石巻にいた2週間の間に、同市を本当に沢山の芸能人が訪れた・・・らしい。
毎日そんな話をボランティア仲間から聞く。
で、どの芸能人もこぞって炊き出しをする。
堂々たるテントを張って、誰かが作ったご飯を列をなす被災者の人々に渡す、という作業。
私はテレビねたに極端に弱いので、名前を言われてもわからない人がほとんど。それでも、テレビで取り上げられたり、ボランティア仲間が騒いでいるのを見ると、どれくらいのオオモノが来ているのか想像がつく。
作業に行く前、行った後、車についているテレビを見て、ちょっと思う。
「どうして、地味で体力使う作業しているうちのチームは見過ごされて、笑ってご飯を手渡すだけで、彼らは注目されるのよ」
でも、何日もそんなニュースを見ているうちに見方が変わってきた。
彼ら、彼女たちがご飯を「手渡す」事によって、笑顔を作ることが出来る人がいるんだ、と。その芸能人に会うことで、今いる生活から一瞬だけ抜け出ることが出来るんだろうと思う。
それが、芸能人の力だ。
私が手渡すご飯じゃ、夢の世界まで飛ぶことは出来ない。でもそれがテレビで夢に見る芸能人なら、そのご飯は苦しみを、一瞬忘れることの出来るクスリになりうる。
これはすごい力だ。
自分でそれをわかっているところもすごい。だから彼らは泥だしではなく、炊き出しをするんだ。
最初全く理解できなかったボランティアの形も2週間もいるうちにちょっと、システムがわかるような気になってきた。
誰かが言ったらしい。
金のあるやつは、金を出せばいい。
その通りだ。
自分の持っているものしか出すことは出来ないんだから。
私は時間があったから、ボランティアという形で私の時間を提供した・・・お金は無いからね。
私の母は、時間のある娘がいるから、その娘が出かけていくことをがんばって提供した・・・津波で被災したことのある娘を、津波の被災地に送ることは、彼女にとって楽なことではなかったはずです。
私の姪は、自分達兄弟の持つ絵本の中から、絵本を4冊「贈ってもいい」と選り分けてくれた。私にキティちゃんの小型の毛布も貸してくれました。
それぞれが、自分に出来ることを。それが小さなことだって、十分なはず。
芸能人ほど、沢山の人を喜ばすことはできないけれど。だから、いまさら気づくなんて遅いのかもしれないけど、芸能人ってすごいなぁ、です。
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