頭のてっぺんまで40度の中に入ることはめったにない。あったとしてもすぐに頭を水面に突き出せる。が、ダイビング中深度14mで全身40℃に浸かるというのは、正直言って全くもって気持ちのいいものではなかった。
が、気持ち悪い、気持ち悪いとは思いながらも、しばらくその水温中にいれば徐々に慣れるもの。深度を下げていく。水底の一番深いところは32m。水底の堆積物は細かい泥なので徐々に透明度が落ちていく。そして、30mまで行くと、残りの2mは透明度0になる。自分の腕さえ見えない。そして、なんとその水の色は赤茶色。
ちなみにこれは私に常にくっついていたダイバー。
深度30m超で水温40度、透明度0というのは、正直言って もうちょっと細かい説明をしておいてほしかったなぁ、とも思う。一人のダイバーは、視界0の中に入っていく前に「ここで待ってる」というサインを出してストップしたほど。
とにかく変わったダイビング。良し悪しは別として。話のネタにはなる。
少なくとも私にとっては面白いダイブだった。
さて、2本目3本目。
たくさんある沈船の中から二つ。確か一つはオリンピア丸という沈船だったような気もするけど、ブリーフィングがあまりにも適当だったため、名前はよくわからない。覚えているのはどちらも沈船内で深度30mを超えていたということ。
私としては久しぶりの沈船にワクワク。ここのところもう何年も沈船に入っていないけれど、もともと沈船の内部に入るペネトレーションダイブが大好きだった。ただ、これはお客さんをむやみに連れていくことはできないので、インストラクター仲間で遊びに行くときに限られていた。
と、ここまで書けばわかると思うけれど、沈船内を泳ぐことは非常にリスクが高い。いくら上級ダイバーでも、レックスペシャリティダイバーでなければ沈船内に入ることはダイビング団体から禁じられている。
理由は簡単。何かあったときに水面に直浮上できないから。しかも、細かい泥がたまった沈船内をフィンを使ってパタパタと泳いだらたちまち視界が0になる。 視界0の中を迷路のような通路をたどって船外に出るなんてよっぽどでなければ無理な話だ。焦って空気を余計に吸う。パニックになる。余計に激しく動く。さらに空気を吸う。エア切れになるまで終わらない悪循環だ。そしてもちろんエア切れになったらさようなら、だ。
この日の沈船ダイブ。私たちのグループは4人。私ともう一人はインストラクター、一人ダイブマスター。そしてもう一人はアドバンスダイバー。
いくら4人のうち二人もインストラクターがいるとはいえ、私だったらこのガイドはしない。
沈船ダイブ自体は楽しかった。前を泳ぐインストラクターダイバーの泳ぎがあまりにも下手でひどく視界は悪かったけれど、もともと好きなタイプのダイビングだ。
ただ。
いくら沈船が呼び物の海域であっても、危険すぎる。アドバンスダイバー(最大深度30mしか行かないことになっている)の30m超えペネトレーションダイブ。聞いただけでもぞわぞわする。
しかもDECO(その深度にいられる最長時間を超えた状態)まで出してる。
夜、町のバーで飲んでいる時に知り合ったフリーランスのインストラクターに聞いてみた。「どこのショップも同じようなダイブするの?」
答えはもちろんNO。ただ、どのショップも、PADIというダイビング団体が作っているルールを、他の地域ほど厳密には守っていないようだ。
ガイドしているダイバーがどこまでリスクを理解しているのか、ちょっと首をかしげたくなるダイブオペレーションだった。ボート上しかり、水中しかり、さらに初心者ダイバーに対する態度しかり。
どこのショップも同じとは言わないようなので、Coronでダイビングをする予定の方、気を付けてくださいねー。
ただ、第二次大戦中の沈船というのがどこにでもごろごろしているわけではないので、ルールを守って、資格を持って潜りに行くのはとても楽しいところだと思う。
この日に潜った2艘以外にも、特徴のある沈船がいくつかあるみたい。Coronで長く潜っているダイバーの話も興味深かった。お客さんを連れて行かない船室などに入ると、骸骨なんかが残っていることもあるそうだ。
Coronには沈船だけでなくリーフダイブができるサイトもあるようだけれど、基本的には毎日沈船ダイブ。
男性に圧倒的な人気のある沈船ダイブだけど、ここの沈船は比較的流れのないところもあるみたいで、そんな沈船だったら女性でも楽しめるんじゃないかなぁ、と思う。
女性ダイバー、試しに行ってみてください。・・・あ、ライセンス取ってからね。
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