ドイツ語のコースを取るようになってから4年目。
毎年違うコースを取るので、当然クラスメイトも毎年変わる。
そして、どの教室でも、似たようなタイプの生徒っていうのがいるもの。
去年、一人の女の子に頻繁に困らされた。
先生が誰に答えを指名してもすべてその子が大きな声で先に答えてしまう。
生徒によって授業内容を理解する速度はもちろんまちまち。だから、どうしても先生が何か質問したときに答えが出てくるのに時間がかかる生徒もいる。
先生はそんなことは承知だし、ゆっくりと待ってくれる。
ところが、先生が待っているというのに、彼女は「私にはわかっている」とばかりに指名された生徒よりも先に答えを言ってしまう。
あるいは、誰かが答えを間違えると「間違い!」などと大きな声で言う。その後に自分が正しいと思う答えを言う。
自分の答えが間違っていようものなら、「どうして違うのか。何が違うのか。」と先生に食って掛かる。
これは私を心底げんなりさせた。
ただでさえ語学の授業というのは、必死でついていくものだ。ドイツという国で生きるのに必要なドイツ語を習っているのだからなおさら。
あるとき、心理学者の友達に相談してみた。
「こういう人は一体全体どうしてこんな行動に出るの?」「どうやって対処すればいいの?」
すると彼の答えは私の想像外のものだった。
おそらく彼女は家で「誰かに認められる」ということがないんじゃないか、と。
人間誰しも、誰かに認められたいもの。
家でそれを枯渇している分、学校という、努力さえすれば誰でも認められる場所でそれを発散しているんだ、と。
さらに、そういう人は精神的に幼稚な部分を持つため、ストレートに「それはやめてくれ」といわなければ通じない、と。
な~るほど。
さすが、素人では出てこなそうな答えだ。
さて、今年のクラス。
彼女ほどとは言わないまでも、同じようなタイプがいる。
普段それほど授業には出てこないけど、1週間に1度、あるいはもっと少ない頻度で、しかも5歳くらいの子供をつれてくる。
幼稚園や学校が休みの時期だけだとは思うけれど、私たちの学校もそれを許可しているらしい。
先生いわく、他のクラスでつれてこられている子供と比べると、恐ろしくおとなしい子供らしいけれど、それでも集中して聞いている私たちの耳に・・・あるいは私だけなのかもしれないけれど・・・彼女の立てる雑音は邪魔になる。
だが、気になるのは彼女よりも彼女のお母さん。
質問には誰が指名されようが全部答えてしまう。
どこのクラスにも似たようなタイプがいるというのは彼女のことだ。
ところが、不思議なことに、彼女がいないときには、他の男の子が同じ役割をする。
どちらも、文法や発音はさておき、すでにかなり言いたいことがいえる語学力を持っている。
もしかしたらそのせいで授業が簡単すぎるのかもしれない。
授業中に会話の練習として、先生が何か質問してくることがある。
「週末はどう過ごしましたか?」「あなたの国では?」等々。
もちろんこの会話は、今現在習得中の文法事項を使わせるように先生が工夫してくれている。
ところがこの二人が質問されると、質問以上のことまで話が及んでいって、いつまでたっても話が終わらない。
延々と一人でしゃべっている。先生ですら口を挟む隙がないほどに。
いや、まさに、こんなにペラペラと話してみたいもんだ、などと思ってしまうが、彼らは先生にのみ向かって話しているので、他の生徒たちにはよく聞き取れない。
よって、私のようなほかの生徒は、その間簿ぼやっとしていることになる。
去年相談した友達の言葉を思い出す。
おしゃべりな二人のうち、一人は珍しいことに一人暮らし。
ようは、家で誰とも話せない分教室でしゃべっているんじゃないかと思う。
もちろん彼は休憩時間中も誰かしらを捕まえて話し込んでいることが多い。
彼らが悪い人だ、とかいやな人だ、とか言うんじゃない。
私も仲良く話をしているし、去年の彼女に比べたら天地の差があるほどに一緒にいて気楽な人たちだ。
このことについて私が面白いと思うのは、どのクラスでもおなじタイプの人が出現するということ。
動物、あるいは昆虫の集団で、怠け者を故意的に排除すると、今まで働き者だった者だけのグループの中から怠け者が発生する、という話を聞いたことがある。
今の教室。
まさにそんな感じじゃないだろうか。
集団になると何かしらの役割分担が出来上がる。
勤勉な者、怠け者、でしゃばりさん、おしゃべりさん、仕切り屋さん、傍観者、優等生、劣等生、ちゃちゃを入れようとする人、やる気のない人。
たった十数人のクラスで、ありとあらゆる種類の生徒がいるのは自分が参加しているにも関わらずおもしろい。
なんて、書いてみると、じゃ、私はどの役割分担なんだろう、なんて思ってしまう。
もともと質問モンスターの私。
みんなに迷惑かけてないといいなぁ、なんて、自分のことながら思ってしまう。
