2013/09/09

海外でおいしいトンコツラーメンが食べた~い! その1 ~とんこつスープ~

ドイツのこの町に、もう一人日本人の女性が住んでる。
彼女は私のように季節居住者ではなく、ちゃ~んと仕事もしてる。

さて、この彼女、九州の出身。
ある日食べ物の話をしていて、「あ~、トンコツラーメン食べたいな~」なんていう言葉が出てきた。

とんこつか~、なんて想像したけど・・・あれ、私時々トリガラスープ作ってるじゃん。もしかしたら、豚骨さえ手に入ればトンコツスープできるんじゃない?

これが始まり。


そして、なんと私たちには最近大手のお肉屋さんの裏方で仕事をしているHeiniがついている。
早速Heiniにお願いする。
「ねぇねぇ、豚の骨って手に入る?日本食のスープを作りたいの」
こと「日本食」というところを強調する。・・・・じゃないと、肉ではなくてなぜ骨・・・?っていうことになるんじゃない?

気のいいHeiniは「いいよ~」と。
だけどやっぱり一言。「骨だけ?肉はついてなくていいの?」
いいの、いいの。


ただ「スープ」という一点に気が向いていた私は、「ラーメンのスープ」だということをすっかり失念していた。
日本であれだけ「こだわりのスープ」なんていわれているのに、もらった豚骨だけでだしを作ってしまった。
いや、これだけで十分すでに豚骨ラーメンのようなにおいはする。だから、それだけで満足し、近所に住む日本人の彼女に電話した。
「スープで来たからラーメン食べる?」って。

冷蔵庫に入れておいたスープは、ぷるんぷるんのゼラチン状に固まっている。
hmhm・・・これはコラーゲンがたっぷりなのでは?


 お鍋に入れ、火にかける。

 
だけど、このスープホントに豚骨だけで作ってあるから味なんてしない。
駆けつけてくれた彼女がインターネットでほかに何を入れるのか調べてくれた。
 
干ししいたけ、昆布、野菜等々。
なに?そんな和だしもはいってるの?
これは、なかなか、手強いかも・・・なんて感じ始めたのは材料の量を聞いてから。
 
 
それでも、野菜類を入れ、豚骨で作ったスープで煮てみた。


出来上がったスープに塩を入れると、それなりにとんこつラーメンのスープの味がする。


 
今回、麺は日本から持ってきたインスタントラーメンの麺を使った。
 
ご近所の彼女。
これまた海外、同じドイツに住んでいる日本人の友達から、乾麺のパスタをラーメンの麺に変える方法を教わっていた。
インスタントラーメンの麺がなくなってしまったら、その後からはこの方法で麺を作ろうという話になってる。
 
わかめを乗せて、薬味とゴマも乗せて・・・。
出来上がり。


今日はスープの量がほんの少ししかなかったので、一人半人前ずつ。
 
 
さて、お味は?
一口すすってみる。
とんこつラーメンのぺたっとした感触が口に残る。
mmm・・・。もう一口。
 
なんだか、さっきスープだけ味見したときよりも、気持ち味が薄い気がする。
あるいは、何か・・・それが何かはわからないんだけど、何かが足りない。
そんなことを思いながら、一口、また一口と食べているうちに、半人前のラーメンはあっという間になくなってしまった。
 
まぁ、今回は初めてということで仕方ない。
材料の量も、スープの濃さも、まったく我流なんだから。
 
でも、これはこれで、自分たちで作ったと思えば、そう悪くもない。ただ、大幅に改良が必要なことは確か。
 
ということで、これから何度か試してみることになった。
私が今回ドイツにいるのは9月いっぱい。それまでに出来上がるだろうか。
 
 
「ここである材料を使ってとんこつラーメンを作りたい」
というのが私たちの目標。
日本では簡単に手に入る食材も、海外にいるとなかなか手に入らない。その材料でできるだけおいしいとんこつラーメンを作る。
 
当然日本のお店で食べるものよりも味が落ちるのは仕方ない。素人だし、材料が限られているし。
でも、当分これで楽しめそうな気もする。
 
当分Heiniにも「骨。骨」って、ねだることになる。
 
さて、次回はどれくらい改良できるでしょうか。
楽しみ、楽しみ。
 



 

2013/09/04

おかしの除湿剤

先月、いとこがここドイツに遊びに来たときに、Wolleの両親へのお土産にあられ、おせんべの詰め合わせを持ってきてくれた。

彼がWolleのママに渡したときには、「まぁ、ありがとう。時間のあるとき一緒に食べましょうね」なんていう話だった。
でも、実際に彼が滞在したのは2週間。
あれやこれや、どこやそこや、したり行ったりしているうちに、2週間はあっという間に過ぎ、一緒におせんべをつまむ時間はなかった。

