2012/08/17

洗濯方法の違い

どの女性もそれぞれ洗濯の方法に違いがあって、なかなか自分以外の方法になじまないという話を母から聞いたことがある。

そういう母とも洗い方にも干し方にもかなり違う。同じ家族で、しかも私はおそらく家事は母の方法を見て学んだというのに。

ピピ島にいるとき、洗濯物は手洗い。
いまどき、といわれるかもしれないが、洗濯機がないのだから仕方ない。
ランドリーサービスに出すという方法もあるのだけれど、私たちのバンガローが高台にあるせいで、洗濯物を持って階段を上り下りするほうがよほど面倒に感じる私は、ほぼ毎日家に帰ると洗濯をする。
二人分でも毎日洗っていれば一度に洗う量はそれほどでもなく、よほど疲れているときでもない限り面倒だとかんじることもない。


モントリオールに住んでいたとき、外に洗濯物を干さないで、すべて乾燥機で乾かすことに少し違和感があった。
外で干した洗濯物のパリッとした感触は気持ちのいいもの。
はじめのころは、それがないことに少し物足りなさがあった。
一方、朝であろうが夜であろうがいつでも洗濯を始められるわけで、慣れてしまえばなんということはない。


さて、今いるドイツ。
私がいない間にWolleが自分で洗濯をしているかというと、そんなわけはない。
家の洗濯はすべて義母の手でされる。
彼女にとって同じ家に息子の彼女が入ってきて、初めて息子の洗濯物を触らない日ができたというわけだ。

夏にドイツに戻ると、義母は毎度洗濯機の使い方を教えてくれる。すでに数年目の夏なのだから、忘れているわけはないのだけれど、夫婦ともに退職して毎日家にいる両親は時間をもてあましてもいるのだろう。
これは洗濯機だけじゃなくて、掃除機から、窓の拭き方まで。丁寧に教えてくれる。


さて、洗濯。
まず、驚いたのが洗濯には必ず40度以上の水を・・・いや、お湯を使うこと。
キッチンで使う布巾、真っ白な下着にいたっては50度以上に設定する。
お湯で洗う=汚れが落ちる、らしい。
確かに。

でも、服が傷むのは否めない。
しかも、洗濯機が温度の設定にあわせて自動的に洗濯時間を決める。ということは、お湯の温度を上げればあげるほど、「汚れを落としたいのだ」と判断されるのか、時間はどんどん延びる。
50度に設定した日には120分なんていう途方もない数字が表示される。120分も温水で洗っていたら、いくら丈夫な布でもすぐに痛んでしまいそう。
その設定をするのを見るたびに、どきどきしてしまう。

そして干し方。
日本は湿度が高いので、できるだけ日に当てようとする。これで乾いた洗濯物はからっとしていて気持ちがいい。
が、もともと湿度の低いドイツでは、日光よりも風で洗濯物を乾かす、というように見える。
物干しは半分日向、半分日陰に入っている。

湿度があるところでは、できるだけしっかり乾いてからしまわないとかび臭くなるのは誰でも知っていること。
でも、湿度の低いところでは、多少しけっているように感じる洗濯物でも取り込んでしまうようだ。
しかも、乾いた洗濯物、下着からTシャツまでほぼすべてアイロンをかける。
確かにこれなら多少乾いていないところがあっても、問題ないのかもしれない。

ただ、これは70歳を超えた両親の方法。
若い人に聞くと、アイロンなんか必要なシャツにしかかけない。洗濯機もできるだけ低い温度を使う、らしい。

先日、義母が私たちが出かけている間に洗濯をしてくれて、戻ってきたときには、しわ加工がしてあるスカートがまっすぐになっていた。
これはちょっと困る。

日本人の感性で言わせてもらえば、義母に自分の下着まで洗ってもらうことに抵抗がある。
これは、ここにはじめて来たときに大議論になって、結局私の下着でも義母に洗ってもらってかまわないということにはなってる。
最初に自分の洗濯物くらい自分で洗う、と言い張った私に「義母に下着を触られたくないのか?」と聞かれた。
そういう問題じゃな~~~~い!
って、いくら言っても、全く理解してもらえなかった。
彼らの感性で、私の気持ちは不可解以外の何物でもなかったようだ。
結局折れたのは私のほう。


周りの女性に話を聞くと、やはり二世代一緒に住んでいると言い合いになるようだ。
理由は全く同じ。
水を節約するために洗濯機にぎゅうぎゅうにつめてしまう。
必要以上の温水を使う。
洗濯物すべてにアイロンをかけないと気がすまない。

どこも同じなのね。
って、あきらめたらいいのか、安心したらいいのか・・・。


そんなこんな洗濯。
比較的も何もなく、洗濯が好きな私にとって、誰かと共同で洗濯をするというのはなかなか難しい。義母とも面白いほどの頻度で意見がぶつかる。
どちらも自分の方法で洗濯したいのだから仕方ない。そして特に義母は、私たちの世話を焼きたくて仕方ないのだから、私のほうが折れるしか方法はない。

今日も朝早くから派手にぶつかり合った。
まぁ、怒っても始まらないことなんだけどね。

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