2009/04/21

筆ペン

私はとてつもなく字が下手だ。

小さなころから、なんて書いてあるのか読めない、なんていう周りからの不平は絶えず・・・。周りが読めないならまだしも、学生のころなんかは自分でも読むのに時間がかかった。

学生のころ、私のテスト解答用紙を丸写しした友達がA評価をもらい、私がBだったことがある。
戻ってきた解答用紙を見比べても、ほぼ同じことが書いてある。
友達同士で検討した結果、これは私のほうの解答用紙があまりにも汚いので、私がカンニングして、あわてて字を書いたため読みにくいのだ、と教授が判断したんじゃないかということになった。

そんな話が残るほどの私の字も、最近ではパソコンという便利なものが世に幅を利かせているため、それほど目立つこともなくなっている。

だけど、やっぱり、時々は字を、自分の手で書かなくてはならないこともある。
封書の宛名、メモ、はがき、サイン等々。


私の名前は画数が多い。
漢字で書くと、字が下手なことと相まって毎回違う人が書いたように見える。

自分の名前くらいきれいに書けなくてどうする。

なんてことを聞いたことも読んだこともあるけど、もともと字が下手なんだからきれいに書くったって、いや、書きたくったって書けないんだから仕方がない。

丁寧に書けばいいんだよ、なんて言われて、丁寧に書くように心がけたところ、そうすること自体にも慣れていないので、余計に不自然な字になり、まるでロボットが書いたような字になってしまう。・・・・もしかしたら、最近のロボットは私の想像を超えて、自然な字を書くのかもしれないけど・・・。


海外旅行を始めたころ、サインをするたびに困った。
トラベラーズ・チェックのサインを何度も書き直しさせられるのだ。

もう!!!
パスポート見れば私だってわかるでしょ!!
って、いいたいところだけど、トラベラーズチェックには写真がついているわけでもないので、仕方ない。

そんなことも重なり、あるときから私のパスポートのサインはひらがなだ。
最近パスポートを作り直したとき、サインは漢字でお願いします、って言われたけど、もう10年来サインにひらがなをつかっている、というと、特例でひらがなでもいいといわれた。
漢字よりもひらがなのほうが早く書けるし、少しくらい違っても外国人にはわからないというのが理由だ。


と、長々と私の下手な字のことを書いてみたけれど、・・・・・これもパソコンを通してだから、私以外の人も読めるんだろうが、手書きのブログだったら、誰にも読めない日記になってしまうところだ。他の人に読まれたくない日記をつけるには、この上ない私の字だけど・・・。

さて、自他共に認められている私の字の下手さだけど、自分ではそれなりに気になる。開き直るのにも程遠いほどの下手さなのだから。
字が上手になりたいなぁ、なんても思う。

そこでひらめいたことがある。
普段多少字が下手でも・・・いや、多少じゃないんだが・・・筆で何かを書いたときにはそこそこ見られる、となれば、それはそれでいいんじゃないか、と。
そうしたら、宛名なんかは筆で書けるわけだし。
持ちなれていれば、筆で書く字は味のある字になると、聞いたこともある。

よし。
何か書くとき、それがつまらないメモでも筆で書くことにしよう。
と、言うことで、やっとタイトルの「筆ペン」が出てくる。
筆で書くといっても、常に墨と筆を用意しておくのも面倒なので、筆ペンを使うことにする。

少し前からこの習慣を決めたんだけど、このほんの少しの間にすでに気づいたことがある。
すべて筆ペンで書くって、結構面倒なのだ。

小さなメモ用紙に、小さな字でメモを取るなんてこともできない。慣れないせいか、字が小さく書けないのだ。しかも、後になるにつれ、どんどん字が大きくなる。
買い物に行くときのメモですら、今まで1枚で済んでいたメモが3枚も4枚も必要。

しかもすばやく書けない。
すばやく書こうとするとすべての字がつながって、読めないどころか、何のメモだったのかすらわからなくなる。しかも紙は真っ黒。

もちろん墨がボールペンのインクのようにすぐに乾くわけではないので、指につく。指を紙に擦り付けて、さらに紙が汚れる。

せっかくだから縦書きにしよう、なんて、また余計なことを思いついたものだから、持ち歩いているノートも使いにくい。あっち向いたりこっち向いたりしてる。

と、今のところいいことなしだ。

小学校のころ少しお習字をしたことがある程度で、書き方も知らないのにこんなことをしているのは、本当はバカバカしいことなんじゃないか、なんてちょっと思ったりもする。

でも、もう少し続けてみようかな、とも思う。
少なくとも飽きるまで。
いや、あきらめるまで、かな。

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