2012/04/28

ビデオ 「モテキ」

劇場で見たものではありません。
恒例の、母と一緒に真夜中の映画鑑賞会。レンタルで借りてきたものです。

「モテキ」ってどういう意味ですか?
って、聞いたら又例によって笑われるのでしょうか。相変わらず流行の言葉に疎いのですが。
母に聞かれて、「さぁ・・・。モテル時期、とかじゃない?」

初めて森山未來の作品を見たのかな、私。
あるいは、初めてすごいと思ったのか・・・。

なんだかぱっとしない顔・・・もちろんこれは役を作っているからだろうけど・・・をして、声優顔負けのコメントを入れ、さらに突然踊りだす。
ダンスのシーンの頭に、側転をしたところでは思わず目をむいた。
「今この人側転したよね!!」って。

内容は漫画なのかアニメなのか、なんて感じのノリ。
まぁ、原作が漫画だからこういうものかもしれない。
でも、これが漫画だったらそれはそれでどう表現しているのかな。原作を読んでないのでよくわかりませんが。

とにかく、この役者でこの映画楽しむことが出来た。しかも十分に。
配役は大事、大事。

時々突然カラオケのような画面になるシーンに、最初はとても驚いたけど、よく聞いていくと私くらいの世代のものが多い。
ほかの世代の人が聞いたらわかんないんじゃないかと思う。ちなみに母は何も反応してなかった。

なんか面白い映画ないかなぁ、なんて思っている方がいたら、おススメだけど、これは癖があるのかなぁ、もしかしたら。
30代の人が見たほうが楽しめるんじゃないかと思う。けれど、ノリは20代というか。

興味のある方はどうぞ。
森山未來

「モテキ」

映画 「モテキ」


たけのこの季節

世はゴールデンウィークが始まろうというこの時期。
ここ数日、私は日がな一日たけのこをゆでている。

今年はたけのこの採れるのが遅かったらしい。彼らもちゃんと気温を感じて頭を出すのだ。

毎年、決まった方からたけのこをいただく。
「裏山で採れました。」「実家で採れました。」等々。
今朝取れたばかりのたけのこ。急いで持ってきてくださるなんてとてもうれしい。なんて言ったって新鮮この上ない。
これ以上新鮮さを失う前に急いで茹でねば。

ということで、一日中たけのこを茹でることになる。

下の写真、昨日いただいた分の一部。
狭い台所に一度に置けないほどたくさんのたけのこが詰まった箱から、一度に茹でられるだけのたけのこを台所に持ってきては茹でる。
そして、ありがたいことに、皆さんたけのこと一緒にぬかまで持ってきてくださる。
火が通りやすいようにたけのこの頭を少々落とし、胴体部分に切込みを入れる。
無化を入れ、沸騰したお鍋に入るだけたけのこを突っ込む。
竹串が通れば出来上がり。
まだあったかいうちにおしょうゆでいただくのが、これまたおいしい。
ちょっぴりあくが効いていて、やわらかいのに歯ごたえがあって。
でも、食べ過ぎるとおなかが痛くなります。

昨日は母娘ともに、おなか痛い~~、なんて状態でした。

毎年持ってきてくださる皆さん、ありがとうございます。
おなかが痛くなるのなんてたいしたことありません、又来年もよろしく願いします。

2012/04/17

もしもFacebookがなくなったら・・・

私がFacebookに参加し始めたのは2007年。
かれこれ5年もFacebookのお世話になってる。

仕事上たとえば一度一緒にダイビングに行ったとか、Eメールで頻繁に連絡するほどではないけれど、つながっておきたい人が多いせいもあって、とても重宝している。

ただ、誰も彼もがアカウントを持つようになってからというもの、近い友達ともFacebookでのやり取りがメインになってきてしまった。
「なってきてしまった」という言い方はおかしいのかもしれない。
現に一番使いやすいのがそれだから使っているだけのこと。

ただ、このままこうしてFacebookを最大の連絡ツールとして使っていたとして、もしもFacebookが機能しなくなってしまったら、私は連絡が取れない友達が大勢いることになる。

