2017/06/05

ちょっと特別バーベキュー

この週末にちょっと面白いバーベキューをした。
ちょっと長くなるけど、その方法を順を追って書こうかと思う。

ドイツの祝日にOstern(オスターン)という日がある。英語で言うイースターで、日本語で言うと復活祭。この祝日は毎年違う日である。ドイツ人の友達に聞くと「Papst(ローマ法王)が決めるんだよ」とのことだが、実際には「春分後の最初の満月の後の日曜日」ということである。
そしてそのOsternから7週目の日曜日がこれまた祝日。Pfingsten(フィングステン)、日本語で言うと聖霊降臨祭。これらの祝日は日本にはなく、キリスト教のものなので、日本人の私にはなじみもないしピンとも来ない。
が、祝日は祝日。
Osternには毎年キリスト教の慣例とは全く違う大きなパーティをWolleが仲間内で開催する。20年以上も毎年開いているこのパーティは、いつの間にか100人を超える友達が集まる大きなものになっている。

そして、Pfingstenはというと。
この日は初夏の祝日。そして、次の祝日は10月までない。そんな理由が重なって、みんなそれぞれ計画を立てる。その計画はたいていアウトドア。
春の雰囲気から夏の気温になっているこの時期。春までは寒すぎて外で遊ぶことが少ないこのドイツ。 気持ちのいい気候の週末に、なぜ屋内にこもっていられようか。

私の周りでも、ひとグループはバルト海に25人でキャンプ・・・まるで山の生活ならぬ海の生活だ。ひとグループはエルベ川を各々のボートやカヤックで下る。
そして私たちは、湖の近くに週末を過ごすための場所を持っている友達のところへ集まった。湖の近くということでボート遊びもできるし、庭でバーベキューをしたり、たき火をしながらおしゃべりをしたりする。

今年のバーベキューは特別だった。
Wolleの幼なじみのRatziが用意した特別メニューはラム(子羊)の土中グリルとでも言おうか。穴を掘り、火を焚いて、その上に手ごろな大きさの石をのせ、熱した石の熱で肉を熱する。一言で説明しようと思ってもうまく言えない。
これはRatziが働いているノルウェイで時々されるバーベキューの方法らしい。
名前は・・・ノルウェイ語でRatziが教えてくれたけど、発音もよくできないし意味も分からないので忘れてしまった。日本語で言うと石焼バーベキュー・・・かな・・・なんか違うな。

今回のお肉はラム(子羊)のモモ。何か味をつけてあるわけではなく、生のままのお肉。
これが何人分かと聞かれると困るけど、大人7-8人は楽に食べられるんじゃないかと思う。
お肉の大きさは違ってくるけど、例えば豚のモモや丸ごとの豚でもできるとのこと。ただし、脂の量が違うため熱する時間が変わってくる。



必要なのは薪、片手で持てるくらいの大きさの石をたくさん。石は、できたら同じ種類の石がいい。熱の回りが均等になる。コンクリートの破片や煉瓦はだめだそうである。


まずは庭の一角に穴を掘る。


 穴の中で火を起こし、薪を入れて火を焚く。




薪が炭になるくらいまで熱を上げる。

 薪を燃やしている間にお肉にアルミホイルを何重にも巻き付ける。今回使ったのはおそらく10-15m分くらいのアルミホイル。包帯を巻くようにぐるぐると。



 薪がしっかり燃えて赤くなったころ、集めた石を熱くなった薪の上に並べていく。もちろん炎は石の間から出てくる。




数十分後、石の下部が赤くあるいは白くなり、しっかりと熱せられた。この時、石の熱が足りないとお肉が焼けないので、焦らずにしっかり熱する。
これを今度は半分くらい取り出す。


 ここで必要なのは厚手の手袋とバケツにはった水。熱せられた石はとても熱いので手袋をしていても時々手袋をはずし、水に手を突っ込んで冷やす。


取り出す石は全体の個数の半分ほど。お肉の下に敷かれる石はそのまま残す。
ここでアルミホイルを数枚適当な長さに切っておく。

 先ほど取り出さずに残しておいた石の上に、アルミホイルに包んだお肉を置く。

 お肉を覆うように、先ほど取り出した熱せられた石を乗せていく。お肉に巻いたアルミホイルがほとんど見えなくなる。
この時、石をお肉の表面に均等に置く。そうでないと出来上がったときに、お肉の表面にむらができる。


 そして今度はその石の山を、先ほど切ったアルミホイルで覆っていく。この上から土をかぶせるので、石の間に土が入り込まないように。

 そこに今度はアルミホイルの上から土をかぶせていく。

 煙が出てくるような隙間がないようにしっかりと土をかぶせる。



 この状態で約1時間20分。この時間はお肉の大きさによって多少異なる。
数十分経った頃には、何となく何かが焼けているようなにおいが漂ってくる。お肉が焼けているにおいとはちょっと違う。ちょっと土臭いにおい。



 少しずつ土を払いのけて、石の上にかぶせたアルミホイルも取り除く。

 そして、石を乗せた時のように手袋をして、石を取り除く。この時もまだまだ石は焼けるように熱いので注意。


 できあがり!!

 お肉に巻いてあるアルミホイルをはがす。
今回はお肉を覆った石の温度に差があったようで、表面の色にむらがある。濃い色になったところのほうがおいしそうに見えるけど、どこも中までちゃんと火が通ってる。
今回こうなってしまった理由は、適当にそこらにあった石を集めたので、石の種類がまちまちで、熱の通りが各石によって違ったためかと思われる。


 これをそぐようにして切っていく。


 お皿に取り置いたお肉は、味付けをしていないので、食べるときに各自好みで塩コショウをする。


出来上がったお肉に飛びついてしまって写真を撮るのを忘れたけれど。
骨に近い部分で、お肉がそぎ取れずに残ってしまった、あるいは、もう少し火を通したい部分が残った場合、また同じようにアルミホイルで巻いて、さっきまで使っていた石を再度使って焼き直す。まだまだ石は熱いので、少し時間をかければ骨の部分までしっかりと焼ける。

もしも味付けをしたい場合には、焼きあがったお肉に味付けをする。例えば、パスタでも使うペスト、あるいはオリーブオイルとハーブなど。これは好みによるけれど、ラムのお肉は塩コショウが一番おいしいような気もする。

そんなこんなのちょっと珍し目のバーベキュー。
時間と手間は少しかかるけど、大勢で楽しむのにはうってつけのメニューだった。
次回はうちで…。

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