バリには以前一緒に働いていたMarioがいる。彼がバリに住み着いてから12年。今では立派なダイブセンターとゲストハウスのオーナーだ。いつの間にか二人の子供までいる。
私が時々バリに行くのも彼に会うため。なぜか初めて会ったころから気が合う。
ここ数年、いい加減にお前のパートナーを隠し続けるのはやめろと、さんざん言われ続けてきた。私としても紹介したいのは山々。ただWolleのお尻がなんだか重かった。冬はタイにいなければいけないわけではないのに、ピピからバリが随分遠かった。いやいや、そういうMarioだって、ポーランドまで来ているのにドイツに来なかったり、(Marioはポーランド人)バリのローシーズンにタイまで来ていてピピに来なかったりだった。
それがとうとう!
Wolleは何が理由なのか、それほどバリ行きにノリノリではなく、私が行きたがるから行くよ、っ感じだったのが、いつの間にか来年もバリね、と勝手に決めてしまうくらい結果的には気に入った様子。その理由の一つがダイビング。
ある日。Wolleがバリの水中では何が見られるのか聞いてきた。
mmmm・・・・何って言われても・・・大物小物なんでもいる気がする。
ちなみにインドネシアの海域は世界中でも水中生物の量は群を抜いて多い。3つの海流が同じ海域に流れ込むせいだ。
Wolleは小物に全く興味がない。ダイビングの時にマスクに度が入っていないものを使うので、元々遠視の彼には私がどれほど珍しいものを指さしても小さすぎて詳細が見えないらしい。Yaskoは大きいものを見せてくれない、といつも不満たらたら。
まぁ、Wolleの知ってそうな大物を言っとくか。
マンタ見られるよ。
すると、思った以上の反応。ええ~、マンタ見られるの?行く行く!
Marioに今はシーズンかどうか聞いてみると。
うーん、ベストシーズンじゃないよ。2‐30枚しか見られないと思う、とのこと。
この一言でマンタダイブが決定。Wolleはまだマンタを見たことがない。タイではマンタを見るといっても1本のダイブで1枚が一般的。2‐30枚と聞いてWolleはうほうほだ。
オニイトマキエイ、通称マンタは、体表をきれいにするために頻繁にクリーニングフィッシュの住むクリーニングステーションにやってくる。そこに住む魚に体表の寄生虫やら汚れやらをついばんできれいにしてもらう。
この習慣はマンタに限らず多くの魚が持っているもの。ダイビング中、特定の岩の近くでエラを開いて中まできれいにしてもらっている魚をよく見かける。
掃除をしてくれるのはベラの仲間。彼らは住んでいる同じ岩から移動せず、掃除をしてほしい魚がわざわざそこで泳ぎを止めてきれいにしてもらう。ベラにとってはご飯を食べているのと同じだ。どっちの魚にも利がある。
マンタがやってくるクリーニングステーションも決まったところにあり、そこに行けば日によってはものすごい数のマンタを見ることもできる。
そして都合のいいことに、バリのマンタクリーニングステーションには1年中マンタがうろうろしている。もちろん場所によってはシーズンによってクリーニングステーションが空っぽというところもある。
そういえばタイでマンタクリーニングステーションって聞いたことないなぁ。たぶん私が知らないだけだと思うけど。
ここのクリーニングステーションはいつも透明度が低めだ。バリの外のサイトと比べるとクリスタルクリアなサイトではない。が、体験ダイビングでも行ける10~12mくらいにマンタが泳ぎに来る。
この日透明度は15mほど。
Wolleの初マンタ。
Marioの言った通り、確かに2‐30枚。ただ、一度に泳いでくるんじゃなくて、数枚ずつステーションの周りを泳いでいる感じ。1枚泳いで行ってしまうとまた1‐2枚やってくる。ほぼ1時間ひっきりなしのマンタ。