そして、それはとても困る。

でも、すごく便利なんだよね~。しかもどんどん便利になってるし。
写真の共有なんかもとても便利。

いや、別にFacebookをおススメしてるわけじゃない。
ただ、本当に便利だということ。そして、便利すぎて、少々前述のような不安も感じるほど。

健在でいてください、Facebook。


興味のある方はこちらまで。
Facebook


2012/04/16

Kayak Fishing

ピピでWolleがしているカヤックで釣りに行くスポーツの紹介の映像です。


ジンジャーティー

中途半端にあったかく、中途半端に肌寒かったりするこの季節。

体の中からあったかくなるといいのになぁ、なんて思って、作ってみたのがこのお茶。

この写真がどうして横を向いてしまっているのか、よくわかりません。
ちゃんと縦にしてから取り込んだのに・・・。
見にくくて申し訳ありません。

材料:生姜・・・一片→すりおろす
スライスレモン・・・3枚
蜂蜜・・・好みの量

ティーポットに材料を入れて、熱湯を入れるだけ。

これだけでしっかり体が温まる飲み物になります。

温かいうちにどうぞ。

2012/04/13

「たとへば君 」 河野裕子・永田和宏 を読む

河野裕子氏という歌人がいた。

私が大学院生のころ、思い切って初めて短歌大会に自分の和歌(うた)を応募した。そして、その中の一首を河野氏が秀逸作品として選んでくださったことがある。
表彰式に行ったときに、なんだか厳しそうな人だなぁ、というのが私の印象だった。

それ以来、なんとなく気になる名前ではあった。
だから「河野裕子氏死去」というニュースも少なからず衝撃を持って読んだ。

ただ、私自身、7年前に会った津波のときから、からきし和歌を詠まなくなった。
和歌を読まない間に起こった、河野氏のニュース。
近いような、遠いような、強いけれど、あいまいな衝撃だった気がする。

河野氏の作で、やっぱり私にとって一番印象に残っているのは、
「たとへば君ガサッと落ち葉すくふやうに私をさらつて行つてはくれぬか」
という、かの代表作である。

私が河野氏を初めて知った、そして初めてこの和歌を知ったのが20歳ごろ。そして、氏がこの和歌を読んだのが20歳ごろ。そんなせいかもしれない。
こんな勢いのある、強い和歌を詠みたいものだ、とため息をついた。


先日、帰国して、久しぶりに本屋へ足を運んだ折、平積みにしてある、私の膝あたりの高さの棚にこの本を見つけた。
「たとへば君 四十年の恋歌」
だ。
著者の名を見るまでもない。

この本を母に見せると、
「そうなのよ。この前お母さんも見つけたの。あなたに買っておいてあげようかと思ったんだけど、迷ってたの。」

乳癌と戦いながら和歌を詠み続けた河野氏。
歌人であるからには感受性も人一倍強いはずの氏が詠んだ数百種にもおよぶ恋歌が、ご主人であり日本歌壇を代表する歌人でもある永田和宏氏との相聞とエッセイでつづられている。


発病から亡くなるまでの和歌は、正直言って読み進めるのが苦しかった。


和歌というのはたった三十一文字でつづられているため、余分な修飾がない。その分、私にはストレートに伝わってくる。
一首一首が、どすりどすりと、えぐるように突いてくる。
悲しみ、苦しみ、そしてたわいもないことへの喜び。
誰の人生にもあり得る、でも簡単に見逃しがちな喜怒哀楽まで汲み取り、掌に包むような繊細さで詠みあげている。

久しぶりに自分でも和歌を詠む気になった。

詠むことを避けておりしか七年の空白を今埋めんとすなり

どうして七年間まったく詠む気にならなかったのだろう。
これから、またこれがライフワークになるのもいいかもしれない。


興味のある方へ、参考までに。
河野裕子
「たとへば君 四十年の恋歌」 河野裕子・永田和宏

2012/04/12

医師の発言

帰国してからひどい風邪を引いていて、先日多少評判のいい近所のクリニックに行ってきた。

このお医者さんは行くとたいていしっかりと触診をしてくれる。
横になっておなかを押すやつだ。

で、見立ては、
「一般的な風邪だと思いますが、嘔吐の繰り返しがちょっと気になりますね。でも、アレルギーの症状は出てないから、今日は抗生物質抜きでお薬を出しておきます。これが効かなかったら、再度きてください。それほど強くない抗生物質を出しましょう。」
ということだった。

ところが、翌日から嘔吐以外の症状はひどくなり、ほかの症状も出てくるようになった。今出ている薬で治せるところは治しちゃおうと、数日様子を見たけれど、変わらない、というか、咳も鼻ももひどくなる一方。

咳と鼻づまりで夜、眠れない日が3日ほど続いたので、又同じクリニックに行ってみた。
「ほかの症状も出てきて、嘔吐以外は続いています。特に鼻づまりがひどくて・・・。」
って、言う私に先生は一言。

「鼻だったら、普通耳鼻科に行くんじゃない?どうしてうちに来るの?耳鼻科行きなさいよ。」

・・・。
そうなの?

