2011/12/05

オープンウォーターコース

このシーズン、ビデオを持って水中にいるよりも、ダイバーを連れていることが多い。

先月末から、突然リバボート(クルーズ船)のトリップに駆り出され、5日間ボートにいた。ビデオグラファーとしてではなく、ボートリーダーとして。だから水中ではファンダイバーのガイド。
船から下りたと思ったら、店のスタッフの誰かがドイツ語でのオープンウォーターをブッキングしていて、翌日からコーススタート。
その3日が終わったと思ったら、店のオーナーの息子が「Yaskoとコースを取りたい」といいだしてまたスタート。彼は週末しか島にいないので、コースは途中まで。また来週続ける。

この立て続けの3つ。
普段とはかなり違う。
大体、私がリバボートに乗ること自体珍しい。オーナーのOiがキッチンスタッフとして乗ることになったので、Oiが店からのスタッフをリクエストしたらしい。彼女の料理はレストランを開くほどおいしいから、オーナーなのに時々ボートに乗っている。
このトリップのお客さんたち、パリから来た男の子7人組。みんなテレビ、映像関係の仕事をしていて、念のため持っていった私のビデオはお呼びでなかった。
7人のうち2組はカップル・・・。どたばたと予期せぬ出来事も起こりながらも、それなりに楽しいトリップだった。

その後のドイツ語のコース。
今までドイツ語でコースを全部したことはない。体験ダイビングを1回。オープンウォーターコースの学科の前半と限定水域のみを1回。
もちろん水中では言葉が通じないから何語でもいいんだけど、学科はもちろん言葉が必要だ。私のたどたどしいドイツ語を生徒さんは一生懸命聞いてくれた。
生徒さんは、いくらそれがつたなくても、自分の言語で説明してくれる以上、インストラクターの言うことを一生懸命聞いてくれる。言葉のつたなさが申し訳ないと同時に、とてもありがたい。
私自身は話すのに一生懸命だから感じなかったけど、どうも、他の人から見て、彼女はすごく変わった人だったらしい。確かに一人でしゃべって一人で笑ってることとかあったけど・・・。もしかしたら、だからこんな私のドイツ語でもよかったのかな、なんても思う。最終的に彼女は超ハッピーでコースを終えた。

さて、オーナーの息子、Dino。
11歳。甘えん坊でシャイ。ただ、私にとっては小さいころから知っているチビスケなので、とてもかわいい。ちょっと前まですぐ泣いて、私しか近くにいないときには私にでも抱っこしてもらいにきてた。
オープンウォーターのコースを取れるのは10歳から。去年からみんなに押されていたんだけど、テキストを読みたくないために伸ばし伸ばしになっていた。
ただ、実際にはPADIの規定では、文盲の人のために、口頭で学科を勧めることが許可されている。インストラクターが面倒くさがりさえしなければ、口頭で授業ができる。
確かに11歳の坊主には内容も使われる言葉も難しい。
DVDを見る以外、結局は全部口頭で進めた。

ちなみに彼はインターナショナルスクールに通っているので、こと読み書きに関してはタイ語よりも英語のほうが得意である。
私が「英語とタイ語とどっちでコースとる?」って聞いたら、「英語でしょ。だってタイ語じゃYasko、わかんないじゃん。」だって・・・。ふん、生意気な・・・。でも確かに・・・。

集中力も体力も11歳。大人のコースとはまったく違うと思わないといけない。
「密度って何?」「浮力って何?」「気管って何?」
彼にとっては新しいことばかり。ただ、さすが生まれたときからダイビングを身近にしていただけあって、器材のことや、大事なルールはよく知ってる。
学科中はゾンビになりかけていた彼は、水に入るとなったとたん元気になり、まったく体に合ってないマスクや器材もなんのその。大事なポイントだけうまくつかんで、面白いほど彼流のスキルを見せてくれた。
マスクが大きすぎて常に水が入ってくる状態。それってすごくストレスで、そのストレスをコントロールしながら初めてのスキルをするのは大人でも大変なこと。「マスクが・・・、マスクが・・・」なんていいながらも、全スキルを大人と同じくらいの短時間で済ませた。

普段は照れてあんまりよってこないくせに、コースが始まってからの週末は、私の尻尾になってしまったかのようにくっついて歩いてた。こういうところはジュニア・ダイバーはすごくかわいい。

今シーズン。実はたくさん映像を撮ろうと思っていたんだけど、どうもそうもいかなさそう。でも、カメラの代わりにダイバーを連れているということは、仕事をする時間が短くてすむ。それはそれで、いいかな。
映像を撮っていると一人だけど、誰かと一緒にダイビングするのはすごく楽しいから。

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