2008/07/27

石けん部屋


作った石けんを置いておく部屋がある。
昔、末の弟が使っていた部屋。今は誰も使っていないベッドに出来上がっている石けんと、熟成中の石けんが寝ている。

石けん作りを初めたころは、私の部屋のテーブルに並んでいた石けんたちは、徐々に数を増やし、テーブルの下も占拠し、床に広がり、部屋中に繁殖した。
一時期、石けんを作るのが面白くてたまらず、とんでもない勢いで作ったもんだから、気がついたら石けんのストックが部屋を埋め尽くしていた。

で、部屋を歩き回るのに石けんをまたがなくてはいけなくなった頃、床じゃぁ石けんが埃になってしまうんじゃないかという理由で、石けんの大群の引越しがなされた。

ただ運べばいいように聞こえるかもしれないけど、これが大変だったのだ。
石けんのひとつひとつに名前が書いてあるわけじゃないので、闇雲に運んでいったらどれがどの石けんなのかわからなくなってしまう。しかも、そっくりな色をしてる石けんもたくさんあるので、私以外の人が見ても区別がつかない。
他の人が故意に場所を入れ替えたら、私にだって判別しにくい石けんもある。

並べ方も、まだ包んでいないカット後の石けんは1センチおき位に並べないといけない。これは単純に表面を少し乾燥させるためのものなんだけど、石けん同士をくっつけておくといつまでたってもぺたぺたしたままになってしまう。

でもって、ごく丁寧に扱わないと傷がついたりへこんだりする。

と、大掛かりだった石けんの移動後は、石けんたちは埃をかぶることもなく、比較的涼しい部屋で安静にしている。
この部屋は家族の間で「石けん部屋」と呼ばれている。
その部屋のドアを開けるだけで、石けんの香りが2階中に広がる。香りをつけてある石けんも多いので、とにかくいい香りだ。

私が出かけている間に、家族にも判別がつくように、包装後の石けんにはラベルもつけてある。
「しっとり」から「さっぱり」まで順に並べてある。
私が帰ってくると大抵はしっとりしたほうが減っていることが多い。まぁ、手作り石けんなんか使っている人は大抵「さっぱり」よりも「しっとり」を好むのかな。

末の弟はさっぱりした石けんが好みで、気持ちよくてやめられないとは言ってくれるけど、「姉ちゃんが作っている石けんだから」使い始めたわけだろうし。


熟成中の石けんは大きなブロックのまま作った日にち順に並んでる。
生地の色がそれぞれ違うのでなんだかおかしな積み木が並んでいるみたい。

石けんたちの前で、ちょっと座って眺めたりしていると、つい微笑んでしまう。母には、「一人でニヤニヤしないで」っていわれるから、きっと「微笑んでいる」つもりで実はにやけているだけなんだろうけど。
でもそんな時間は私の至福のときだ。

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