母の日に花屋さんへカーネーションを買いに行った。
せっかく母の日だから、カーネーションだけの花束にしよう、なんて最初から思って、赤いカーネーションとカスミソウだけの豪華とも豪華でないともつかない花束を注文。
さすが母の日だけあって店内は混み合ってる。
で、そこへ小学校低学年かと思われる女の子がきょろきょろしながら入ってきた。しばらくもじもじしていると、手の空いた店員さんが声をかける。
ふたりは何事か言葉を交わし、店員さんはにっこりとして女の子から離れる。そのときに慌てたように女の子が店員さんに何か手渡すのが見えた。手作りのカードだ。
女の子は慣れない場所にいるせいか、とても恥ずかしそうに柱の陰に隠れるようにして花束が出来上がるのを待っていた。
私が注文した花束はちょっと大きめで、造るのに時間がかかっている。
しばらくすると女の子が注文した花束が出来上がった。
カーネーション2本のとても簡素な花束。そこに先ほどのカードが見え隠れしている。
女の子は小さなピンクのかばんから、これまた小さなピンクのお財布を出して小銭を数えてお金を払う。そして、さっきよりももっと恥ずかしそうに小さな声で「ありがとうございます」と店員さんにいい、早足で、でもうれしそうに店を出て行った。
彼女の作ってもらった花束は、私が今作ってもらっている大きな花束よりもずっとずっと価値があるような気がして、私は自分で頼んだ花束が少し恥ずかしくなった。
歳を取って、お金を払うことによって手に入れられる高価なものよりも、もっとずっと大切なものがあることを見せてもらったような気がする。
店では複雑な思いをした私の花束を、母はとても喜び、今まで孫の写真だった母の携帯の待ち受け画面はカーネーションの花束に代わった。
「赤い花ってすてきね」だって。
って、ことは私の花束もそれほど捨てたもんじゃなかったのかな・・・。
ありがとうお母さん。
2 件のコメント:
お花のプレゼント、いいねー。私なんて何年もしてないよ。
ステキなお母さんによろしくー。(あ、もちろんお父さんにも)
遠くにいるとなかなか母の日とか難しいよねぇ。毎年日にちが違うし。
両親にはよろしくと伝えました。うちのママ喜んでますよ~。「ステキな」なんて言ってもらえて。
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