先日90にもなる祖母が、埼玉からはるばる遊びに来た。
呆れるほどに元気だ。
でも、自分のテリトリーでないところに何日もいるのは、やっぱり飽きるらしい。
そこで、たまたま母が枝打ちをした柿ノ木の枝にある葉を使ってお茶を作ることにした。まだ若芽で、お茶を作るのに最高の葉ではないといわれる時期だけど、祖母の退屈を紛らわせるのにはちょうどいい。
「一緒にやる?」なんて誘ってみると、祖母は飛びつかんばかりに乗ってきた。
しかも、自分のうちにも柿の木があるのに、今までそんなことをしたことがないらしい。ただ、昔、緑茶は作っていたらしいので・・・どこでお茶の葉を手に入れていたのかは疑問だけど・・・お茶の作り方は知っている。
枝打ちした枝から、葉をもぎる。
まだ小さな黄緑色の葉をもぎるのは、もう少し季節が過ぎて濃い緑色の葉を取るよりも簡単。
祖母とおばと私の3人で葉を集めると、竹ざるにいっぱいになる。
今度はそれを洗って蒸す。
3,4分蒸すだけ。蒸した後は、黄緑色の葉が和の色の鶸色とでも言うのだろうか、黄緑色と黄土色の間のような、落ち着いた色になる。
この後、荒熱を取って、軽くもみ、ざるに入れて干す。
というのが私が今までしていた方法。
ところが祖母に言わせると、この「もみ」が大切だという。
軽くもむんじゃなくて、こすり合わせるようにしっかりもむ。
軽くもんだだけでも簡単に出てくる粘りが、さらに出てくる。
それを少しばらしてざるへ。
もんだせいで、葉と葉が丸まってくっついているので、からからになるまでに少々時間がかかる。
祖母は、乾燥の度合いが気になるらしく、数時間おきに葉をひっくり返したりしてる。
「ここでしっかり乾燥させないと、中でカビが生えちゃうんだよ」
結局、祖母が帰るまでに完全には乾燥しなかった。
でも、何か一緒にしたことが楽しかったらしく、自分のうちの柿の木の枝うちをするときに、自分もお茶を作ると言い出している。
埼玉へ祖母とおばを送り届けて、帰ってくると・・・。
父が開口一番。
「風で縁側のざるが飛んじゃって、お茶がこんなに少しになっちゃったんだよ~。」
あ。
本当だ。1/4くらいに減ってる。
でも、残ったお茶はからからに乾いて、ころころしてる。
早速飲んでみた。
今まで自分ひとりで作っていた柿の葉ちゃよりも色も味も濃い。
mmmmm。
これはあのモミモミが利いているんだろうか。
甘みもあって、今までの私の柿の葉茶よりも格段においしい。
やっぱり年をとってる分だけいろんなこと知ってるのかなぁ。
普段はそんな風に見えないんだけど・・・。
年の功、年の功。
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