が、最近になって。
Wolleの両親のキッチンへなんだったか足りないものをもらいに行ったとき。
Wolleのママは口の中で何かをコロコロしながら話をしてる。
キャンディ??
まぁ、どうでもいいことだから、そのまま話をしていた。

ところが・・・・。
話が終わったころに、あられのにおいが・・・。
あぁ。なるほど。Wolleのママは口に硬めのあられを入れていたんだ。

おそらく、ヨーロッパでいうクッキーみたいなものだよ、と、あえて言わなかったせいかもしれないが、最初からかりかり噛み砕かないで、ちょっとの間、おしょうゆ味を口の中で味わっていたようだ。
しかも、あられの中でも、いわゆる「げんこつ」といわれるような固めのものも入っていただろうから、なおさらだと思う。


そして数日後。
「Yasko、Shuheiが持ってきてくれたお菓子、いいわね。」と。
おせんべ、あられが、それが辞令であれ、「いいわね」といってもらえるのはうれしいこと。

だけど、その後の会話がちょっとおもしろかった。
- Aber, was ist eine kleine Tüte im Sack? (でも、袋に入っていた小さな袋はなに?)
- ?? Eine kleine Tüte??  Wie?(??小さな袋?どんな?)
- Ja, Eine kleine... Was is das??  Wie so・・・.  Etwas Sußigkeit??(そう、ちっちゃな袋。こんな・・・《指で大きさを作りながら》 あれはなに?何かお菓子かしら??)

・・・・?
あられの中にお菓子の袋?
そんなわけないでしょ。

数回ああでもないこうでもない、とやり取りした挙句、やっと気がついた。

除湿剤だ。

ああ! そ~か~。
日本では一般に気候として湿度が高いから、とにかくなんにでもかんにでも除湿剤というものが入っている。特にしけってしまってはおいしくないお菓子類には必ず。
でも、ここドイツでは年間通してそれほど湿度というものがないから、除湿剤が何かに入っているということが、ほぼ皆無に近い。

そんなもの、見たことがないんだ。

- Du! Du kanst nicht es essen! (ねぇ! それ、食べちゃダメだよ!)
- Was ist das dann?? (じゃぁ、一体なんなの?)
- Das is ......mmmmm...wie kann ich erklaerlen?? Das ist eine Tüte die Feucht nehmen. Du kanst es nicht essen.
 (それ・・・mmmm・・・なんていうの?湿度をとるためのものだよ。食べられないから。)
- Also.... (ああ、そうなの)

なんとなく腑に落ちなさそうなWolleのママ。
顔はまさに「どうして食べられないものが入っているの?」と言わんばかり。

そうですよね。
お菓子としてもらったものに、食べられないものが入っているのはおかしい気もする。
でも!
これは普通なんです日本では。

気候というものは、文化や習慣に影響するということくらいわかってる。
だけど、それがお互いに理解不可能で、食べちゃいけないものが食べちゃいけないんだということが理解できない、とまではそれほど意識してない。

日本だったら「除湿剤は食べちゃダメ」って、3歳くらいのころにはわかってる。だけど、ここでは違うんです。
だって、そんなもの見たことないから。

きっと私も、ここで妙な質問をしてるはず。
これって、食べられるの??
これって? あれって?


除湿剤がお菓子の袋に入っていることなんて、私たちにとっては当たり前のことだから、実際にそれが目に入っていても意識してない。
これが「湿度が高い」という日本・・・あるいは、アジア・・・の風土から来るものだ、なんていちいち考えてみることなんてない。
でも、これって、まさに風土とか、文化とかいうものなんだろうなぁ。

あ、そういえば、もちろんクローゼットにも除湿剤は入ってません。
mmm・・・・そんなものがここで手に入るんだろうか・・・?