前回掛かったのがこのクリニックで、引き続き同じクリニックに行くのって普通じゃないの?
しかも、「この薬で症状が治まらなかったら・・・。」っていう話までしておいて、来るな、って。

医師の知識と素人の知識と差があるっていうこと、このお医者さんにはわからないんだろうか。
無教養で申し訳ないが、自分の鼻が風邪で出る鼻なのか、何かのアレルギーで出る鼻なのか、判別できる一般人がどれほどいるというのだろう。
そんなことが自分で判別できれば、町のクリニックなんて要らない。

そして、その言い方。
患者というのは、医師を頼ってクリニックなり、病院へ行くわけだ。
ただでさえ、調子が悪くて行くのに、それにかぶせるようなこの言い方はあんまりなんじゃないかと思う。

私はおそらくこのクリニックには2度と行かないと思う。
さらに、人に聞かれたときに「あそこはやめておけ」くらいは言うはずだ。
だって、今回とても気分の悪い思いをしたから。

医師の国家試験に、患者との対応の仕方に関する問題も出るんだと聞いたことがある。
デリカシーのない返答はよくない、と、習っているはずだ。
よしんば習っていなかったとしても、それくらいは人間として当たり前のこと。

この先生は長いことこの仕事をしていて、大事なことを忘れちゃったんだろうか。
それとも、「医者っていうのは、えらいんだぜ。」「俺は医者なんだぜ。」って、心のどこかで思いながら患者の相手をしてるんだろうか、お金のために。

あるいは、私がそんな返答を引き出してしまうような失礼なことを言ったんだろうか。

よくわからないけど、この先生の一言で私が気分の悪い思いをしたことは確か。

お医者さん、気をつけてね。
医師と患者の間には、知識も、病気に関する経験も、そしてその時点での立場の違いも、歴然とあるんだから。

2012/04/10

小説 「傍聞き」 長岡弘樹

階段文庫から、私の知らない作家さんの本を発見。

文庫本の帯に書いてある文句。

「おすすめ文庫王国」
国内ミステリー部門 ダントツの第1位!

この20年で最高の傑作!
仕掛けと感動の珠玉短編を堪能せよ

さらに帯のうらには、

一切のムダを排して滋味に富み、研
ぎ澄まされた短編ミステリの凄みが
存分に味わえる、これぞ本屋の店員が
「百万部売っても売り足りない!」
と叫びたくなるほどの珠玉の一冊だ!

迫力のある文句。

これだけ書かれていれば、期待は大きく膨らむ。

でも、残念なことに、これは言い過ぎ。

この帯がなかったら、この短編小説がそこそこ楽しめたと思う。
でも、これだけ書いてあって、この内容では、ぶっちゃけていってしまうと作者がかわいそう。

こんな期待を背負わされたら、どんな作品でも色があせてしまう。

この出版社は、この作家のこの本だけが売れればいいんだろうか。

せっかくそれほど悪くはない短編を書いているのに、このずらりと並んだ殺し文句のような言葉の羅列に、中身がどうしても薄れてしまう。


短編でミステリを書くのはそれほど簡単なことではないと思う。
この中に収録されている短編も、ミステリ一辺倒ではなく、心理系と名をつけたほうがよさそうなものもある。
刑事が出てきて、事件が起こったからといって、それが一概にミステリであるとは限らない。

もう一度言おう。
4篇の短編、どれも悪くない。
ただ、この帯がこの本を殺してしまっている。

作家と出版社がどう協議したのかわからない。でも、せっかくの作品が出版社の目論見で価値を下げてしまっていることがなんだかむなしい。

売り上げを取るか。
作品の質を取るのか。

書籍が売れなくなってきている昨今、売り上げ部数を狙うのはもっとも。
でも、今でもまだ書籍を買い続けている私の家族のような人々にとって、この帯は作家の生み出す作品の価値を下げる以外の何物でもないような気がする。


興味のある方、参考までに。
「傍聞き」 長岡弘樹

ベトナム航空 フライトサービス

今回バンコクから日本へ帰ってくるのに、ベトナム航空を使ってみました。

正直に言うと私にとって初耳のこの名前。
値段が安いというだけの理由で手配したので、サービスもまったく期待はなかった。

バンコクから成田まで。ハノイでトランジット。

まずはバンコクーハノイ。
この区間は「え、この距離でこの飛行機?」と、チョイ不安になるようなエア・バス。
シートは3席ずつ左右に並ぶ。飛行機の機種もそうだけど、結構古い飛行機で、こういう値段が安い飛行機に乗りなれていなければなんとなく、違和感があるかもしれない。
もちろん座席に1つずつのテレビはない。
ハノイまでに3時間ほど掛かる間に、1度食事あり。
ブランケットや枕はあらかじめ席においてなく、アテンダントに頼むと持ってきてくれる様子。ブランケットは、かなり厚めで私にはうれしいところ。

