2013/05/26

小説「モンスター」 百田尚樹

昨日本屋さんに行ってきました。
毎回のことだけど、日本に帰ってきて最初に本屋さんに行くときは新鮮。
知らない本がたくさん並んでるだけでわくわくする。

先日お客さんにもらった「永遠の0(ゼロ)」の作者、百田尚樹氏が最新作で、最近はやりの本屋さん大賞を取ったらしい。
そのせいで彼の作品が、平積みでずらりと店頭に並んでいた。

「永遠の0」を読むまでこの作家さんの作品を呼んだことがなかったせいで、どの作品も新鮮に感じる。

でも、こういうときに勢いづいて一度に読んでしまうと、いくつかの作品が頭の中と記憶の中にごちゃ混ぜになってしまって、最終的に何もよく覚えていない、という結果になることが多いので、今回は1冊だけ買ってみることにした。

手に取ったのは、「モンスター」。

理由は特にないけど、文庫本だったこと。
1冊で完結してること。
前回読んだ作品がよかったから、今一番人気のあるものを読んで、がっかりしたくなかったこと。
まぁ、いくつかの理由で。


結果的には・・・おもしろかったです。
昨日の夜中に本屋さんに行って、この本を買ったというのに、今日の夕方にはすでに読み終わっていた。ということは、今日の朝から一気に読んでしまったということ。

この百田氏、男性なのに、どうしてこんなに女性の心理が書けるの・・・?
これを書くのに、特に、美人・不美人に関する心理をどうやって取材したんだろう。こういうことに関して、女性って、なかなか本音を言わないだろうし、実際に自分の心理を言葉にうまく変換できる人っていうのは少ないんじゃないかと思うけど・・・。


この作品、映画化されたようなことが、帯に書いてあった。
主役は高岡早紀。
写真がちょっと載ってたけど、う~ん、この女優さんすごいな、って、ちょっと思ってしまった。

この作品、女性の美容整形のはなしなんだけど、整形前と整形後、がどちらも出てくる。その両方を当然同じ女優さんが演じるわけで・・・。
どの女優さんでもできるお芝居じゃないんじゃないかな、なんて思ってしまう。
映画も見てみたいなぁ。
詳細を知りたい方はこちらへ

「モンスター」 百田尚樹








 

2013/05/21

息ごらえで遊ぶ

昔々、店にあった小型のプールで息ごらえをしてほかのスタッフと一緒に遊んだ。

別に、記録を作ろう、とか、競争をしよう、とかそんなんじゃない。
ただただ、暇だったとき。シフトに入っているとき以外も、島ですることなんてないから、店にいた。店にいても暇だから、プールに入って遊ぼう、と。


そのころ、呼吸方法なんて知らなかったし、息ごらえ、あるいはフリーダイビングなんかに関しても、何の知識も持ち合わせてなかった。

でも、2,3回は友達と二人でプールの底に沈んだだろうか。
私のそのころの記録は3分50秒ほど。
なんの知識もなしに遊んだにしてはそこそこの記録なんじゃないかと思う。だけど、一緒に遊んでいた友達は私の記録を1分ほど上回っていた。
どうしても彼には勝てなかった。


さらに数年前。
前述の同じプールで、今度はひとりで遊ぶ。
このとき、自分の最長記録がでてる。
正直言って、これは苦しかった。


さて、今年、何を思い立ってか、またそんなことをしてみたくなった。

まぁ、メディテーションのような効果があるので、ちょっとわさわさした気持ちを落ち着かせよう、というのが目的だった。
だけど、今回は以前のようにプールがない。

と、いうことで、ビーチに出かけることに。
海水だということ、波があるということ、ビーチに他の人もいるということ、など、環境はプールと比べて決してよろしくはない。
だけど、他に場所がないんだから仕方ない。