 

2013/09/03

ドライフラワーを作ってみる

先日の誕生日、花束をたくさんもらった。

もらったとき、
「うわ、これを崩すの、もったいない!」
って思った花束をドライフラワーにしてみることにした。

しかーし。
今までドライフラワーを作ろうとして成功したためしはない。
まぁ、バラの1本2本くらいなら、そのあたりに逆さにつるして、勝手に乾燥してくれたことはあるけど、今回は「花束」。

花束の中にはバラだけでなくガーベラなんかも入っている。
こりゃ乾きにくそうだから無理かなぁ、なんて思ったけど、とりあえずそこにいた誰かに聞いていると・・・もちろん女性・・・。
「髪に使うハードスプレーをかけておけばいいのよ」
と、いとも簡単に言う。

OK。
髪用のハードスプレーならWolleのママが使ってる。

早速借りに行って、花束にたっぷりかけてもらう。

花束といっても、たけの短いブーケになっているので無理やりに逆さにつるす必要はなさそう。ただ、二つのうち、一つは1本だけ長い花・・・ファンネルだと思われる・・・が入っているのでこちらだけつるした。



そのまま数日。

 なんと、こんなにきれいにドライフラワーができた。

この写真より時間がたったら、もう少し色がセピア色になってしまったけれど、十分飾れる。

ほかの花束に入っていたり、1本ずつもらったバラはまとめて吊るしておくだけでドライフラワーに。

ずいぶん簡単にできたもんだ。
昔ドライフラワーを作ろうとして、バラでさえうまくいくことが少なかったのに。

おそらく、ここの湿度が大いに関係しているんだと思う。
日本は年間通してここよりも圧倒的に湿度が高い。
ここでは、男性でも肌にクリームを塗る人がいるほど湿度が低い。自分で作った石鹸を保管していてもわかるし、Wolleのママがお菓子に入っている除湿剤を見て何かわからなかったように・・・。

ただ、花だから乾燥すれば落ちてくる花びらや葉もあるはずで、それを髪用のハードスプレーで固めた、ということなんだと思う。

なんとも簡単な・・・。
こんなに簡単なら、きれいな花束をもらうたびに作ってしまいそうだけど、そんなことをしていたら家中がドライフラワーだらけになってしまいそう。

何かにつけて、作ることが大好きな私・・・。
気をつけなければ。

 

この国ならではのプレゼント?

先日の誕生日に本当にびっくりするくらいのたくさんの人たちからプレゼントをもらった。

その中で面白いものをちょっと紹介してみたい。

残念ながら、もらったときの状態をその場で崩してしまったのでそのままの形の写真はない。
言葉で書くとすれば、自転車の前かごに、下の写真の札とともに40個の細かいものが入っていた。これはよく行くパブの仲間が集まって用意してくれたもの。


上の写真、
40 Dinge typisch Deutsch / Ostdeutsch
と、書いてある。意味は
「40個の典型的なドイツ・東ドイツのもの」
とでも言おうか。

私が外国人のせいか、ドイツ、特に旧東ドイツの日用品が入っていた。しかもその数40個。私の年齢と同じ数だけ集めてくれた。

この地域は元々旧東ドイツ。
1989年にベルリンの壁がなくなるまでは共産圏だった。
そのころの日用品はたいてい旧東ドイツ産。どこの国のものでも手に入る現在とはかなり違った日用品を使っていたようだ。
それをちょっと風刺したり、郷愁的に手に入れることもある。

40個全部を紹介するのはどうかと思うので、その中のいくつかを・・・。

まずは、お菓子軍。

今でもスーパーマーケットで見ることがあるものも多い。
上左の小さめのカップ状のものは、朝食にパンに縫って食べるペースト状のチョコレート味のもの。世界中でよく見るヌテラというのに似てる。でも、Wolleがこっそりあけて味見をしたら、小さなころに食べたのと違った味だった、らしい。残念そうにしていたWolleがちょっとおかしい。

写真中央上の大き目の筒。
これはいわゆる「ノンカフェイン・コーヒー」。ただ、これ、本物のコーヒーではない。Wolleいわく、子供用のコーヒーに似た味の粉末。これをミルクに混ぜるだけでコーヒーっぽい味の子供用飲み物になるらしい。
mmm・・・これはもしかしたらコーヒー好きの甥・のちちにいいかも・・・?

スーパーマーケットで棚に並んでいるのを見ても、どれが旧東ドイツのころからのものなのか、私には区別がつかない。
でも、ここのほかのみんなにはちゃんと区別がついていて、時々面白がって話をしてくれる。


これはヘアクリーム。
まだ使ってないんだけど、一体どんなヘアクリームなのか・・・。
Kamilleと書いてあるからにはカモミールのにおいがすると思われる・・・・が、その右側に小さく「mit Silikon(シリコン入り)」と書いてあるのを見ると・・・・ちょっと試してみるのに腰が引ける。
一般にヘアクリームというのはシリコンなんて入っているものなんだろうか・・・?しっかり固まりそうではあるけど。


