2008/09/06

方言

うちの実家のあたりの方言は三河弁。
でも、私は母が埼玉の出身なので、小さなころからそれほど上手に三河弁を話すことができない。
保育園から高校までの間、学校ではそれっぽい三河弁を話していたのだと思うけど、なかなか『本物』とはいえない。

先日フリーマーケットに出店してるとき。
数軒先のブースから大きな声が聞こえた。
「おぃ!!まんくわらんかぁ!!!」

「まんくわらんか」???なんのこと?

おばちゃんはほかの出店者に聞いているみたい。

「あぁ、まん??くわらんわぁ!!」
「わしもくわらぁーん。」

あぁ、お饅頭食べないかって聞いてたんだ。いつも出店している人同士だから仲がいいんだ。
返答を聞いてやっと何が言いたかったのか理解。

すると、他からおばちゃんに声がかかった。
「ある、ある!!ほれぇ!」
まんくわらんかのおばちゃんはその声のほうに行き、1万円札を出す。
?????????
すると、あるあるって答えたおばちゃんは、1000円札を10枚。

「まんくわらんか」は「お饅頭を食べるか」じゃなくて、「1万円札が崩れるか」だった。
「万、変わらんか」だ。

そういわれれば確かに、この辺では「か」という音を「くゎ」に近い発音をする語がある。

でも絶対に私には「まんくわらんか」は「お饅頭食べるか」としか理解できなかった。
三河人なのに。やっぱり私は偽者?

しかも、このフリーマーケットの常連出店者たちは勢いもいいので、方言で怒鳴られると迫力がある。
よく聞いてるとかなりきつめのことを言っているようにも聞こえる。
でも会話しているんであって、けんかしてるわけじゃない。

「ちょっとぉ。誰かほうきもっとらんかぁ。」と、まんくわらんかのおばちゃん。
「ほんなもんないわぁ。」「なんでほんなもんがいるだあぁ?」と他の人たち。
「○○さんがガラス割ったもんで、危ないでかんだぁ。子供もおるしぃ。」
と、○○さんは
「そんな、、、名指しで言わんでも、、、」
○○さんはいつも困った顔をして、愚痴ばっかり言ってるおじさん。このおじさんはあんまり三河弁じゃない。
すると他から。「もっとるよぅ。」
あ、このおばちゃんはこの前1000円札10枚持ってたおばちゃんだ。何でも持ってる。
ほうきを借りた○○さんがガラスを、これまた面白いことに、すごく適当に掃いた。
すると、また、まんくわらんかのおばちゃん。
「なんだぁ、そのはきかたはぁ。ガラスどこにやるだん、あんたはぁ。」

こんな調子の怒鳴りあいが頻繁に聞こえる。
でも、声が大きいだけで本当は怒鳴ってるわけじゃないのかもしれない。

そして、傍で聞いていると結構楽しい。よく聞こえるし。


こう書きながら、方言を字にするとうまくニュアンスが伝わらないことに気づく。
今書いた「ほんなん」っていうのも実際には「ほ」は「そ」と「ほ」の間の微妙な発音だし、「ん」だってかけるんだったら小さい「ん」にしたい。
アクセントも書けないし。

ときどき、上手な三河弁が話せたらいいな、と思う。
上手な、というとおかしく聞こえるかもしれない。
やわらかい方言というか、するすると聞こえる方言というか。。。
怒鳴らない程度に。。。

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