2009/04/09

大阪 ~面白い話~

母の仕入れに便乗して、大阪に出かけた。

東京は祖母も近くにいるし、友達もいるし、時々出かけるけど、大阪は1年ぶりくらい。
そして今日は父も一緒。

母が用事を済ませる間に、父と吉本新喜劇を見に行くことになった。
吉本っていったらTV世界に全く疎い私でも知ってる。「面白いから見に行ってみるといいよ」って時々聞いてはいたけど、実際に行くのは初めて。
新幹線で新大阪に着いて、地下鉄御堂筋線にのり、難波へ。そして駅から劇場へ。
結構簡単にいけることに喜びながらチケットを買う。
隣のお店でビール2本とたこ焼きを買って、いざ。
ちょうど昼の部が始まる直前に席に着く。ぎりぎりにチケット買ったのに、なぜか席は前から3列目のど真ん中。団体さんでもキャンセルしたんだろうか。

私たちが席につくころはちょうど前座の若いコンビがなにやら紹介してる。目の前のステージを見上げるのに、首が痛くなったりしないかしら、って思うほど近く、私たちが聞いている声はマイクを通さずに肉声で聞こえる。
なんだかビギナーズラックみたいな席だ。

前座の後は、今度デビューするとか言う女の子が一曲歌い、気がつくと幕が開いている。
新喜劇だ。
突然ばたばたと始まり、気がつくと周りで笑い声が聞こえてる。おばさんの格好をしたおじさんなんかも出てきて、舞台はにぎやかだ。

でも、今ひとつ乗れない・・・。
話にはついていってるんだけど、今ひとつ何がおもしろいのかわからないなぁ・・・。
なんて思ってるうちに、気がついたら、クスクス笑い始めて、ついには周りで最初から笑ってる人たちと同じくらい笑ってた。
新喜劇の出演者は、きっと毎回同じようなキャラクターが売りの人ばかりなんだろう。もしも、私がその人たちを舞台、あるいはTVで頻繁に見ていたらもっと面白かったのかもしれない。
せりふを言い出すと延々長いひと。立っているだけでろくに話さないのに観客が笑っている役者さん。これは少し上級者向けなのかな・・・。

その後は漫才。
若手から始まり、ベテランまで。15分ずつ回転していく。

名前を知っている人は最初のうちは皆無。でも、面白いものは面白い。面白くないものは面白くない。
面白くないのは、自分たちのことばかり話しているコンビ、かな。自分たちのこと、って言うのも抽象的な言い方だけど、自分たちがどれくらいウケているのか、稼ぎが少ないのか、がんばっているのか・・・。そんな話をここに聞きに来たわけじゃない。
面白いのは、誰にでも・・・要は一般常識程度のことだと思うんだけど、その中から、小さな話を面白おかしく話す人たち。

この「面白おかしく話す」って言うところをみんな聞きにいているんだから、そこが重要なんだと思うんだけど。それが、話し手の面白さによって、ウケル、ウケナイが出て来るんだと思う。
こんな理論まがいのことを言わなくても、そんなことは芸人さんたちはとっくの昔にわかっているんだと思うけどさ。
要は、面白みの足りない人たちは何かを「面白おかしく話す」って言うところにかけているだけだと思う。
きっと、自分の芸がウケルか、ウケナイかを延々話しているだけでも、面白い話をする人が話せばすごくおもしろいんだと思う。

舞台だと、要はTVじゃないと、落語は適当なときがあるよ。って、聞いたことがあるけど、トリの桂文珍は面白かった。
間の取り方、人に注意を向けさせる声の大きさ、話の強弱。
人の笑いの長さまで見ながら話を進めているような気がする。

もういつだったか覚えてないくらい大昔、教育実習に行ったことがある。
そのときに、私の担当をしてくださった国語の先生が、「人前で話す職業に就くなら、落語を聴きなさい」って言ってくれた。落語ぉ??なんて、そのときには思ったけど、今なら、なるほど、とうなずける。

漫才も、話し手が二人になっただけで、基本は同じなのかもしれない。
間みたいなものが、漫才で言ったら「息が合う」っていうことになるんだと思うけど。

とにかく面白かった。
今回日本にいる間に、もう1回行きたいなぁ、なんて思ってスケジュールの載っているパンフレットをもらってきてしまった。

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