これは歯磨き粉。
「Rot」は赤い、という意味なので、もしかしたら中身は赤色?なんて思ったけど、やっぱり歯磨き粉は白でした。

これは研磨剤。
金属類の汚れた部分をこれで磨くときれいになる・・・らしい。
Wolleが布で磨くんだよ。というので、早速フライパンの裏側を磨いてみた。けれど、多分汚れの質が違っていたんだと思う。多少きれいにはなるけど、それも私のこすった力加減のなした業かと思われる。
ただ、オーブンなんかの金属部分をこすったら、きれいになった。
こういうのって、どこの国にもあると思うけど、「旧東ドイツのころからある」っていうところが、ここでは重要なんだろうなぁ。
 
 
さて、下の写真。これだけだと何かわかりにくいかとは思うけれど、買い物用のバック。何も入れていないときには小さいのに、中にものを入れるとすごーーーく大きく伸びる。
仲良しのHeiniが最近私の買い物に行くお肉屋さんの裏方として働いているので、「これ持って買い物に来てね」と・・・。



下の二つはおもちゃの類。
すぐ下のは木製の人形で、中にお香を入れることができるようになってる。で、中でお香をたくと、口から煙が出るようになってる。
何がかわいいかというと、この人形が持っている木製のおもちゃ。小さいけれど・・・特に写真では見にくいけれど・・・ちゃ~んと細かい細工がしてある。

これも置物。
このあたりで道端で時々見かけるハリネズミ。で、写真だとわかりにくいけど、このハリネズミ君の口元に穴が開いてる。その穴に、右下に写っている小さな巻きタバコをくわえさせ、火をつけると・・・そう、ハリネズミがタバコを吸っているようになる。hmmmm・・・・。


こんなそんな、40個。
これだけの数を集めるのはきっと大変だっただろけど、その分だけ私は楽しんでいる。

旧東ドイツをまったく知らない私には、郷愁の思いはないけれど、ここの友達に小さなころの話をしてもらうのはとても面白い。
一般には東西が一緒になりドイツという国が戻った、というような捕らえ方がされているのかもしれないけど、私が見聞きする限り、「旧東ドイツという国がなくなった」というのは、彼らにとって「自分の生まれた国がなくなった」ということに等しいような感想を持つ。これは旧西側のドイツ人の持つ印象とかなり違うんじゃないだろうか。

この国、そして外国人へ、ならではの、このプレゼント。
話のネタにはもってこいかも・・・。

 

野菜の色、イロイロ

先日、料理をしているときにWolleの姪っ子、Majaがキッチンに遊びに来た。彼女は時々することがないと私のところに来てちょろちょろとおしゃべりをしていく。

初めてこの家に来たころは、彼女もまだ幼稚園に通っているころで、私がドイツ語を話さないということもやっと理解できる程度。そのころは、私と話をしに来る、というよりも、私を「見に」くる、という雰囲気だった。
それが去年あたりから、彼女も学校で少し英語も学び始め、「外国語」というものへの意識も少しはできてきたのかもしれない。
私に話すときは少しだけど、ゆっくり話してくれているような気もする・・・気のせいかもしれないけど・・・。しかも私が話していてわからない単語があると、その単語を説明してくれる。
これは、話の内容はたいしたことなくても、悪くはない。

 

その日私が何を作っていたのかは覚えていないけれど、冷蔵庫からパプリカを出した。

日本でのパプリカの値段はドイツのそれと比べるとばかばかしいほどに高い。ここではパプリカはかなり頻繁に使う野菜のひとつで、3つ入りで袋に入り、1€少々。
袋には3色のパプリカが入っている。
たいていは、日本のピーマンのような緑、そして黄色、赤、の3色だ。

冷蔵庫から出したパプリカを、さらに袋から出していると・・・
「パパは黄色が好きなの」
と、Maja。

最初に私が理解したのは「Majaのパパ、Wolleのお兄さんは、色というものにおいて『黄色』が好き」。
私が
- Und du?     (あなたは?)
と聞くと、赤が好きだという。

あれ。
好きな色はしょっちゅう話に出てくるんだけど、Majaが好きな色はおととしはピンク、去年は水色だった。今年は変わったのかしら、また。

そこで、はっと気づいた。
彼女が話しているのは「好きな色」ではない。
彼女が話しているのは「好きなパプリカの色」なんだ。

彼女が「パパは黄色が好き」と言ったときに、gelb(黄色)の後ろにくっついた語尾変換が聞き取れなかったから色の話をしているのだと思ったけど、それが聞き取れていれば「黄色い何か」が好きなのだとわかったんだと思う。


