今回ホリデーにモルドバを選んだ一番の理由はもちろんSashaに会うこと。
でももうひとつはずせない大きな理由が、Sashaのワイナリー。
2004年からはじめは趣味で始めたという彼のワイナリー。
今では質を重視するワインメーカーのひとつに成長してしまった。
スーパーマーケットでは売らない。レストランにしか置かない。大量に生産しない。
そんなSashaのワインを手に入れたい人が彼のところに度々来るらしい。そこで、彼は自分のオフィスの1階にワインバー、兼ワインショップを作ることにしたらしい。
私たちが訪ねたときはちょうどバーのオープン直前だった。それもあってあんなに忙しそうにしていたんだと思うけど。
まだ外装も内装も中途半端とはいえ、ほぼ出来上がっているバーは素敵な空間だった。
これがSashaのロゼ。
今年初めて出荷らしい。しかも丁寧に作ったロゼは、ロゼと言うものの味をまったく知らない私にとってもとてもおいしい。
ちなみにShshaのワインの銘柄は「Et Cetera」。
他の銘柄のワインもずらりと並ぶ。ここで飲むこともできるし、買って帰ることもできる。
バーではワインだけじゃなくて、もちろんコーヒーも飲める。
この作り付けの棚が素敵だった。まさにワインのためにデザインした棚。
看板取り付け中。この色・・・ワインバーにあってないよなぁ、なんて思っていたら、やっぱり店をデザインした人からだめだしがあったらしい。
さて、モルドバについてから数日後、やっとSashaのワイナリーへ。
こんなに大きな容器の中いっぱいにワインが・・・。なんと夢のような・・・。
ワインが入っている容器には、ひとつひとつ詳細が書かれたタグがついてる。
これ・・・もしどれかと入れ替わっちゃったら大変なことになるようなぁ、なんて、風でゆれるタグを見ながらいらぬ心配。
酸度とかそういうワインの要素が数字になっているみたい。私にとってこれはただの数字だけど、ワインを造る人にとっては、この数字で味が想像できるんじゃないかと思う。
何にしてもプロってすごいね。
上の写真はワインをボトルに詰める機械だそうだ。
そして、先ほどの写真と同じ大きなタンクにおもちゃのようにくっついてる小さな蛇口から、Sashaが作りかけ、でもほぼ出来上がりのワインを飲ませてくれた~。
シャルドネ、だそうです。この状態からフィルターを通せば出来上がり。よって、白ワインが白濁色をしている。味はフィルターを通しても通さなくても同じだそうです
この中にも大量のワインが・・・。
今度はフィルターを通す前の赤ワイン。
赤は白ワインほどにごっているのがわからない。
Wolleさん、タンクいっぱい赤ワインがあるからって、とまらない様子。
試飲の後は畑へ。
通り雨が上がった後で、みんな濡れてる。
「Yasko。あの地平線見える?」
「見える。」
「あそこまでが僕の畑だよ。」
へ?
あの地平線まで?
なんとまぁ。
モルディブで一緒にいたころは、なぜか私のことをやたらと心配して、いつも私の後ろをくっついて歩いていたSasha。私が一人で歩いていると「あれ?今日は子犬ちゃんはどうしたの?」ってみんなにからかわれていた。
たった7年。でもやっぱり7年。
地平線まで・・・なんて言われると、Sashaがすごく変わってしまったような気がちょっぴりだけする。でも、誰がどう見ても少し変わり者の彼を思えばさもありなん、だ。
地平線まで連なるぶどうの木と私はなんの関係もないはずなのに、風景のせいか、Sashaのせいか、なぜかとても、胸が膨らむような気分だった。
7年ぶりにSashaとツーショット。
背景が海じゃないことを除いては、7年前と同じ気分。長いこと会っていなくても、同じ気分で一緒にいられる友だちって本当にありがたい。
早くも食卓にロゼが・・・。
この日はバーベキューだったので、これは食前酒。
雑用を取り仕切ってくれるおじさんがバーベキューのための火を起こしてくれている間散歩。
広い畑の中にはいくつもの種類のぶどうの木があるそうだ。
そりゃそうだ。赤ワインも白ワインも作っているんだから。
この夕食のためにちょっと特別なお肉屋さんへ行ってステーキを手に入れてきた。
お肉もおいしかったけど、このトマト!
モルドバ産なんだ!と力説するSashaを最初は笑っていたんだけど、本当においしい。
日本のトマトって、甘くて赤くて、完熟トマトなんて「完璧!」っておもう。でも、そういう食物として完璧なトマトではなくて、トマトとして「こんなにおいしいトマト」にはめったに会えないと思う。ぱくぱくといくらでも口に入ってしまう。
生のトマトが苦手なWolleもちょっと挑戦してみた。
結果は・・・「トマトはトマト」だったらしい・・・。
番犬ちゃんたちがいつもよりお行儀よく座ってる。「ぼくいい子だよ。」って。
散歩。散歩。
ぶどう畑を歩きながらもSashaはいらない実や葉をちぎり落としている。
収穫は9月下旬からだそうだ。
その時期には親戚一同集まって収穫するんだって。
WolleはSashaを質問攻め。こういうときWolleは、私も時々するように、クエスチョン・モンスターに変身する・・・。
翌日。
朝からおばちゃんたちが・・・後から聞いたらSashaのママもいたんだけど・・・賑やかにやってきて、ワイナリーへ。
この日の朝は赤ワインをフィルターにかけて、レストランに搬入するためのワインの箱を作ることになっていた。
Wolleがしているのは、何枚ものフィルターを機械に取り付けている作業。
箱を組み立てて、ラベルを貼って、Sashaのパパが袋に詰めた赤ワインをその箱に入れていく。
作った箱は全部で230箱。
Sashaは・・・さすがオーナー。うろうろして、時々タンクの中のワインを確認して、後は電話で話してる。
作業の後はSashaのママが作ってくれたランチ。
全部手作りのモルドバ料理。
こういうのって都会に住む若い人だけの間では口に入らない。
「ほれ、出かける前に食べていけな」っておばあちゃんが出してくれるようなご飯の味。そういう味っていうのは、きっと世界共通で、どこの国に行ってもきっと同じ味がする。
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