最初に出かけたときにはひとり。
本当はこういうことをするのに、一人というのはよくない。
万が一何かあったときにはひとりでは当然対処が遅れる。

久しぶりの1回目。それほど無茶をするつもりはなかったので、店のスタッフに「1時間たっても戻ってこなかったらビーチに見に来て。」と、言い置いて出かけた。

久しぶりの息ごらえは、もちろん最初から飛ばし過ぎないように慎重に。
最初に1分半、次に2分、もう一度2分、そして2分半、2分半、3分。

1本1本の間に、しっかりと休憩を入れるので、これだけですでに1時間くらいは経ってしまう。

休憩を短くして飛ばしすぎると、手足がしびれたりする。
もちろん酸素不足・・・だと思う。



次に出かけたときには、店でブラブラと暇そうにしていたPikeyを連れて行く。
「どうせ何もしてないんでしょ。しかも、こんなことしたことないでしょ。面白いからおいで。」と。

面白いかどうか、半信半疑だったようだけど、思っていたよりも気持ちのいい遊びだったらしく、Pikeyは満足した様子。
しかも、自分で思っていた以上に息が続いたみたい。

この日私は3分半を数本繰り返した。
このあたりまで来ると、最後のほうは少し苦しくなってくる。はは、当たり前か~。


すると翌々日あたり、ダイビングに出かけたボートの上で、Mattが
「ねぇ、時間があるときでいいから、僕にフリーダイビングを教えてくれないかな。」

なに??
この前私がひとりで出かけて、帰ってきた後に「どうして酸欠状態を自ら作り出す、なんていうばかばかしいことをしてるんだ。」なんて憎まれ口をたたいてたくせに・・・。

いや。それより、Matt。
勘違いするんじゃない。
私は息ごらえをして遊んでるだけで、フリーダイビングの方法なんて何も知らないよ。
知っているとしたら、あなたもすでに知ってることくらいだ。

まぁ、彼曰く、それでもいい、というから、翌日一緒にビーチに出かけた。

PikeyよりもMattのほうがリラックスした性格なのか、負けず嫌いのせいか、Mattは最初の日から2分45秒も息をこらえてた。あ、もちろん徐々に伸ばして、だけど。


Mattとは、ダイビングに出かけるボートで、他の人がダイビングをしている間にフリーダイビングの練習にも行きたかったんだけど、こんな風に目的があるときには必ずうまくいかないもの。
調度そのころから、二人とも忙しくなって、結局できたのは昼休み中に6~7mくらいに降りたくらいだった。

それでも、息ごらえをすでにした後だったせいか、Mattも自信をもってゆっくりとダイブしてた。


浅くても、リーフの周りを、器材なしでゆっくりと泳ぎ回るのはとても気持ちがいい。
一瞬だけど、いつまでもそこにいられるような錯覚に陥る。
もちろんしばらくすれば水面に上がらなくちゃいけないんだけど・・・。ついつい息の続くギリギリまで水中にいて、慌てて水面に出る、ということになる。



シフトとダイビングの間を縫って、自分だけでも数回ビーチに出かけてみた。
だいたい、Wolleが島を出てしまってから、ひとりですることがない。
同じころには徐々に友達が島を出てしまっているし。

でも、毎回、3分45秒くらいでやめてしまう。
それ以上になると、苦しいのは必須だし、苦しいのは、やっぱり好きじゃないし・・・。

なぜ4分じゃないのか、自分でもわからないけど。
余裕を持って3分45秒いければいいじゃん、なんて思って、それ以上試みなかった。




実は、この息ごらえ。
最初の2分間、なんとも言えず気持ちがいい。
な~んにも考えず、呼吸もせず、ただ水の中にいる。
苦しくなんて、ちっともない。

こんな気持ちいいことが他にあるだろうか、っていうほど。

これを他の人に話してもなかなか信じてもらえないんだけど、本当の話だ。

目を閉じて、その場所で一番楽な姿勢で水に沈む。
ビーチでは、サージ(行ったりきたりする水の動き)があることが多いから、なんとなく波に転がされてしまって集中できないことが多いけど・・・。
それでも水面を見上げながらゆらゆらするのは、ご~く~ら~く~。

ただ、最近はカバナの限定水域ダイブに使われるビーチに中国人のおばちゃんが大量に水に浸かっていたりして、ひとりで息ごらえなんかしてると、わらわらと回りに寄ってきて、邪魔をしてくれるけど。