さて、前置きはこの辺にして、野菜の色。
Majaのパパが緑のパプリカよりも黄色いパプリカのほうが好きなように、同じパプリカでも味、食感が少々違う。

たとえばほかの野菜で、インゲン。これにも黄色と緑がある。
かぼちゃもオレンジと黄色がある。
ジャガイモも一般の薄茶色と、紫色に近いもの。
マッシュルームも白と茶色・・・これは少し種類が違うのかな。

日本でも手に入る、普通のキャベツと赤キャベツのようなものだ。あるいは赤いりんごと緑のりんご?
そういえば以前カナダに住んでいるころ紫色のにんじんを見てショックを受けたことがある。

にんじんはオレンジ色、ピーマンは緑色。
そんな風に一概に言えないみたい。


さて、Majaが言うように、人によってこっちの色のほうが好き、ということがある。ちなみにWolleはたいてい緑が好きだ。

さっきも書いたように色によって微妙に味や食感が違うので、好みが出てくるんだろうと思う。

黄色は全体にちょっと柔らかめで水分が多い。緑は全体に歯ごたえがある。
赤いパプリカはほかの色と比べると皮がしっかりしているように感じる。

それまでも、インゲンの好きなWolleが「緑もっといれて、黄色はちょっとでいい」というのを聞いていたので、インゲンに食感の違いがあるのはわかっていたけど、そういわれてみれば、黄色はどれも食感がやわらかく、煮込むとすぐにとろけたようになってしまう。
黄色いかぼちゃなんて、私たち日本人が・・特にうちの母が・・・好きな「ほくほくした」かぼちゃと同じ種類の野菜とは思われないほど柔らかく水っぽい。まるで冬瓜がかぼちゃになりたがっているような味だ。

ちょっとしたMajaの発言で、いいこと発見。
こういうことって、ここで小さなころから育ってないと、なかなか知識としては手に入らない。
彼らにとっては当たり前のことなんだろうけど、外国人の私にとっては、な~るほど、だ。

今まで適当にパプリカを使っていたけれど、これからはちゃんと色を選ぼう。

あ、ちなみにパプリカにはもう一色、オレンジ色がある。黄色のパプリカと似ていて、食感が柔らかく、ほかの色よりも水っぽい。サラダに入れると色合いも味も抜群です。



 

ヒツジの準備

先日の誕生日パーティのためにヒツジを用意したときの話。

大体、ドイツだったって、豚の丸焼きは時々目にするけど、ヒツジの丸焼きというのはあんまりお目にかからない。
丸焼き用の豚は・・・・子豚が多いかな・・・そのまま焼けるように売っているのも見たことがある。


変わった物好きのWolleとしては、自分たち主催のパーティに、誰でもできる豚の丸焼きでは気がすまない。

去年両親が日本から来たときにもヒツジの丸焼きをしたけれど、今回私の誕生日にも・・・
「夏にはヒツジの丸焼きだな」
という、根拠はない確信を持って、ヒツジに決定。


とはいえ、子豚と違って丸焼き用のヒツジがどこかに売っているわけじゃない。
農家のヒツジを飼っているところに行って、譲ってもらう。

こういうと、簡単にヒツジたちが手に入りそうに聞こえると思う。
それが実は結構手間がかかる。
その手間を、今回自分の誕生日用のヒツジだということもあって、一通り見てきた。


さて、まずはじめにヒツジを飼っている知り合いに丸焼き用のヒツジを分けてもらうように交渉。
どのヒツジがいいか、実際に見に行く。
・・・・・ということは、選ぶ時点ではまだ生きているということ。




広い庭を走り回る子羊の群れの中から2頭選ぶ。
・・・選ぶって言ったって、私にはどれも同じように見えるし、「あれがいいかな」なんてどう選べばいいのかさっぱりわからない。
大体結局はその農家の知り合いに選んでもらう。

そして、パーティの2日前、その羊たちを引き取りに行く。




 
引き取りに・・・なんていうと聞こえはいいけど、要は捕まえにいく。
なんせ庭を走り回っているから、そんなに簡単にWolleの手には捕まらない羊たち。
一度小屋の中に追い立ててから、その中で捕まえる。
小屋の中からはどたばたと走り回る音と、羊たちの叫ぶ声、そしてWolleのわめく声・・・。
 
とうとう捕まった2頭は、果たして最初に選んだ2頭なのかどうか・・・?
最初の予定では2頭とも去年の11月に生まれたオス。オス、という観点だけなら、あってる・・・。
 
