2012/12/07

ドイツ語でコースを教える

ピピ島に戻って、しばらく。
数日後には日本人のお客さんの予約が入ってるなぁ、なんて思っていたら 店のスタッフがドイツ語でオープンウォーターコース(ダイビングの最初のライセンスが取得できるコース)を予約してしまった。


英語しゃべれるけど、ドイツ語でとりたいんだって、・・・・だって。
「だって」じゃないよ、何を薦めたの、一体?

コースの始まる朝、生徒さんと初めて会う。
明らかに緊張している様子、しかも私が挨拶すると不振そうな顔・・・。

そうだよね、そうだよね。
わかるよその気持ち。
ただでさえ初めてのことで不安なのに、出てきたインストラクターがアジア人で自分よりもふた回りくらい小さいときてる。しかも、ドイツ語のコースを申し込んだはずなのに、そのインストラクターのドイツ語はなんとなくおぼつかない。
そりゃ、不安になるよね。

今でこそ、英語でのコースはこんなことはなくなったけど、英語で教え始めた最初のころにも、やっぱりこんなことはよくあった。
言語に対する自信のなさが、表に出てるんだろうか・・・?


そんな風に始まったコース。
初日の教室での学科。
2章の後半になってやっとAndreの笑顔が見られた。
どうやら、ドイツ語は心もとないけど、ダイビングの知識に関しては大丈夫そうだ、と踏んだんだろう。

午後に浅瀬でスキルの練習をしてからは、冗談も出るようになって来た。
そうそう、私たちにとって、水に沈めてしまうのが一番手っ取り早く信頼を得る方法。
水中では私が差し出す手を真剣に握っていなければ、安定もしていられないし、安心もできないんだから。

最初は気が重いけど、実はこういう生徒はかわいくて仕方ない。

3日間のコースが終わるころには、Andreはしゃべりっぱなし。
ちょっと待った、ちょっと待った。
私そんなに弾丸のようにジョークを飛ばされても、早すぎて理解できないよー。


コース終了してから2日目。コース中も一緒に潜っていた友達と「明日ダイビングに行きたい」と店に来た。
でも私は日本人のお客さんは行ってるから、私が一緒かどうかわかんないけど、いい?
って、聞くと、
「えっ??ほかの人?」
このとき彼は、噴出してしまったほど困った顔をした。
私以外の人と行くことを想定していなかったらしい。

結局マネージャーと話をして、一緒にいけることになったときの笑顔も噴出してしまったけど。


なんとなく、こそこそとドイツ語を話せるようになっているとはいえ、やっぱりコースの学科を教えるのはなかなかハードなものがある。
大体、ドイツ語って、レギュレーター(水中で呼吸に使うホース類)ひとつとっても、英語とは違う言葉があるし、しかも長い。
そういうドイツ語の単語を全部わかってるわけじゃないから、自然説明も時間がかかる。

それでもなんとかやっているのは、教える内容はどの言語でも一緒だから。
そして、「教える」ということは生徒さんが「理解しようとして聞いてくれる」から。

生徒さんにはホントにありがたや~、だ。

もう少しドイツ語上手になって、ダイビング用語も覚えて、生徒さんも私も共にストレスの少ないコースができるようになったらいいな、と思う。
いつになることやら・・・。

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