毎年違うコースを取るので、当然クラスメイトも毎年変わる。
そして、どの教室でも、似たようなタイプの生徒っていうのがいるもの。
去年、一人の女の子に頻繁に困らされた。
先生が誰に答えを指名してもすべてその子が大きな声で先に答えてしまう。
生徒によって授業内容を理解する速度はもちろんまちまち。だから、どうしても先生が何か質問したときに答えが出てくるのに時間がかかる生徒もいる。
先生はそんなことは承知だし、ゆっくりと待ってくれる。
ところが、先生が待っているというのに、彼女は「私にはわかっている」とばかりに指名された生徒よりも先に答えを言ってしまう。
あるいは、誰かが答えを間違えると「間違い!」などと大きな声で言う。その後に自分が正しいと思う答えを言う。
自分の答えが間違っていようものなら、「どうして違うのか。何が違うのか。」と先生に食って掛かる。
これは私を心底げんなりさせた。
ただでさえ語学の授業というのは、必死でついていくものだ。ドイツという国で生きるのに必要なドイツ語を習っているのだからなおさら。
あるとき、心理学者の友達に相談してみた。
「こういう人は一体全体どうしてこんな行動に出るの?」「どうやって対処すればいいの?」
すると彼の答えは私の想像外のものだった。
おそらく彼女は家で「誰かに認められる」ということがないんじゃないか、と。
人間誰しも、誰かに認められたいもの。
家でそれを枯渇している分、学校という、努力さえすれば誰でも認められる場所でそれを発散しているんだ、と。
さらに、そういう人は精神的に幼稚な部分を持つため、ストレートに「それはやめてくれ」といわなければ通じない、と。
な~るほど。
さすが、素人では出てこなそうな答えだ。
さて、今年のクラス。
彼女ほどとは言わないまでも、同じようなタイプがいる。
普段それほど授業には出てこないけど、1週間に1度、あるいはもっと少ない頻度で、しかも5歳くらいの子供をつれてくる。
幼稚園や学校が休みの時期だけだとは思うけれど、私たちの学校もそれを許可しているらしい。
先生いわく、他のクラスでつれてこられている子供と比べると、恐ろしくおとなしい子供らしいけれど、それでも集中して聞いている私たちの耳に・・・あるいは私だけなのかもしれないけれど・・・彼女の立てる雑音は邪魔になる。
だが、気になるのは彼女よりも彼女のお母さん。
質問には誰が指名されようが全部答えてしまう。
どこのクラスにも似たようなタイプがいるというのは彼女のことだ。
ところが、不思議なことに、彼女がいないときには、他の男の子が同じ役割をする。
どちらも、文法や発音はさておき、すでにかなり言いたいことがいえる語学力を持っている。
もしかしたらそのせいで授業が簡単すぎるのかもしれない。
授業中に会話の練習として、先生が何か質問してくることがある。
「週末はどう過ごしましたか?」「あなたの国では?」等々。
もちろんこの会話は、今現在習得中の文法事項を使わせるように先生が工夫してくれている。
ところがこの二人が質問されると、質問以上のことまで話が及んでいって、いつまでたっても話が終わらない。
延々と一人でしゃべっている。先生ですら口を挟む隙がないほどに。
いや、まさに、こんなにペラペラと話してみたいもんだ、などと思ってしまうが、彼らは先生にのみ向かって話しているので、他の生徒たちにはよく聞き取れない。
よって、私のようなほかの生徒は、その間簿ぼやっとしていることになる。
去年相談した友達の言葉を思い出す。
おしゃべりな二人のうち、一人は珍しいことに一人暮らし。
ようは、家で誰とも話せない分教室でしゃべっているんじゃないかと思う。
もちろん彼は休憩時間中も誰かしらを捕まえて話し込んでいることが多い。
彼らが悪い人だ、とかいやな人だ、とか言うんじゃない。
私も仲良く話をしているし、去年の彼女に比べたら天地の差があるほどに一緒にいて気楽な人たちだ。
このことについて私が面白いと思うのは、どのクラスでもおなじタイプの人が出現するということ。
動物、あるいは昆虫の集団で、怠け者を故意的に排除すると、今まで働き者だった者だけのグループの中から怠け者が発生する、という話を聞いたことがある。
今の教室。
まさにそんな感じじゃないだろうか。
集団になると何かしらの役割分担が出来上がる。
勤勉な者、怠け者、でしゃばりさん、おしゃべりさん、仕切り屋さん、傍観者、優等生、劣等生、ちゃちゃを入れようとする人、やる気のない人。
たった十数人のクラスで、ありとあらゆる種類の生徒がいるのは自分が参加しているにも関わらずおもしろい。
なんて、書いてみると、じゃ、私はどの役割分担なんだろう、なんて思ってしまう。
もともと質問モンスターの私。
みんなに迷惑かけてないといいなぁ、なんて、自分のことながら思ってしまう。
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