そして、ハノイの空港。

到着時間が遅かった割には空港内の免税店頭は何処も開いてる。似たような店が多い空港だけど、23時ごろからぽつぽつと店が閉まり始めた。
ここはWifiが通っているかどうかは不明です。
パソコンを開いている人がほとんどいなかったところを見ると、つながっていないのかもしれない。
ただ、最近何処にでもあるわけじゃない喫煙ルームが2Fにある。
ついでに、マッサージショップがありました。でも、よその空港と比べると料金が高い気がする。


さらに、ハノイから成田まで。
さすがにこの便はボーイング777でした。
各座席に テレビがつき、映画、ゲームなど出来ます。

今回はJALとの共同便で、確かにサービスも同じくらいのものだったような気がする。・・・というか、最近JALでいいサービスは期待できないので、その程度、ということですが。

この便は夜中にハノイ発だったせいもあり、食事は朝食が1回のみ。ドリンクは乗った直後に出てきますが。
食事は、というと。朝食の割にはしっかりした分量が出てきたんですが、味のほうはいまいち。決しておいしいとはいえない。
もちろん日本人のアテンダントも乗っています。 ベトナム人のアテンダントもちょっとした日本語は話している様子。

総合的に見ると、バンコクーハノイ間はこのチケットの値段なら仕方ないかな、という程度。ハノイー成田間は、この料金のチケットにしては割がいいんじゃないかと思う。

初めて乗ったベトナム航空。
次回も乗りたいかと聞かれたら、「この料金だったらいいなじゃない。」というところ。
これがもう少し高かったら、似た料金でほかの航空会社を選ぶかもしれない。

実際、21時から0時までの3時間、空港の冷たいベンチにいることのほうが飛行機の中よりも面白くない時間だったように思う。
あのベンチはものすごくつめたかった。


2012/04/09

Tec 40  ~テクニカルダイビング~

日本に帰ってくる直前にちょっとめずらし目のコースを取った。

数年前まで「テクニカルダイビング」といったら、コース料金も高いし、時間も掛かるし、とにかく敷居が高かった。
Tec Deepと呼ばれていたそのコースが今では3段階に分かれている。

Tec 40 /Tec 45 /Tec50だ。
この数字はこのコースでの最大深度を表す。

今回私が取ったのはTec 40。
テクニカルダイビングの最初のコースだ。

ピピに時々バイト(?)に来る日本人の男の子がこのテクニカルダイビングに興味を持っていた。
それをテクニカルダイビングインストラクターでもあるPhilに話してみると、「お前が通訳で一緒に取るなら。」という半分条件のような形でコースが始まった。
通訳とは言っても、私も一緒にコースを取るんだから、一緒に勉強しなくちゃいけない。

ところが、実際は私がほかの仕事に忙しすぎて、彼は自分ひとりですいすいと学科を終わらせてしまった。
な~んだ、私なんかいらなかったじゃ~ん。
って、ところだけど、せっかく一緒にとってもいいって言ってくれてるんだから、そのまま続けた。

今私が教えることの出来るコースはほとんどが「レクリエーショナル・ダイビング」のコース。
テクニカルダイビングとレクリエーショナルダイビングの違いは、一言で言うととてもシンプル。

レクリエーショナルダイビングは、普段ダイブ中に体内に蓄積される窒素の量が一定量に達する前にダイブを終了する。

テクニカルダイビングは、それを一定量以上溜め・・・要するに深いところにより長く潜り・・・その窒素を体外に排出する作業を行いながら浮上してくる、というもの。

通常よりも深く、長く潜り、そして窒素排出の作業をする。
そのために、一般には背中に1本だけ背負っているタンクが2本になり、さらに体の前面に窒素排出作業用のタンクを1本。
要は2本以上のタンクを持って水中に入る。

よく言われることだけれど、インストラクターレベルのダイバーでも、背負っているタンクが2本になったとたん水中でバランスが崩れる、という。


さて、学科は試験も含めギリギリだけど合格。
「自分の第一言語じゃない言語で、よくがんばりました。」
こんなお言葉をいただくとは・・・・おそらくおまけしてもらってるんだろう・・・ははは。

この学科で、すでにコースを取っている私たちはのけぞるような内容に出会ってる。
すでにレクリエーショナル・ダイビングの常識をひっくり返されたような気分。
新しいことが続々と出てくる。