 
足を縛り、動けないようにして、車のトランクに積む。
 
Yaskoがくれば、ちょっとは羊もリラックスして、おいしいかも。
なんていわれたけど、そうだ、この羊、かわいいけど、これから私たち食べちゃうんだよね。なんとも言いようのない気分。
ただ、彼らを殺すときにリラックスしている状態のほうが食べたときにおいしいらしい。
 
 
ぶるぶる震えながら車に乗ってる羊をなでてはみるけど、複雑な・・・。
Wolleいわく、去年はベェベェ泣き叫ばれて困ったのに、今年は震えてるだけで声を立てなかったらしい。どっちのほうがいいのかわからないけど。
 

 
そしてこの羊たちをどこに連れて行くかというと。
屠殺ができる人のところへ持っていく。
前回頼んだ人は、おじいちゃんで、最近調子が悪く、入院しているとの話。慌ててほかに屠殺ができる人を探すと、知り合いの知り合いという人ができるとのこと。
と、いうことでその人のところに持っていく・・・連れて行く。
 


屠殺、って言う言葉も知ってるし、どんなことをするのかもわかっているけど、そんなのを目にしたのはもちろん初めて。
数日後に食べるから、とか、ブログに書くから、とか、珍しいから、とか、どんな理由をつけてもカメラを向けることはできませんでした。

実際、苦しませないで殺すために、一瞬で殺してしまう。
ほんの一瞬余所見をしている間に「ぱんっ」と小さな音がして、そっちを見たらもう羊は死んじゃってた。
これくらいの大きさの動物を殺すための銃じゃないけど銃のような役割をする道具があるらしい。
それを使って、眉間に一発打ち込むだけ。
そして、直後に首の動脈を切り、そして今度は睾丸を切り取る。

動脈までは想像していたけど、睾丸??
どうやら、睾丸を残して時間を置くと、肉に苦味が回るらしい。

それにしても、そのおじさんは手際よく進めていく。
もちろんこれが手際よくできるから頼みに来たんだけど、1回1回動物に何か思っているとこんなことはできないのかもしれない。

さっきまでぶるぶる振るえ、そのおなかや頭をなぜていた子羊は1分もかからないうちに血を抜かれ、足にかけたフックで逆さに吊られた。


私が勝手に想像していたほど血抜きに時間はかからなかった。動脈と睾丸を切り取るまで、一輪車の中でしてしまい、血はそこに流れた分だけ。
とはいっても、ちょっと底にたまるくらい。逆さにした後は、残りがぽたぽた落ちるくらいだった。あれ、こんなに血すくないの?って思うほど。もしかしたら羊はそれほど水をがぶがぶ飲まないのかな。

さて、逆さにしたヒツジの、今度は皮をはいでいく。
しっかりと研いだナイフで、まずはおなかの辺りの毛皮を剥いでいく。ついで前足。
そのあたりから、毛皮を引っ張りながら肉と皮の間にナイフを軽く当てていっているように見える。ナイフを当てると、皮と肉の間に薄くくっついている・・・なんていうんだろう、とにかく薄い皮状のものがするりと切れて、肉と皮が離れる。
・・・ちょっと前にねじまき鳥クロニクルという本の中で人間の皮を剥ぐという凄惨な場面を読んだばかりのせいか、なんとなくじっと見つめているのが苦しくなる。それなのに、見たことのないものだからなんとなく目が離せない。

さすが屠殺できる、と聞いていただけあって、するすると皮がはがれ、腹部が終わって背部へ。
背部はおしりのほうから首元へ向かって剥いでいく。
もうここまで来ると、肉の塊がコートを脱ぎかけているように見える。

この後、頭。
どうするんだろう、と思っていると、角を両手でつかんで「グキッ」と。
要するに首の骨を折って・・・その後にナイフで切りきれていないところを切っていく。

この頭をひねってしまう部分。
これは、やったことがなければ、なかなか思い切って力が出せないんじゃないかと思う。


さて、残りは内臓だ。
おなかの皮はすでに切ってあるので、内臓が少しはみ出している状態。
が、これが、意外と血みどろだったりはせず、大きな袋に大量の水分が入っているだけのように見える。おなかの中に手を突っ込んで、その袋をずるりと取り出す。
そして、その奥から肝臓、心臓、胆嚢・・・と、いくつかの臓器が取り出された。
おそらく最初に取り出した大きな袋は内臓の中でも消化器系なのかな。お医者さんが見たら、なんなのかわかってるのかもしれないけど、内蔵そのものを体に直結している状態で見たのが始めての私にとっては、なんなのかよくわからないものもあった。

ヒツジを絞めてくれたおじさんは、食べられる内臓をより分けて袋に入れてくれた。

豚のレバーだって普段食べるんだから、ヒツジだって食べられるに決まってる。
今日の晩ご飯かぁ、なんて思って受け取ると、ぎょっっっ!

