私には3歳になる姪っ子と、9ヶ月くらいの甥っ子がいる。どちらもすぐ下の弟の子。弟家族は実家から車でで5分というところに住んでいることもあって、毎晩夕食をたかりにやってくる。
甥っ子のほうは、常にニコニコとしているだけでまだ話すことといったら、「mっまんっまぁ」くらい。一方3歳になる姪っ子は、性別で言うと『女』ということも手伝ってか、常にしゃべり通しである。
この3歳。私が彼女を「ほのぼん」とニックネームで呼んでいるため、私を認識し始めたときから私のことを「ぼん」と呼ぶ。
彼女が言葉というものを発し始める前から、家族中でできるだけ特に彼女に対して「きれいな」日本語を使うように心がけてきた。「靴」は「おくつ」。「月」は「お月様」。「背中」は「お背中」。「すっごいかわいいー」は「とてもすてき」。「もらった」は「頂いた」等々。
3月生まれのほのぼんは3歳になったばかりで、先の4月から幼稚園に行くことになった。はじめは行くのがいやで毎朝何かしら行けない理由を見つけ、それを幼稚園バスが来るまでで200回くらい繰り返していたそうだ。
幼稚園でどれくらい他の園児とコミュニケーションが取れているのかわからない。園長先生によると、「年少さんは来ているだけですよ。」なんてことらしいが、ほのぼんの言葉を聞いていると、それなりにどうにかしてコミュニケーションをとるためにお互いに言葉を発しているようである。しかも先生とはお話をしている様子。
先日なんだったか忘れたけれど、しょーもないものを見て「すげっ」と言っていた。これを聞いて崩れ落ちていたのはおばあちゃん、私の母だ。ああ、3年間の努力が、、、。
とは言うものの、母だって人のことを責められはしない。母の教える歌といえば、「炭坑節」とか、「お猿の籠屋」だったり、挙句の果てには50年代以上の方にしかわからない「おーてぇ天ぷら食いすぎてぇー、」だったりする。(ちなみに私もこの歌を母から教わった覚えがある)しかもほのぼんは、この「おーてぇ天ぷら・・・」を幼稚園のお歌の時間に皆の前でご披露したそうだ。母と同年代の先生は「誰に教わったの?」と笑いながら聞いたそうだ。きっとほのぼんは得意げに鼻を膨らませて「おばあちゃん!!」と答えたことだろう。
少しづつ幼稚園語を使うようにはなってきているのだが、それでもまだ入園前に覚えた言葉を主に使っている。普通に話すときの言葉、丁寧に話すときの言葉、など、彼女なりに使い分けているようだ。これがはっきりとわかったのが最近私が日本に帰国してからのこと。
彼女が何かを丁寧な言葉で伝えたいときに私が「おぼん」になってしまう。さらに、彼女が私に何かを頼むときには「おぼさんさん」になってしまうのだ。
「おぼんさん、牛乳あっためて!」
こんなに丁寧に呼ばれてしまっては断りにくい。下手に出なければいけないときには丁寧に、つまり敬語を使ったほうがいいということを一体誰が教えたのだ。
そして今彼女の中で少しだけ、私と「お盆」(お茶を運ぶお盆)が混同している。お盆の話をしているだけならいい。が、私が彼女にお盆を渡すと少し混乱するようだ。きっとまだ言葉のカテゴリーの中にアクセントは含まれていないのかもしれない。
8月になってお盆(連休のお盆)という新たな言葉を彼女が覚えたときのことが楽しみ。
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