私もモルディブでマンタクリーニングステーションをガイドするときにそうだったけれど、ガイドはこういうダイブをしょっちゅうしてるから、すぐにマンタに飽きる。お客さんがマンタに夢中になっているのを見張っていればいいだけ。そして、そのうちマンタ以外の魚を指し始める。でもお客さんは一顧だにしない・・・。Wolleとこの日のガイドもこの典型のパターンだった。
私にとっても久しぶりのマンタ。あれ、前回もバリでマンタだったような気がする。その時はMarioと一緒にほかの客さんを連れていた。
Wolleはもちろん初めてのマンタに大興奮。
マンタと言えば、どのダイバーでも一度は夢見る水中生物だ。3‐4mという大きさでまず圧倒される。そしてその泳ぎ方の優雅さに目を見張る。目の前まで来てくるっと反転でもしてくれようものならマスクの中で涙さえ浮かべるダイバーもいる。
私はWolleにマンタと一緒に泳ぐコツなど話したことがないので、面白いくらいにどのマンタも彼の目の前で向きを変えてあっちのほうへ泳いで行ってしまう。水中でそれに気が付いたけど、その場で言葉を交わすことはできない。ごめんね。次回ね、次回。
2本目は近くのクリスタルベイへ。このサイトはシーズンによってモラモラ(マンボウ)を見ることができる、が、今回は時期には少し早い。その代わり抜群の透明度。
あら、Wolleはこういう透明度初めてだったのかな。2本目の後「ダイブサイトが水族館みたいだった」としきりにほめていた。なるほど。お客さんダイバーにはこういう風に見えるんだなぁ、なんて思ってしまう。
バリのダイブサイトはどのダイブサイトも個性的だ。流れのあるなし、沈船、ビーチエントリー、大物、小物等々、どんなダイビングでもできるように見える。もちろん珍しい生き物も多いし、数も多い。ちょっぴりだけ言わせてもらえば、ダイブショップからダイブサイトまでが遠い。ピピ島のように店に行って、ウェイト持って、ピアに歩いて3分。ピアからダイブサイトまで長くて30分という簡単なダイビングではない。
でも、Wolleを見ていて、お客さんがこれくらい満足するんだったら、距離も時間もどうでもいい。
来年もまたバリに行ってマンタに会うそうな。
僕はダイビング好きだからね、なんていう、普段と全く反対のことを抜かしているWolleの計画。
見てください、この超ご機嫌の写真。
私が時々バリに行くのも彼に会うため。なぜか初めて会ったころから気が合う。
ここ数年、いい加減にお前のパートナーを隠し続けるのはやめろと、さんざん言われ続けてきた。私としても紹介したいのは山々。ただWolleのお尻がなんだか重かった。冬はタイにいなければいけないわけではないのに、ピピからバリが随分遠かった。いやいや、そういうMarioだって、ポーランドまで来ているのにドイツに来なかったり、(Marioはポーランド人)バリのローシーズンにタイまで来ていてピピに来なかったりだった。
それがとうとう!
Wolleは何が理由なのか、それほどバリ行きにノリノリではなく、私が行きたがるから行くよ、っ感じだったのが、いつの間にか来年もバリね、と勝手に決めてしまうくらい結果的には気に入った様子。その理由の一つがダイビング。
ある日。Wolleがバリの水中では何が見られるのか聞いてきた。
mmmm・・・・何って言われても・・・大物小物なんでもいる気がする。
ちなみにインドネシアの海域は世界中でも水中生物の量は群を抜いて多い。3つの海流が同じ海域に流れ込むせいだ。
Wolleは小物に全く興味がない。ダイビングの時にマスクに度が入っていないものを使うので、元々遠視の彼には私がどれほど珍しいものを指さしても小さすぎて詳細が見えないらしい。Yaskoは大きいものを見せてくれない、といつも不満たらたら。
まぁ、Wolleの知ってそうな大物を言っとくか。
マンタ見られるよ。
すると、思った以上の反応。ええ~、マンタ見られるの?行く行く!