もちろん動いた、とかじゃない。
何に驚いたかというと、その温度。

お肉やレバーを生で触ったり調理したりするのが苦手な人がいることは知ってる。
でも、私は台所でそれらを調理することはなんとも思わない。
が。
いつも触っているレバーは冷蔵庫から取り出したもの。
生で、柔らかい状態の体温と同じくらいの温度のものを想像はしていなかった。

もちろん今まで生きた羊の中にあったものなんだから、当たり前なんだけど、そのとき初めて、レバーを触るのがちょっと怖くなった。
と、いうか、気持ち悪い、というか。
丸焼きにするために絞めてもらったんだから、おじさんにも羊にも、こんな風に言ったら失礼なのかもしれないけど、「生きている状態」と「殺した後」をその体温でまざまざと感じた。


とはいえ、もちろんそのレバーは夕食に。
バターソテーと、和食のレバーの煮物になった。
 


 

煮物は不人気かな、とも思ったけど、意外と「おいしい」という声あり。

ちなみに胆嚢はあのヒツジ独特のにおいが強すぎて、いまいちでした。ちゃんとにおいを消したりすればいいのかも。
心臓はこれも調理方法によるかも。ただのバターソテーではちょっと味気なかったかな。


あっと、話がそれ気味。

さて、あっという間に2頭絞めてもらって、家に戻る。
この2頭を地下室につるす。


この状態で2日間置くと、より味がよくなるという。
この間に、Wolleは野菜を煮込んだスープとウィスキーを混ぜたものを注射器で肉に直接注入する。
もちろん肉に味をつけるためと、肉を柔らかくするため。

そして丸焼きにする前夜、オリーブオイルと香草を混ぜたものを表面に塗りこむ。


当日。
上の写真の上部に見える足は切り落とし、丸焼きをするための器材に通す。





この器材は、豚でもヒツジでも、丸焼きにするための器材。・・・一般には豚だけど。
中心でくるくる回る棒にヒツジをしっかり固定し、火にかける。


あとは、火を加減しながら6時間近く待つ。
途中、先日肉に注入したスープを表面に塗りながら、そして、最後の2時間くらいはそのスープに蜂蜜とマスタードを混ぜたものを塗りながら。

この器材。
写真の右のほうにある・・・なんていうのかな、モーター?でヒツジがずっとクルクル回っている状態になる。
6時間もすると全体がカリカリになり、おいしく焼きあがる。

今回はパーティのさなか、焼き上がりの写真を取るタイミングを逃してしまった。

焼きあがったら、ナイフでそぐようにとりわけていく。そのままヒツジはクルクルまわしておくと、次に誰かがお肉をとりに来るまでに、表面がまたカリカリになっている。


去年はこの下準備、Wolleが全部してくれたので、私は当日に食べるだけの係りだった。
正直に言うと、この下準備、特に屠殺の時は決して気持ちのいいものではない。だけど、全工程を自分で見たことに結構満足してる。
こういう工程って、いつも食べてる豚だって同じなんだよね。もちろん商業化、工業化されてるはずだから形は少し違うかもしれないけど。

こういう、ちょっぴり目を逸らしたくなることって、一度は見ておくこと悪くないんじゃないかと思う。生きていて、何もかもが美しく、おいしく、楽しいばかりではないこと、ちゃんと知っておきたい気もする。

結局はWolleが駆けずり回っているところを、くっついて歩いて見ていただけなんだけど、最初の準備から見させてもらって、ヒツジはおいしくいただきました。
羊を育てたおじさん、屠殺してくれたおじさん、ヒツジさん、ありがとう。




2013/09/02

40歳のお誕生日パーティ

「誕生日パーティ」っていうと、子供のパーティを想像しそうだ。

でも、ここドイツでは大人だって誕生日パーティをする。
特に、10年ごとに「0」のつく年には盛大なパーティをする。

しかも。
日本でするお誕生日パーティは、誕生日の本人ではなくて、まわりがパーティを開いてお祝いをする、というのが慣例になっているんじゃないかな。
それが、ここでは、誕生日の本人がパーティを設定して、周りの人を招待する、というもの。