ふたりで
「これはオープンウォーターコースを取っているみたいだね。」なんて話が出た。

私たちが普段当たり前のように教えているレクリエーショナルダイビングのコースの受講者たちは、こんな風に感じるんじゃないかと思う。
これは自分が教えているコースや教える態度を見直すいい経験だ。

さて、器材の組み立て。
タンクを2本背中に持つということは、もちろんテクニカルダイビング用に特別な器材がある。

「お前にはこの器材、大きすぎるかもしれない。」なんていわれながら、実際に組み立てるときにサイズを最小限にまで調節した。
試しに着てみると・・・確かにアジャスターなんかも一番隅っこまで調節して、どうにか「大きすぎはしない」というところ。

通常使用する12Lタンクも「お前どうせそんなに空気使わないんだから、10Lにしてやろうか?」って言われたけど、なんだか面白くないのでそのまま12Lを使うことに・・・。
こういうとき「お前は小さいから・・・。」って言われると面白くないのは私の性分だろうか・・・。
日本にいれば私は標準サイズなのに、日本以外ではたいていちびっ子扱いされる。これは大変面白くない。
みんなが手を貸してくれようとしていることはわかってるんだけどね。

でも確かにこの器材はとてつもなく重い。
タンク一本12キロと考えると、12Lx2で24キロ。
組み立てる器材だけで、10キロ以上。
前に持つタンクが10Lで10キロとしても、これだけですでに44キロ。
それ以外に予備のナイフ、トーチ、フロート・・・とおそらく50キロ近くになってると思う。

一緒にコースを取った彼は山に登る人なので
「うん、これくらいやったら問題ない」だって。
いいですなぁ、男の人は、力があって・・・。

こういうときにはホントうらやましい。

さて、私が背負うとこうなる。
 この状態で背筋を伸ばすのは不可能。きっと後ろにひっくり返る。

 テクニカルダイバーに女性がほとんどいないのも納得できる。
私がこの仕事をしていなければ、これを背負って床から立ち上がることは不可能だと思う。

なにしろ、この器材の背負う部分だけを腕で持ち上げてベンチに乗せることすら出来ない。 仕方がないから、床から足の力で立ち上がっている。
その方が大変だ、っていわれても、それしか方法が見つからないんだから仕方ない。

初日はこの状態でフィンをはくのすら大仰だった。


さて、水中。
プランをざっと聞いて、飛び込む。

この器材。ウェイトは含まれていない。
それでも、普段よりずっとネガティブな浮力。何もしなければずんずんと怖いほど沈む。
普段エキストラのウェイトを3キロ近く持っている私でも、ここまでネガティブになると少し怖いくらい。
ただ、それように作られたBCD(浮力を調節する器材)なのでコントロールはしやすい。

しかもやっぱり。
バランスが取りにくい、というよりも頭がウィング(BCDの空気が入る部分)にぶつかって泳いでいるときに正面が見えない。
すると、当然足が下がる・・・。と、自然泳ぎにくい・・・。
体勢を立て直そうとするとぐらぐらする。
 「これね。よく言うインストラクターでも・・・って言うやつは。」

さらに水中では緊急用のスキルが待っていた。

まずはエア切れの練習。
自分でまずは右のタンクを閉めて、エア切れサインを出して、予備のセカンドステージにくわえなおす。今閉じたバルブを開けておいてから、今度は左のタンクを閉める。又エア切れ。元のセカンドステージへ・・・。そしてさっき閉めた左のタンクを開ける。

これ、自分の背中についてるバルブの開閉なので、肩が硬い人には届かないんじゃないの?
っていう質問を後からしてみたら、
「そういう人はテックをやるな。」
だそうだ。
体が小さすぎて手が届かない人もできないそうだ。

バランスを取りながら泳ぐ。

前を泳いでいたPhilがくるっとこっちを向いたと思ったら、私の予備のセカンドステージに手を差し出して、パージボタンを押し出した。
えぇ~~!
こんな急に緊急スキルの練習??

