2009/06/26

北極圏突入 ~二人旅 Norway Lofoten Islands~

6月9日
昨日はOsloで少し寝過ごしたので、早く起きようと思っていた。目が覚めたのは8:30。
火を起こして朝食。昨日食べ切れなかったサーモンの切り身をサンドイッチにする。今日1日分のコーヒーを作ってポットに入れる。
9:30出発。気温は13℃。まずまず。 今日はひたすら北へ向かう。目指すロフォーテン諸島はまだまだ遠い。
出発してすぐ。
突然、目の前に湖が開ける。風のない湖水と後ろの山がまるで風景画のよう。


真上にある大きな雲のせいで少し暗いけど、それが逆に幻想的な雰囲気。
道の両脇にタンポポが伸び上がるように咲いている。
視界が全方向に開けていて、こんなに広いところにいていいんだろうか・・・なんてばかばかしいような不安に陥る。
周りに見える森はすべて自然の森らしい。林業を営むには寒すぎて、木の伸びが遅くて適さないんだそうだ。

この辺りの川は世界一トラウトサーモンがとれる川だとか。
ここでサーモンを釣るのにフライフィッシングで釣る。過去の記録では31,5Kgのサーモンが一番らしい。もちろん海の魚と比べると大したことないように感じるけど、川の魚としてはかなり大きい。

11:00サーモンの博物館へ到着。
外はすごく暖かくなっていて気持ちがいい。
ようこそ、サーモン博物館へ~。
・・・これって 、釣りをする人の典型なの?なんだか怖い顔してるけど・・・。頭からばくっと食べられそう。

この周辺で捕れた比較的大きなサーモンが水槽に入ってる。まるまるしてて脂のってそうで、おいしそう~・・・って思うのは日本人だから?
フライフィッシング歴史を語るような展示物が所狭しと並ぶ。Wolleにとっては垂涎モノの博物館みたい。あっちのルアーとこっちのルアーを見比べたりして、なるほど、なんて言ってる。・・・私にはあんまり違いがわかんないけど。

この博物館のある場所は川にダムを作ってあるところ。
ダムを作ったことによって川を上って来たサーモンにとって行き止まりにならないように、水の流れを使って階段が作ってある。
各水槽までサーモンが登ると一休みできるようなシステムになってるみたい。
写真でWolleが覗き込んでるのはその水槽で一休みしてるサーモンを見るためにガラスを取り付けてあるところ。
そんなに大きなサイズじゃないサーモンが数匹泳いでる。う~ん。このサイズでこの川の流れを逆流できるんだ・・・。





博物館で少しゆっくりしてから、再度車にエンジンをかける。
さらに北へ。
12:30。時々小雨が降りながらもほとんど晴れ。
前方後方に雪のたくさん残ってる山が見えてきた。晴れているとき、空気が混じりけのない透明に感じる。普段暮らしてる町の空気には一体どれくらいの不純物が含まれてるんだろう。



16:40。Arctic Circleへ。

ここを過ぎると北極圏に入る。
なに~??北極圏??私、そんなに北に立ってるの??思わず世界地図を頭に浮かべる。
・・・日本の真上の北極圏ってどの辺り??全く想像がつかない・・・。
山の頂上近くで時々見るような風景。・・・本当は落石を考えたら山でそんなことしないほうがいいような気がするけど・・・。なんてことは置いといて。
どこに行っても人はみんな同じような行動を取るんだなぁ、と実感。
みんな自分がここにいたという軌跡を何らかの形で残そうとしているように見える。
Arctic Circleは線上だから、この記念碑のようなもののところだけがCircleではないんだけど、もちろん。とりあえず、ここが線上にある、と。
周りは低い山が多いけど、雪もたくさん残ってる。
しかも凍ってるわけじゃなくて、ユキだまなんか簡単に作れるくらいのやわらかい雪。ってことは、最近降ったの・・・?それとも陽射しがやわらかいから解けたり凍ったりしにくいの?




