2009/11/22

ラオスの人

私は実はラオスに入国するのは初めて。
10年位前にベトナムから入ろうとしたところ、入国直前に原因不明の発熱をし、そのまま2週間熱が続いたので日本に戻ったことがある。結局ラオスには入らずじまいだった。

ことここ数年。その頃とても良い雰囲気だったベトナムも個人旅行が可能になってから長いこと経つためか、以前より人々がお金に固執するようになってきたと聞く。
でも今なおラオスの人々はばっくぱっかーに人気だ。
ラオスからタイに入ってきた旅行者に「ラオスどうだった?」なんて聞くと、「人がよかった」ってよく聞く。
漠然としているけど、それってすごくよくわかる。
知らない国を旅行していて何もしてないのに居心地がいいって言うのはそこに住む人のおかげだ。

日中ビエンチャン。
することもなく、通りを歩いてみた。
暑いな~、銀行ないかな~、なんて思いながらトロトロ歩いてる私の前を、雨傘を日傘の代わりにしたお姉さんがこれまたトロトロ歩いてる。
そういえばさっきからこのお姉さん私の前を歩いていて、まるで私はお姉さんの後をつけてるみたいだ。しかも私の歩調のほうがきも~ち速いのかだんだん距離が縮まってる。
と、お姉さん。私の2メートルくらい前で立ち止まった。そしてゆっくりと、後ろから着た私にかさを掲げる。
きっと私のサンダルの足音が聞こえてたんだろう。私をきちんと確認もせず、かさを差し出した彼女に和達しは少し驚いた。「ありがとう」「どこに行くの?」「銀行」「私も。」って、すぐそこを指差す。あ、銀行ここね。
陽射しのせいだろうか。
私は一緒に傘に入りながら銀行へ向かった。
途中で「暑いね」なんていってみたけれど、彼女はそれほど英語を話すわけでもないらしく、「?」って顔をして微笑んでる。

もちろん一緒だったのは入り口まで。「ありがとう。」といったきり。
でも結局私は必要な用は足せずすぐに銀行を出た。そのときまたお姉さんと目が合ったので、また「ありがとう」。
あ、正面から見るとすごくきれいな人だったんだ、なんて思いながらまた外の陽射しの中へ戻る。

後ろから歩いてくるだけの人を自分の傘に入れる、なんてことを私はするだろうか?
しないよな~。どんなに機嫌のいいときでも。
でも、なんだかそんなちょっとしたことで私はすごく気分がよくなった。
簡単だな~、私の気分って。

その後少し通りをうろついて気がついた。最近タイではもう見かけない風景が通りのあちこちにある。
日陰で涼んでいるのか、座っているだけのおじさん。歩道に台を持ち出してゲームに興ずるおばちゃんたち。日にどれだけ売れるのかと思うような品物を入れたかごを置いて商いしてるおばちゃんに集まるおばちゃんたち。

あぁ、そういえば私がバックひとつでこの辺りの国をうろつき始めた頃こういうのをよく見た。
もう「昔」っていえるんだろうか、こういうのって。
今ラオスにウロウロしてるバックパッカーたち歯これをいいって言ってるんだろうな。
特に素敵なビーチがあるわけでも、名所があるわけでもないラオス。でも、ラオスの人々はどこにでもいる。

次の10年後、この人々は変わっているんだろうか。なんとなくあんまり変わんないで欲しい気もする。難しいことだと思うけど。

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