壊れたレギュレーターがついてるタンクから先に吸わなくちゃいけないんだから・・・。
なんて大慌てでフリーフローしてるセカンドステージにくわえなおそうとする・・・。
いや、そんな訳ない。
こんなものから呼吸したら肺の過膨張が起こる。
それはファーストステージの故障のときだ。
え?え??
あ!タンク閉めるんだ。 この空気、どのタンクから出てるんだっけ??
左だ!
あわてて背中についてる左のタンクのバルブを閉める。
止まった・・・。当たり前だけど。

はぁ、すごい量の空気を無駄にしたよね、今。


しばらく泳いでいると、気づいたらPhilが私のすぐそばにいる。

ふざけてるのかと思って押し返しながら笑ってたら、ぎょ
空気が吸えない。
ふざけているんだと思ってたら、どうやら私が空気を吸っているタンクのバルブを閉じた様子・・。
急いで予備のレギュレーターに切り替える。


mmmmm・・・・。
手ごわいな、このコース。レクリエーショナルダイビングのコース中に、立てる深さ以深でタンクを閉めるなんてありえない。
Philが近づいてきたら要注意だ。

でも、どうして私ばっかり練習なのよっ!
って、思ってたら、安全停止中にもう一人の彼のレギュレーターもフリーフローされてた。

もうダイブの最後だと思って、気を抜いていたときだったらしい。普段比較的冷静な彼も大慌てだった・・・。

そんなこんなで、最後のダイブは40mへ。
「何処でもいいから40m取れるところまでつれてけ。」
という指示。
40mねぇ。まぁ、こっちのほうに泳いでいけばそのうち40mまで行くでしょ。

結局37mで小さなリーフを発見。
サンゴがどっさりではないけど、いいじゃない?
なんて思っていたら、今までピピ島周辺では見たこともないほど大きなマダラエイがリーフの周りをぐるぐる泳ぎ回ってる。

これは素敵だ。
こんな巨大なのがこの辺りにいるなんて。
3人でエイをじっくり堪能した。


その日の夜はもちろんお祝い。
 コース終了のお祝いに、マスククリア。
大き目のマスクの中にビールを流し込んで、鼻から飲む。
注:よい子はまねしないでください。

ちなみに私は通訳なのでこういうお祝いはしません。

このコース、新しい事だらけで本当に楽しかった。
おそらく通訳なしでも彼ならいけたと思うけど、便乗させてもらってありがとう。

次はTec 45。
どんなコースなのか今から楽しみ。

小説 「歪笑小説」 東野圭吾

東野圭吾の比較的新作。
文庫本が単行本をスキップして発刊されているもの。
「○○小説」シリーズだ。

この作家のほかの小説に比べると、私の好みではない。
でも、このわざとらしい書き方。わざとらしい設定。
何処をとっても遜色ない程度に面白い。居眠りしながら読むのには最適かもしれない。あ、もしかしたらそんな風に読めるように最初から文庫本なのかな。
最近の単行本は正直言って値段が張りすぎる。そんなに出費をしたものを居眠りしながら読んではなんとなくもったいないから・・・?

このシリーズを読んでいると「もしかしたらこんなタッチがこの作者の素顔なのかな?」なんて深読みしてしまいそう。
大阪出身のにおいがしっかりとする。この手のタッチはおそらく名古屋からは出てこない。

何が面白いのかといえば、自分の職業を笑い話にしているところ。
きっと知り合いだったら、何処までが本当の話なのかがわかるんだろうと思う。
そして、知り合いではなくとも、出版業界の笑える裏話のようなタッチなので、興味をわかせるのには十分な発想。

このシリーズを読むと、この作家さんと飲み会を開いたら楽しいだろうな、なんてずうずうしいことを思ってしまう。

興味のある方、参考までに。
「歪笑小説」 東野圭吾

東野圭吾


小説 「女神記」 桐野夏生

最近階段文庫に未読の本がたまっていて、実に幸せな気分。
次に何を読もうかなんて考えないで、積んである上から順番に読んでいってる。

さて、「女神記」。桐野夏生著。
この作家の作品は前にも数冊読んだことがある。
なんとなくおどろおどろしくて、作品名に「グロテスク」というのもあるけれど、実際グロテスクという表現を全作品に使えそうなほど。
初めてこの人の作品を読んだときには、てっきり男性の作家だと思った。
よく言えばそれくらい凄みと勢いのある文章と内容。ただ、いわれてみれば男性にしては表現がねちっこい。

私が今までに読んだことのある作品は、どれも上下巻あるような長編だった。
今回の作品は薄い1冊。

最初に言っておこう。
この作品はよかった。

この作家独特のネガティブな重厚さが、作品の内容とぴったりはまっているような気がする。
古事記をうまく使った風変わりな時代設定も絶妙。

この作家が愛憎を表現したら「なるほど、こうなる」とうなずける。
とくに「憎」。
有り余るような負のエネルギーを、どうしてこうも読者に感じさせられるのか。


ところで。
文庫本の表紙の裏に作家の写真がついてる。
彼女の写真をはじめて見た。
文章からは想像できない顔立ち。マスコミや新聞が取り上げたらまず間違いなく「美女」と表現するだろう。
こんなにきれいな人からこの文章が生まれているということにさらに驚く。
もしかしたらこういうのを「さわら美人」っていうのかも・・・?なんて。あ、彼女は文章に凄みがあるだけで、腹が黒いわけではないか・・・。失礼。