さて。ここから北極圏突入~。
記念碑のところに雪が多かったから、ここからはずっと雪が多いのかと思ったらそうでもなさそう。
しばらく行くと、再び全く違う風景になってきた。 
タンポポの道はくねくねと北へ向かう。
ときどきひょっこりと湖が顔を出す。どこを撮ってもいい写真になりそう。空が晴れ渡り、気持ちのいい天気がしばらく続く。天気予報によると、毎日雨かもしれないと思っていた。それが青空の見える時間が徐々に増えてきて、気分が高揚してくる。もしかしたら天気どんどんよくなるんじゃない??
18:00。Fauske周辺。
ロフォーテンに向かうにはいくつかルートを選ぶことができる。
私たちは特に「これ」っていう計画があったわけじゃないので、車で走りながら時間を見てどうするか決める。おもなルートは二つ。
このまま車でNarvikまで走り、そこからE6を逸れて半島に入り、ロフォーテンに向かう方法。もうひとつはNarvikに向かう途中のBodøでフェリーに乗り、ロフォーテン諸島に入る方法。
この時点で私たちはNarvik経由でロフォーテンに入ろうということになった。まだ時間が早い。しかも暗くなるわけではないから走ろうと思えば好きなだけ走れる。スーパーマーケットが閉まる22:00頃までに買い物さえ済ましてしまえばいいだけの話。

北へ。北へ。 遠くに見えていた山もすぐに近くなって、すぐに通り抜ける。
入り組んだ海岸線が山の際まで入ってきているので、山が終わるとすぐに海だったりもする。

山が多いせいでトンネルも増える。町に近いところでないと制限速度は70Km/h。当然そのスピードのままトンネルに入る。ところがトンネルの中はほとんどライトがついていない状態。日本の高速道路のトンネルとはわけが違う。
しかもトンネルによっては、中央斜線のないところまである。そんなに狭いトンネルを70Km/hですれ違うときは思わず「ひぇ~」なんて声が出てしまうほどドキドキする。
しかもこの暗いトンネル。もちろん入るときに私たちの視力が下がるのはもちろんだけど、出た時だって同じ。トンネルの終わる瞬間に気を引き締めていないと、外に出た瞬間に何も見えない。

19:00。何度目のいや~な長いトンネルだっただろう。
気合を入れて、タイミングを見計らってトンネルを抜けた瞬間。
二人で歓声を上げた。
広い湖の周りまで山が突き出てきている。山の上のほうには雪渓も見える。
しかも。しかも!
湖のほとりにはキャンプサイトまである。
スーパーマーケットに寄りたいなんて言ってる場合じゃない。今夜はここで寝ることに、即決定。



早速テントを張って、バーベキューの支度。キャンプサイトだから、今日はシャワーも浴びられる。バンガローもあるけど、私たちはテントを張ることに下。場所代は120krone。水もあるし、悪くないじゃない?
湖の周りにはまるでビーチのように砂浜・・・砂浜って言うの?湖でも・・・?いやいや、とにかく白い砂地が広がってる。
バーベキューはここでしましょう。


アペタイザーにスモークサーモンのサラダ。薄切りのオニオン、ディル、パセリ、ホワイトペッパーをかけて、最後にレモンをたっぷり絞る。
これはあるものをありったけ使ってスモークサーモンのサラダを作り始めてから毎回同じレシピ。食べ切れなくて残してしまっても、レモンとハーブでマリネートされて、後からサンドイッチにするのにぴったりになる。
なんせスモークサーモンはたっぷりあるので、この旅行中毎食このサラダを食べた。スモークサーモンは私の好物なので、毎日食べてもさっぱり飽きることがない。

フェリーの中の免税店で買ってきたビールと、ドイツから持っていたポルトワインでかんぱ~い。



山の陰に日が入ると急に空気が冷たくなる。山に囲まれたところなので、日は沈まなくても山に隠れる。

Elkの足跡が砂に残ってる。
彼らは早朝動き回ることが多いらしい。ここまで水を飲みにくるんだろうか。

座ってるところからの景色があんまりに気持ちがいいので、なかなかテントに入る気にならない。
よし。
今日はここで寝ましょう。せっかくテント張ったけど。夜中に・・・って言っても明るいけど・・・寒くなったらテントに入ればいいということになってそのままスリーピングバッグを用意。私のは二重にしてさらにあったかく。
Elkが来たときに目が覚めるといいなぁ。


0:00。Wolleは近くでまだ火をたいているバンガローにもう1本ポルトワインを持ってお邪魔しに行く。
「あっちでまだパーティーしてるみたいだよ」って、さっきから気になってたみたいだ。いってらっしゃ~い。

2:30。寝ている私の枕元でWolleが寒くない??って、覗き込んでる。
辺りは全部が薄い青色に見える。

私のスリーピングバッグは夜露に濡れ、びっしょり。うぅ~ん。言われるとちょっと冷たい気もするけど、中まで濡れてないから、そのまま寝る。我慢できなかったらテントに入ることにしよう。
なんて、ぼんやり思っているうちにまた寝てしまったらしく、気がついたら朝でした。

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