2011/08/15

IHクッキングヒーター

キッチンの調理器具で、レンジの代わりにIHというのがある。
ガスや火を使わないので安全性が高い、と言うのが売りなんじゃないだろうか。

ドイツの私のキッチンもIH。
特に私が選んだわけではなく、私がこのキッチンを使うようになったときにはもうIHだった。
特にこの町ではガスを使った火力のレンジは禁止されている。町によって条例で決まっているようだけれど、要するにキッチンで「火を使う」ということがないようにしてあるようだ。
だからどの家庭のキッチンもIHか、あるいは少し古いタイプになると電気コイルのレンジ。

さて、このIH。
確かに「火」を直接使わないことによって火事が起こる可能性は極端に低いんだろう。
ただ、普段日本のガスキッチンに慣れていた私にとって、最初はとても使いにくかった。

まず、中華鍋やフライパンのようなものを振りながら調理することはできない。せいぜいかき混ぜながらゆする程度である。
ほぼ毎回、何かしらいためる料理を作ることが多い私には困る。なんとなく全体に熱がいきわたらないような気がして、いつまでもかき混ぜていて、ついつい炒めすぎ、ということがしばしばある。

さらに、スイッチを切っても、直後に加熱が止まらないので、これまた過熱しすぎにつながる。煮物くらいならまだしも、フライパンを使っての料理にはとても不便。

吹きこぼれ等が起こるとさらにやっかい。
水だけが吹きこぼれるなら、じゅじゅ~~、なんて音を立てるだけで蒸発してしまうからよい。でもそれが何かしら混ざったものだと、その部分がこげる。じゅじゅ~、と同時にバチバチとイヤな音を立てて、しかも匂う。
この吹きこぼれの跡をすぐにふき取らないと、レンジの表面に跡が残る。これを放置したまま使っていると次第に汚れは定着し、半日掃除をしても取れないような跡になる。
こうも次々にIHの困ったところばかりあげるな、と言われそうだ。
じゃぁ、いいところ。
もちろんガス漏れなんかの心配はない。だから、火事になりにくいのと同時に、ガスだけつきっぱなし、と言う心配も排除される。
あぁ、そういえば。このキッチンで私は火傷をしたことがない。言ってしまえば、短時間で炒め物ができるほどに火力が強くないということなのだろうが、フライパンの端で「あちっ!」っていうことが一度もない。
これは長所なのかなぁ。でも、キッチンの火傷はうれしいものではないから、長所ということにしておこう。

これからキッチンを変えましょう、と思っている人たちにとって、従来のガスレンジにするか、IHにするか、迷うこともあるだろう。

家全体を立て替えるにあたって、ガスを通すか通さないかで考えているならばIHも結構。あるいは今までにキッチンから火を出したことのある人も、再度同じことを繰り返しそうな性格ならIHのほうがいいだろう。
でも、料理だけのことを考えると、火力のほうがいいんじゃないかなぁ・・・と言うのが私の思うところ。
でもまぁ、私みたいに料理さえ作っていられれば比較的幸せ、というんじゃなければ、どっちでもいい話なのかもしれないけど・・・。

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