興味のある方、参考までに。
「女神記」 桐野夏生
桐野夏生

2012/04/06

界面活性剤とサメ

先日読んでいた本「海洋生物の毒」。

その本の中にピピ島でも砂地で頻繁に目にするミナミウシノシタの持つ毒について書かれているところがあった。
さらに、
「略・・・このようにミナミウシノシタ毒は確かにサメよけの効果がありますが、最も強い忌避活性を示したのは、洗剤や歯磨きに多用されている界面活性剤のラウリル酸ナトリウム(SDS)でした。」

生活の何処に界面活性剤が使われているのか、意識しながら生活している人は、実際には少ないんじゃないかと思う。
実は私、これに関しては敏感だ。

どうして??

って、私が作っている石鹸には界面活性剤がまったく入っていないから。

そんな石鹸を何年も使っているうちに、界面活性剤の入ったものを使うと、その場で倒れてしまうほどになってしまった。
「天然素材」とか「ナチュラルなんとか」なんて書いてあるものでも、それを信じて使ってみると、たいていは使った後にふらふらと倒れこんでしまう。

なんと、うそのような話だけれど、私自身が、界面活性剤のバロメーターになるのだ。

おぉ、話がそれてしまった。

実際に界面活性剤が入っているのは、主に「何かを洗うためのもの」。
台所洗剤、シャンプー、ボディソープ、歯磨き粉、洗濯洗剤・・・等々。
単純に汚れを落とすための洗剤というのは、汚れを落とした後にその洗った物体を保護するはずの脂質等まで落としてしまうことが多いようだ。
そのため、それを不快に思わないように界面活性剤が入っている、と思われる。
ちなみに私が作る石鹸は、熟成後に天然のスクワランが生成されるので、それが肌を保護する役目をしている。

そう考えると、界面活性剤がまったく体についていない人というのは実際にはかなり少ないんじゃないかと思う。
そして、サメの嗅覚。
「小学校などにある25mプールいっぱいに水を溜めて、そこに1滴の血液を落とす。」
この血液をサメは嗅ぎ取ることが出来るといわれている。

ということは、私たちダイバーの体についている界面活性剤だって、近くまで泳いでくればかぎ分けることが出来るはずだ。
彼らが界面活性剤を嫌っているならなおさらのこと。

ピピ島の水中で私たちがよく出会うのはブラック・ティップ・リーフ・シャーク(ツマグロ)というサメ。
小型で、しかもシャイではあるけれど、しっかりいわゆるサメの形をしたサメだ。
彼らは、私たちダイバーが泳いでいることに気づくと、ささっときびすを返して逃げていってしまう。

これを私たち「シャイだ」なんていっているけど、もしかしたら彼らは私たちダイバーじゃなくて、界面活性剤に反応して逃げているんじゃないか、なんても思う。

もしもそうだとしたら、私たち人間が使っている界面活性剤の量の問題で、いずれサメに会えることはなくなってしまうんじゃないだろうか。
ダイバーとしては、それはちょっと寂しい。

私は島の中のビデオグラファーの中ではサメを撮るのが上手だといわれているようだけれど、もしかしたらその理由は、私に界面活性剤がついていないから、というものかもしれない・・・。

な~んて、私のインストラクターに言ってみたら、「バカ。お前の動きのせいだ。」と軽く一蹴された。

いやいや、本当はそれが真実かもしれない。

でも、人間が出す界面活性剤のせいで、サメの数が減る、なんていうことはないといいな。

2012/04/05

小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野圭吾

久しぶりの日本。
そして、久しぶりの階段文庫です。

今回、これはおそらく新作ですね。階段付近に置かれていたけれど、まだ誰も読んでいない様子。
東野圭吾の最新作でしょうか。

相変わらずこの作者の作品の幅の広さには驚かされます。青春物からサスペンス、SFからドラマチックなものまで。
ここまでバラエティにとんだ作風を書ける作家は古今東西探してもそれほどたくさんいないんじゃないかと思う。

この「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はドラマ、というんだろうか。
それほど癖もなく、失礼な言い方になってしまうかもしれないけど、ものすごく読み進めやすい作品だった。
少々涙あり、色恋あり、ドラマあり。
この作者が時々使う、時事背景をうまく使った作品だと思う。
どの年齢層の読者にも理解も出来、かつ具体的な説明なしに時代を説明できる表現が多く使われている。もしかしたらこの作者自身が時代や時間の流れをそうやって頭の中で整理しているんじゃないかと思ってしまう・・・そんなことはないだろうけれど。

