ここドイツで、ドイツ語の勉強と家事とパーティの合間を縫って、先日久しぶりに三島由紀夫の「豊饒の海」を読み終えた。
久しぶり、というのは以前にも読んだことがあるからなんだけど、いつだっただろう。
三島由紀夫の作品を読み散らしたのが学部生のころだからきっとそのころだ。19から22才の間。
第1巻の「春の雪」はかなり記憶に残っていたけど、それ以降は・・・あれ?こんな内容だったっけ・・・?ってなもんだ。
第3巻の「暁の寺」なんてバンコクのワット・アルンラーチャワラーラームというお寺の日本名で、バンコクへはチョコチョコ出かけていた・・・いるのに内容はちっとも覚えてなかった。とは言っても、実際このタイトルと内容はほとんど関係なさそうなんだけど。・・・どうしてこのタイトルにしたのかなぁ。(知ってる方教えて~)
今回はなぜかすごくはまりこんで読んでしまった。Wolleが「また本読んでるの~:( 」って、面白くなさそうに言うくらい。・・・・普段は自分で好きなことしてるくせに、人が好きなことしてるのは面白くないらしい。
さすが4巻もあると結構読み応えがあった。お風呂に入っている間に読み終わってしまう本とは違う重さがある。
で、学部生のころに読んだときには気がつかなかったことがたくさんある。まぁ、そのころはとにかく濫読していたから、自分でもいったいなぜそれを読んでいるのかわからないようなこともあったので、その勢いで読んでいただけなのかもしれないけど。
あるいは私は三島由紀夫の文体が好きなので、それだけを頭で追っていたのかもしれない、内容じゃなくて。
あいや。
すぐ話がそれる。
ところで、「豊饒の海」ってこんなに妖艶な内容だったっけ?
というのが久しぶりのインパクト。
もちろん輪廻という根底にある話は別にして。第3巻「暁の寺」のジン・ジャン(月光姫)なんて、4巻で慶子が言うみたいに「肉」だ。
まぁ、この作品全体で4巻「天人五衰」の月修寺門跡(元・聡子)以外の女性はみ~んな「肉」だけど。
そういう目線で読むと、第1巻「春の雪」はタイトルのイメージどおりというか、ほかの3巻に比べると一般に受け入れられ易い内容なのかもしれない。だからきっとテレビドラマになったり映画になったりしてるんだ。内容が「恋」だし・・・。
そこから入った三島由紀夫はうまく人をつかんでるということなんだろうか。・・・とは言っても、この作品草案は出版社かどこかから出てるはずだよね。
私の中で第1巻「春の雪」だけが印象に残っていたのは、そのころに理解できたのはその巻だけだったということだろうか。「恋」だから。20歳前後なんてそんなことくらいしか理解できてないよね。
今ほかが理解できるかどうかは別として・・・。「肉」?・・・ドイツのお肉おいしいよ。特に豚肉・・・。
初めて読んだころから時間が経って、もう1回読み直すと、面白いくらいに違う作品に感じることがままある。
もう一回本棚さらってみようかな。
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