本当はもう少し本格的にコースなんかをとってもいいなぁ、なんて思うんだけど、いかんせん腰の重い質なので、これ以上は一向に進まない。
まぁ、いつか。


でも、私にとってはこの「2分間を楽しむ」遊びでも十分かもしれない。

 

2013/05/19

小説「永遠の0(ゼロ)」 百田尚樹

久しぶりに、ずん、と読み応えのある本に会った。

お客さんがおいていってくれたもの。

作家名は聞いたことがなかった。
私 「ももだ・・・?」
お客さん 「いや、『ひゃくだ』って読むみたい・・・。Yaskoさん、本読む人?この本かなり読み応えあるよ。読む時間あるなら置いてく。」

と、いうことで、是非是非おいていって頂いた。



ピピ島にいる間、本が自由に読める時間はそれほどあるわけじゃない。
特に自分の時間を自分で管理していた今シーズン。ひねり出さないと、そんな時間はない。
それでも、この本を読み始めてから数日間、10分でもバンガローで時間が作れれば、ページを繰った。



タイトルの「0(ゼロ)」。
これだけ見ただけじゃ何なのかわからない。正直言って、これはタイトルで損をしているんじゃないかと思う。
この「0(ゼロ)」。
戦闘機のZero Fighterのゼロ。俗称「ゼロ戦」のゼロ。

私は、戦闘機や飛行機に特別に興味があるわけじゃない。
強いて言えば、飛行機や戦闘機のレック(水中に沈んでる船や飛行機など)にはちょっと興味がある、という程度。・・・・・要は飛行機自体に興味があるんじゃなくて、ダイビングの対象として興味があるだけ、というか・・・。

ざっと内容を言うならば、孫たちが、会ったことないおじいちゃんの戦争体験を探っていく、って言えるかな。
でも、この本に関しては、戦争体験なんていう簡単な言葉を使っていいのかな、っていう気がする。あまりにも壮絶で、息を呑むような場面もしばしば。そして何かがこみ上げてくるページも多々。


こんなに生と死を考えたのは久しぶり。
うちのおばあちゃんが生きてるうちに、私も戦争のころの話を聞いてみようかな、なんて気をちょっと起こしてしまった。


この百田さん、この作品が処女作らしい。
これだけこの作品が面白かったら、ほかのもきっと面白いに違いない。・・・ということで、日本にいる間に、ほかの作品も探してみます。
 

2013/05/17

ジンクス

自分だけが持っているジンクス、ってあるんじゃないかと思う。
さらに「ジンクス」というからには、いいものも悪いものもある。
そして、私があんまり好きじゃないジンクスも。

今年、久しぶりにピピ島に5月までいた。
5月といえば、もう、シーズンの切り替わり。
3月の中旬くらいから少しずつ、インストラクターたちが島を出て行く。
次の仕事に移動していったり、残りの半年を過ごす地域へ移動していったり、あるいは国に戻ったり。

毎日とは言わないけれど、頻繁に誰かの送別会があり、気がつかないうちに仲間が減っていく。

今年は2月のBobbieとGaryを皮切りにひとり、あるいはカップルで二人ずつ。
次はSophieとJamie。
そしてKaty、Nick、そしてムードメーカーだったMicael。
4月のソンクランが終わって、今シーズン一番頼りにしていたTom、そしてかわいがっていたPikeyとMatt。
さらに絶対に島を出ることはないと思っていたAndy、と一緒にJohanna。
もうこれで、ハイシーズンの店のスタッフはPhilと私、Stephくらいしか残ってない・・・。



さて、冒頭にもタイトルにもジンクスという言葉を使っておきながら、スタッフが島を出て行く話になったということは、もちろん、私が持つジンクスのひとつに「別れ」が関係する。

私の別れ際のジンクス。

「涙が出てしまったらもう2度と会えない」

だ。
mmmm・・・・、嫌なジンクス。



このジンクス、かれこれ10年近く持ち続けてる。
これに気がついてから・・・というか、気にし始めてから実際に涙が出てしまったのは数人。そして、その数人には、それから会ってない・・・だからジンクスなんだろうけど・・・。