Marioに今はシーズンかどうか聞いてみると。
うーん、ベストシーズンじゃないよ。2‐30枚しか見られないと思う、とのこと。
この一言でマンタダイブが決定。Wolleはまだマンタを見たことがない。タイではマンタを見るといっても1本のダイブで1枚が一般的。2‐30枚と聞いてWolleはうほうほだ。
オニイトマキエイ、通称マンタは、体表をきれいにするために頻繁にクリーニングフィッシュの住むクリーニングステーションにやってくる。そこに住む魚に体表の寄生虫やら汚れやらをついばんできれいにしてもらう。
この習慣はマンタに限らず多くの魚が持っているもの。ダイビング中、特定の岩の近くでエラを開いて中まできれいにしてもらっている魚をよく見かける。
掃除をしてくれるのはベラの仲間。彼らは住んでいる同じ岩から移動せず、掃除をしてほしい魚がわざわざそこで泳ぎを止めてきれいにしてもらう。ベラにとってはご飯を食べているのと同じだ。どっちの魚にも利がある。
マンタがやってくるクリーニングステーションも決まったところにあり、そこに行けば日によってはものすごい数のマンタを見ることもできる。
そして都合のいいことに、バリのマンタクリーニングステーションには1年中マンタがうろうろしている。もちろん場所によってはシーズンによってクリーニングステーションが空っぽというところもある。
そういえばタイでマンタクリーニングステーションって聞いたことないなぁ。たぶん私が知らないだけだと思うけど。
ここのクリーニングステーションはいつも透明度が低めだ。バリの外のサイトと比べるとクリスタルクリアなサイトではない。が、体験ダイビングでも行ける10~12mくらいにマンタが泳ぎに来る。
この日透明度は15mほど。
Wolleの初マンタ。
Marioの言った通り、確かに2‐30枚。ただ、一度に泳いでくるんじゃなくて、数枚ずつステーションの周りを泳いでいる感じ。1枚泳いで行ってしまうとまた1‐2枚やってくる。ほぼ1時間ひっきりなしのマンタ。
私もモルディブでマンタクリーニングステーションをガイドするときにそうだったけれど、ガイドはこういうダイブをしょっちゅうしてるから、すぐにマンタに飽きる。お客さんがマンタに夢中になっているのを見張っていればいいだけ。そして、そのうちマンタ以外の魚を指し始める。でもお客さんは一顧だにしない・・・。Wolleとこの日のガイドもこの典型のパターンだった。
私にとっても久しぶりのマンタ。あれ、前回もバリでマンタだったような気がする。その時はMarioと一緒にほかの客さんを連れていた。
Wolleはもちろん初めてのマンタに大興奮。
マンタと言えば、どのダイバーでも一度は夢見る水中生物だ。3‐4mという大きさでまず圧倒される。そしてその泳ぎ方の優雅さに目を見張る。目の前まで来てくるっと反転でもしてくれようものならマスクの中で涙さえ浮かべるダイバーもいる。
私はWolleにマンタと一緒に泳ぐコツなど話したことがないので、面白いくらいにどのマンタも彼の目の前で向きを変えてあっちのほうへ泳いで行ってしまう。水中でそれに気が付いたけど、その場で言葉を交わすことはできない。ごめんね。次回ね、次回。
2本目は近くのクリスタルベイへ。このサイトはシーズンによってモラモラ(マンボウ)を見ることができる、が、今回は時期には少し早い。その代わり抜群の透明度。
あら、Wolleはこういう透明度初めてだったのかな。2本目の後「ダイブサイトが水族館みたいだった」としきりにほめていた。なるほど。お客さんダイバーにはこういう風に見えるんだなぁ、なんて思ってしまう。
バリのダイブサイトはどのダイブサイトも個性的だ。流れのあるなし、沈船、ビーチエントリー、大物、小物等々、どんなダイビングでもできるように見える。もちろん珍しい生き物も多いし、数も多い。ちょっぴりだけ言わせてもらえば、ダイブショップからダイブサイトまでが遠い。ピピ島のように店に行って、ウェイト持って、ピアに歩いて3分。ピアからダイブサイトまで長くて30分という簡単なダイビングではない。
でも、Wolleを見ていて、お客さんがこれくらい満足するんだったら、距離も時間もどうでもいい。
来年もまたバリに行ってマンタに会うそうな。
僕はダイビング好きだからね、なんていう、普段と全く反対のことを抜かしているWolleの計画。
見てください、この超ご機嫌の写真。
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