以前、書いたことのあるブレスレットがとうとう切れた。
津波の被災後、プーケットの空港でお坊さんにもらったもの。
ずいぶん長いこと、切れそうになってた。
「切れそうなんだよねー。」
って、誰かに言ったとき、切れそうなところを瞬間接着剤で止めれば?って言われたりもしてたんだけど、そんな、無理やりとどめるよりも、自然に任せようかな、なんて思ってそのまましてた。
そうしたらやっぱり切れた。
当たり前なんだけど。
切れた瞬間、「しく」って感じて、「あ。」って思った。
これが切れるころには、私の気持ちが穏やかになってるかもしれない、なんて思ってそうしていた。
実際、今私の気持ちが穏やかになっているかと聞かれれば、YesともNoともいえる。
あの日のことを、忘れたわけじゃない。
あんなに沢山の命が一瞬にしてこの地から消えてしまった日を、その場にいた私としては忘れることができるわけもなく、かといって、私の命がここにある限り、何よりも大きな日ですとも言えない。
それでも、あのときお坊さんが私のために祈ってくれ、マーティンに渡してくれたこのブレスレットは、あの日から4年以上経つ今まで、私の腕にいつもついてた。
それがすとんとなくなってしまった今、腕時計をするにも、シャツに手を通すにも、手を洗うにも、ここ何年かしていた動作が必要なくなり、なんだかさみしい。
0 件のコメント:
コメントを投稿