この「涙」。
私の涙だけじゃない。
相手も含まれるからなお悪い。
相手の涙なんて、コントロールできない。



そして、今年。
泣きそうになってしまったのだ、困ったことに。

いや、実際に涙が出たわけじゃない。
だから、このジンクスには引っかからないのかもしれない。
でも、それだけでも、もう、気になって仕方ない。
もう彼らには会えないんじゃないか、って、思うと、すごく悲しい。



この仕事、あるいは、学生のころからの放浪を始めてすでに20年近く。
ことあるごとに人と別れてきた。

もちろん、別れた、ということはそれと同じだけ出会っているわけで、こんなにうれしい話はないのだけれど、最後にその人と会ったのは「別れ際」だから、どうしても出会った瞬間よりも別れのほうが記憶に残っていることが多い。


最初の数年、あるいは10年くらいは、この別れ際が悲しくて、寂しくて、仕方がなかった。

自分が去る立場なら、まだいい。
置いていかれる立場になると、もう、悲しくて仕方がない。

それが、だんだん、上手に別れることができるようになって・・・あるいは別れに対して鈍感になって・・・気付いたらこんな、うれしくもなんともないジンクスまで持って・・・。



このシーズンに泣きそうになってしまったのは、MicaelとXanath。

島を出る直前に彼と店の間で少々揉め事があり、おそらく・・・いや、絶対に彼は来シーズン戻ってくることはないだろう。
それは彼が口に出さなくても、みんなががっかりしていたことのひとつ。


彼の送別会。
翌日のダイビングを押して、出かけた。
先に帰るといって立ち上がった私を抱きしめてMicaelが言った。
「今度ピピに戻ってくるときには、君に会うためだけに戻ってくるよ。」

この瞬間、なんだか彼らがいなくなることが、すごく悲しくなってしまった。
そして、涙が、出るか、出ないか・・・出そうか、そうでないか・・・・って。



自分のジンクスを知ってるから、最近ではできるだけさらっと別れるようにしていたのに。
Micaelが変なこというから。
普段ジョークしか言わないくせに。


これは、私にとって大失敗。
まさかのMicaelだ。


このことがあってから、このジンクスのことをちょこちょこ気にして考えた。
「ジンクス」って、決め付けるからいけないんだ。
とか。
「実際には自分が死んじゃうまでわかんないじゃないか。」
って、考えてみたり。


で、結論。
Mica・・・私はこう呼んでた・・・に電話してみた。
で、どこにいるの?これからの予定は?
って、聞き出して、今度の9月10月あたり、バリにいるからおいでよ。
なんてことになった。


そうだ、そうだ。
このジンクス、故意的に破ってしまえばいいんだ。

今度もし私が時間が取れてバリに行けて、MicaとXanathに会うことができたら、もしかしたらこのジンクスに勝てるかも。

そんな風に今考えてる。
9月、10月、ピピに移動する前にバリに寄っていこうかな。もう何年もバリに行ってないから、Marioの子供が二人も生まれたっていうのに、まだ顔も見てないし。


ジンクスを破るのと同時に、久しぶりに友達に会うものいいなじゃない。

2013/05/16

日本、久しぶり~

11日にピピ島を出、12日深夜に日本は羽田に到着。
そして、弟宅、祖母アンドおじ家族宅を経、15日今晩やっと実家にたどり着きました。

ピピ島と私の実家はずいぶんと遠いのね、まる5日かかりました。

さて、いつもと変わらないような、それでいてちょっと変わったような、いつもの感触をちょっとだけ味わい、今晩は早めにベッドへ。

今回は1ヶ月、あるいは1ヵ月半ほど日本にいる予定。
その間には会いたい人、会わなくちゃいけない人、したいこと、しなくちゃいけないことが山積み。

だがしかし、今のところ何の予定もなし。
明日から、がんがん予定を入れていきましょう。

時間がある方連絡くださーい!