2010/09/19

大阪行き

大阪に行ってきた。
私は東京都大阪を比べると、東京に出掛けることのほうが圧倒的に多いんだけど、今回は最近大阪に住んでいると判明した友達に会いに。なぜか最初の夜出掛けたのはゲイバー。かつて仕事の仲間だったというけど・・・?
でもすごく楽しいところだった。 翌日、二日酔いと寝不足でふらふらしながら出掛けたのは、海遊館。
二人ともダイバーなんだから、やっぱりここは抑えとかなくちゃいけない。
アザラシやアシカ、ペンギンなんかの水槽もあって、さすがは有名な水族館なだけある。


この写真の中央に写っているのは赤ちゃんのペンギン。体の大きさはほかのペンギンとそれほど変わらないのに、よく見ると頭にほよほよした毛が残ってる。どれくらい赤ちゃんなのかわからないけど、どうやら自分が生まれた巣からほとんど動かない様子。そんなことに気がつくと、なんだかすごくかわいく見える。
えさの時間。
係りのお兄さんとお姉さんはペンギン1頭1頭のくちばしに魚を押し込むようにえさをあげてる。生きたえさじゃないから飲み込みにくいのかしら・・・?

建物の中央かと思われる大きな水槽に、かの有名なジンベエ。
このジンベエ。よく見ると口の回りにいくつも大きなこぶが・・・。そしてもっとよく見ると、ほかのさめや、マンタなんかも体にいくつもこぶができてる。それを取り除いたのではないかと思われるような跡も・・・。
これって、何かの病気なんじゃないかな。ダイバー二人で話をした結果、これはストレスから来るおできなんじゃないか、と。
だって、海でそんなにこぶができてる生物見ないもん。しかも水に問題があるとしたら、水族館で水の管理をするはずだし。
したの写真の右にちらりと写っているのは、普段比較的深い海に群れて住むハンマーヘッドシャーク・・・シュモクザメ。
でも、この水槽は深さ9メートル。
ぼんやりして最初は気がつかなかったけど、この水槽の中にジンベエ2匹いる。
ダーダン、ダーダン、ダーダーダーダーダーダーダーーーン。こっちに向かってきてるのはタイガーシャーク。うぉぉ~、海の中でみたい~~。ちょっと怖いけど。
これが近くを通るタイガーシャーク。

このマンタにくっついてる魚。どう見てもコバンザメじゃないんだけど、いったい何?水槽の紹介にも出てない。それとも、コバンザメが異常に太ってしまって体色変化したもの・・・?いやいや、ちがうよ、きっと。

外から見ている私たちって、水槽の中からはどんな風に見えるんだろう。ちなみにこれは私じゃありません。

これもハンマーヘッドシャーク。普段群れているのに、この水槽の中で同じ種類の仲間がいないって、寂しいだろうなぁ、なんて水族館に来ておいて勝手なことを思う。



水槽を洗うダイバー。この水槽は水温が低く、ドライスーツを着てる。

このさめだって、私は海で見たいぞ!オビゴーンシャーク。

このかに。お互いにぶつかって1匹がしりもちをついた瞬間を見て大笑い。バランス崩れるよね、たまには。
ナポレオン。疲れちゃったのかな、壁に寄りかかってる。ナポレオンって、寝てるところ見たことないからわからないけど、こんな風に休むの?
マーブルレイが水槽のガラスを這ってきた。体の下にある口がかわいい。
なんとマンボウまでいる! でも鼻先に傷があるのは、ガラスにぶつかりすぎたせい?
さて、ほかの水槽。
くらげが小さめな水槽に展示してある。近づきたいとは思わないけど、くらげってすごくエレガントで、私は大好き。でも、生きてるまま魚に食べられちゃうんだよね。毒をもってるくらげも同じかな。

なんと。サメやエイを触れる展示コーナー。
「サメたちのために、手を洗ってから触ってね」なんて書いてあるけど、手を洗ったって触る気にはなれない。こんな水槽に入れられて、何者かわからないものが突然水中に侵入してきて、自分の体を触られる彼らに身になったら、とてもじゃないけどそんなことできない。
海遊館。
私はきっと小学生のころと同じくらい魚を見るのが好きだから、水族館は好きなんだと思う。でも毎回毎回水族館を訪れるたび、ほんのちょっぴりの自責の念に駆られる。同じように魚を見ているのに、海から上がった後の気持ちよさはなくて、自分が犯罪にでも加担したかのような気持ちになる。

ずっと前に、仕事をしてるとき、日本人じゃないお客さんに海遊館に行ったことがあるか、と聞かれた。
彼らは行ったことがあったそうだ。
そして、私が日本人だというだけの理由で、この海遊館のことを私にものすごい勢いで責めた。「どうして、あんなに大きな生物をあんなに小さな水槽にいれておくのか。」と。
私が日本人だという理由でクジラだのイルカだの、一般の人が思っている以上に頻繁に攻撃をされる。もちろんそれは私が海で働いている人間だからなんだけど、その攻撃たるや驚くほどの勢いがある。
たいていそういう人たちは、私が思うに知識不足なんだけど、彼らがそう信じている以上それを覆すのはなかなかに難しい。信じて、しかも怒っている人というのは人に耳を貸さないものなんだろうと思う。
だけど。
今回ばかりは彼らの意見に賛成。
水深9メートル、大きさ・・・おそらく一番長いところで30メートル強の水槽にジンベエ2匹、マンタ2枚、ハンマーヘッド2頭、タイガーシャーク1頭、ナポレオン2匹、ブラックティップ、ホワイトティップシャーク数え切れないほど、マンボウ、マーブルレイ数枚、スティングレイ5,6枚、ギターシャーク数匹、ロウニンアジたくさん、レオパードシャーク数匹・・・その他、ありとあらゆる「ちょっと珍しいもの」がごまんと詰め込まれている。
どの種類も一般に海で見る大きさよりも小さめ。彼らが一般的なサイズに成長したら、この水槽はどうなってしまうんだろう。あるいは、彼らも生き残るために、そんな大きさまで成長しないのかもしれない。

もしかしたら、私たちダイバーは彼らがどれくらい広い海で、どれほど美しく泳ぐことができるのか知っているからそんなことを思ってしまうのかもしれない。
想像してほしい。
映画で誰でも一度は見たことがあるんじゃないかと思う、牢獄につながれている人間を。しかも長期間にわたって、この先どうなるのかわからない状態で。
彼らが人間の姿として美しいと感じる人はまれなのではないかと思う。もちろん人間は希望を捨てない限りは目が美しかったり、その人独特の美しさを保つことはできるかもしれない。でも、壁や柵のない大地を踏んでいる人間の姿と比べたら、やはり美しさは劣るんじゃないかと思う。
この水槽の魚たちは、そんな状態なんじゃないかと思う。そして、彼らには申し訳ないけれど、ちっとも美しくなかった。

な~んて、ちょっとえらそうなことを書いてしまった。

海遊館の隣にある観覧車。
のんびりと、いつの間にか4時間くらい水族館で過ごしてしまったせいで、外はもう暗い。その代わりに観覧車からは輝く大阪を見ることができた。

そして、なぜかまた夜に出掛けたのはゲイバー。
みんなノリノリになってくると、場違いな私はまったく見向きもされなくなる。

そんなこんなの大阪でした。
訪ねた友達も大阪弁を話すわけでもなく、夜はゲイバーで日本語と英語のちゃんぽん。食べ物以外、まったく大阪を感じない大阪行きでした。

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