ここまでで、すでに今回のパーティがどれくらい日本のお誕生日パーティと違うのか、ちょっとだけ想像できるかもしれない。


準備は数日前から始まった。

今回のパーティ。
Wolleがサプライズにしたいというので、私には詳細が知らされていない。私が知っていたのは、ヒツジを2頭丸焼きにすること、ビールを100L用意すること。
誰が来るのか、誰を呼んだのか、そんなことも知らなかった。






当日昼12時。
すでに庭でヒツジが火にかけられ、テーブルも用意され、音楽もかかり、ビールも冷えている。

友達の結婚式が次の週末に入っているという理由で水曜日にパーティを強行。だから、みんな6時過ぎくらいから来るんじゃないかな、なんて思っていた。

ところが、3時を過ぎたあたりから、一人、またひとりと思っていたより早く集まり始めた。
4時からはWolleのママがケーキを用意している。


2種類も用意してもらったのに、さらにお隣のManuからチーズケーキもいただいた。

このころから、思ってもいなかった友達がきはじめた。みんな手に花束やワインやプレゼントを持ってきてくれてる。

シェフのHeiniはこんなのを持ってきてくれた。
パーティには最高。


誰かが来て驚いて喜ぶ。プレゼントに喜ぶ。2階の部屋に花を持っていく。戻って来ると、また誰かが来る。
こんなことを繰り返していたような気がする。

気がついたらまだ明るいけど、もう8時。
この間、私はずっと笑っていたんじゃないかと思う。
そろそろヒツジも焼きあがるころ。

庭の裏から音楽が聞こえる。
家の裏手にある消防署で楽団の練習でもしてるのかな、なんて思ったら、その音楽はハッピーバースデーの曲を鳴らしながら庭の裏の門から入ってきた。
なんというサプライズ。
そういえば楽器を趣味にしている友達ふたりが来てなかった。

ハッピーバースデー ビデオ

↑
この上の「ハッピーバースデー ビデオ」というのをクリックすると、そのときの短いビデオが入ってます。
私はびっくりしてて、ほとんどリアクションしてないけど。
しかもそういうのを自分で見るとすごく恥ずかしい・・・。



音楽は1曲だけじゃなくて何曲も吹いてくれたので、Wolleのお母さんやおじさんたちは踊り始める。前々から「いつか僕と踊らなくちゃいけないよ」って言い続けていたBeaniおじさんがもちろん私のところに来た。
うわ~、おじさんたちが踊るようなダンスは踊れないからいつも逃げ続けてたのに・・・。

さらにさらに、数人の友達からこんなケーキをもらいました。

 
こういうケーキ。
友達の誕生日に贈ったことはあるけど、自分でもらうのは初めて。
「愛のたくさん」って・・・。
インターネットを使って翻訳したんだと思う。意味がわかるようでわからなくて面白いけど、それよりもなんだかすごくかわいい。
「愛のたくさん」
3つも書いてあるし。
 
「あってる?あってる?」ってみんなに聞かれた。
あってない、あってない。あってないけど、すごくうれしい!
 
 

この日、パーティが終わったのは翌日朝3時半。
はっきりとはわからないけど、来てくれた人は60人を超す。
2頭のヒツジも、100Lのビールもすっかりなくなった。


パーティの途中で誰かが言った。
「40歳も悪くないだろ」
悪くない悪くない。40代最初の日からこんなにハッピーになれるなんて。こんなにうれしい日はそんなに頻繁にあるもんじゃない。今から50歳の日のパーティを想像してしまうくらい。

まだ40歳になってないみなさーん、悪くないですよー。


自分の生まれた国ならばまだしも、夏の間だけいるこの国で、こんなにたくさんの友達にお祝いをしてもらえるとは思ってもみなかった。
来てくれた人、来れないって連絡してくれた人、そして、準備に借り出された何人もの人、ありがとう!!

これからは、パーティに呼んでもらったら、目いっぱい、その日を、その人を、お祝いしてあげなくちゃ、と思う。
たかだか誕生日、そういってしまえばそうなんだけど、祝ってもらうことがすごくうれしかった。


ちなみに、翌日。
泊まっていった5人の友達と、後片付けと称して、100L以外に用意していたビールを朝から庭で楽しみました。


こんなにたくさんのプレゼント。
全部は写真に写りきってません。
今家中が花だらけ。まるで誕生日がまだ続いてるみたいで、なんとうれしいこと。



それから。
Vannessa、Sören、お手伝いありがとう。
この二人が飲み物、小さな片づけ、たくさんしてくれました。



40歳にして、まだまだ惑ってはいるけれど、惑いながら、50歳のパーティを待ち遠しく思いながら・・・?、たくさん笑える10年に・・・おっと・・・1年になったらいいな。