2017/06/05

今年の冬のダイビング その3 ~アンダマン諸島・ニール島~

※フィリピン・ブスアンガでのダイビングがこの前にありますが、すでに「ジュゴンに会いに行く」で書いたので省略します。

アンダマン諸島に行ってみたかった理由の一つをダイビングが大きく占めていたはずなのに、なぜか実際に島に入ったら、何となくダイビングのことを忘れてた。
時間はあるわぁ、なんて思っていたせいかもしれないけれど、「インド」っていう雰囲気とダイビングがしっくり来てなかったのかもしれない。

Havelockという町では、いくつもダイブショップがあったにも関わらず話さえ聞きに行かなかった。2週間ほどぶらぶらしていたNeil Islandでやっとこさ。しかも知り合ったポーランド人カップルの女性が体験ダイブに興味があるから話を聞きに行こう、というのでやっと腰を上げた。・・・結局彼女は潜らなかったけど。


ピアの脇にある浜辺から小さなボートでダイビングに出かける。 その日のダイバーは4人。そしてちょっぴり響きが奇妙だけど、インド人のダイブマスターがガイドする。
まぁ、インドだから当たり前の話なんだけど、私、インド人のダイバーを初めて見た。ぶっちゃけて言ってしまうと、お客さんで体験ダイビングをするインドの人は、みんな水を怖がって、インド人のお客さんを持つと1日の仕事が普段の数倍ハードになる。それでもなぜか、ダイビングをしてみたいらしい。チャレンジですな。

さて、この日のアンダマンでのダイブサイトはBus StopとMargerita。これはNeil IslandのビーチNo.1の向かいにあるダイブサイトと、ピアの正面沖にあるダイブサイト。
 
1本目の潜降中から、ほぉぅ・・・と思わず吐いたため息が泡になって水面に向かっていく。
なんと。
この青は、私が大好きだったモルディブの青とそっくりだ。距離が近いんだから当たり前の話なんだけど、きれいだ、とか、気持ちいい、とかじゃなくて、何かとても懐かしい気分でいっぱいになったダイブだった。
ガイドに言わせると、この日は2本ともこのシーズン入って以来の透明度だったらしい。普段はもう少し低いとのこと。この日透明度はどちらも30m+。
どこまでも終わりなく突き抜けていくかのような青。その下に広がる真っ白な砂地。水の動きで形成された波打った砂が遠くに行けば行くほど白から水色に、そしてはるか遠く、見えるか見えないかの辺りでいつの間にか青に溶ける。

魚の種類もタイのピピ島よりもモルディブに近い。
 上の写真も下の写真も、私のお気に入りの魚。どこにでもいるようで、決まった環境下にしかいない。
 ここまで透明度がいいと、岩陰なんかにいる小物を探す気はなくなる。青の中を泳ぐ魚の動きを楽しんでいるだけで、あっという間に1時間くらいは過ぎてしまう。
4人が4人ともエアの消費がゆっくりのダイバーだったため、2本とも70分を超えるダイブ。ゆっくりとアンダマンの青を堪能した。
 この日は流れもほとんどなく、こういう青の中で完全な中世浮力を取って無重力状態で浮いていると何もかも忘れられる。他の人にそう言ってもあまり信じてもらえないんだけど、魚を見ることなんてどうでもいい。珍しい魚を探す気にもならない。ただ水の中にいる、そのことがとても気持ちいい。
青と、自分の呼吸音と 頭上からさす光、そして自分の吐き出す泡。この泡は、全部私の肺に入っていて空気。
これだけで十分。ほかには何もいらない。


 4人とも自分の好きなところを勝手に泳ぐダイバーだったためか、ガイドも何を指すわけでもなくふわふわと泳いでいる。こういう気ままなダイブをさせてくれるガイドは少ない。

久しぶりのなつかしい青。
めんどくさがらずにダイビングに出かけてよかった。
 ただ、ひとつ言えば、やはりダイブショップが島に2軒しかないせいで競争が少ないのか、ダイビングの値段が高い。もう少しお手頃な値段でこの透明度だったら何日も行ったかもしれない。・・・とは言え、毎日Wolleを放っておくわけにもいかないか・・・。

この日のダイビング。他のダイバーが潜ったらどんな感想を持つのかわからない。もしかしたら「何にも見るものなかったじゃん」なんていう言葉が返ってくるかもしれない。実際ほかのダイバーと話していて、それらしきことは言っていた。
でも、私にとってはのびのびしたいいダイブだった。たった1年しかいなかったモルディブの海を、頭じゃなくて心が覚えていたこともうれしかった。
もしかしたら、これから先、こういう「懐かしいダイブ」が増えたりするのかな。


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