どこかの宣伝か、あるいは作者紹介で、この作家の作品で私がまだ読んでない本が2冊ほどあることを発見。
ここ数年急激に人気が出てから、あるいはその少し前くらいから発刊のスピードが前にも増して上がった気がする。
でも、間違えると、人気ばかりを追い求めて駄作・・・失礼します・・・も出てきてしまう。
せっかくだから、数は多くなくてもいいから、最後のページに近づくのがもったいなく感じてしまうような作品を書いてほしいなぁ、なんてわがままなことを思ってしまう。

相変わらず好き勝手なことを書いています。
特に作者の方に失礼な物言いがあるかもしれませんが、平にご容赦ください。


興味のある方、参考までに。
 「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 東野圭吾

東野圭吾

2012/04/03

サプライズ帰国

今回、もともとの予定では4月1日のフライトで帰国するつもりだった。

毎度毎度しつこく言うようだけど、私はフライトを探すのがすごく嫌い。今回もまためんどくさがってギリギリまでぐずっていた。
すると、やっぱりこれもよくあることなんだけど、欲しい日程のフライトは満席。

「4月1日の飛行機で帰るよ~。」
なんて、チケットを取る前から家族に言ってた。
それなのに結局取れたフライトは3月27日。

フライトが最終的に予約できたのは3日前のことだった。
これは急がねば、と思って器材やカメラのクリーニングをして、バンガローのクリーニングをして・・・。

そうこうしているうちに、日本の家族に帰国する日を伝えていなかったことに気づく。

いや、実は何も言わないで帰ってびっくりさせるか、ちゃんとフライトの日程を伝えるか迷っているうちに日が経ってしまった。

結局島から出る前日に電話。
「1日に帰るね~。」
と、さらっと言っておいた。そして「又電話するね~。」と、いつにない短い会話。

さて、実際に成田に到着したのは28日。
いつも成田に着くときには埼玉の祖母の家に寄るようにしている。

祖母の家の最寄り駅につくと、なぜかおじが駅に向かっていた。
私の顔を見ているのにちっとも反応してないぞ。ちょっと手を振ってみる。
すると、「あれ!!!???」
いるはずのない人が目の前にいると、いくら身内でもわからないようだ。

祖母は家の前でご近所さんと一緒に座っていた。
「あれぇ?やすこじゃないか。」

さて、この祖母とおじの口から母に伝わらないように気をつけないと。
なんせ二人とも、面白いことが大好きで、大笑いするのが大好き。せっかく島から計画的にこっそり帰ってきたというのに、帰国後にばれてしまってはせっかくのサプライズがなんでもないものになってしまう。

二人をしっかり見張って、祖母の家に1泊。

普段は駅まで迎えに来てもらっているけれど、今回はタクシーで帰る。わざわざ家の手前でタクシーを降りる。

玄関で「ただいま~~!」
母が出てきて、一瞬ぼやっとした顔で私の顔を見てる。
あんまり反応が薄いのでおまけに「ジャジャ~ン!」なんて言ってみる。
すると次の瞬間。
「ええ~????」
「どうして~??」
「あなた~~~。やすこが帰ってきたわよ~~~~!」
「うわ~~~。」

やっぱり、ここでも。いるはずのない人がいると一瞬混乱するらしい。

と、まぁ、今回のサプライズは成功。
このサプライズ。一度はしてみたいと思っていたこと。

以前「あと何日で帰ってくるのね、って思うと何日も楽しめるのよ。」なんて言っていたことがあったから、そういうものだと思ってちゃんと伝えていたけど、たまにはこういうのもいいよね。

どうやら母は「得しちゃった気分」らしい。

2012/04/02

Cavern speciality course ~カバーン・スペシャリティ・コース~

今シーズン自分で好きなコースを3つほど取った。

最近、ともすると新しいインストラクター達からものすごい経験ダイバーのような扱いを受けることがある。
私が本当にすごいダイバーだっていうんだったら問題ないんだけど、実際には時間ばかり経っていて、それほどいいダイバーでも、インストラクターでも、なんでもない。
だけど、周りにそう扱われると、だんだんえらくなったような「気」になってしまう。怖いことだな、と思う。
そこで間違って天狗になってしまわないように、毎シーズン自分のためにコースをとることにしている。

今年取った3つのコース。
セルフ・リライアント・スペシャリティ・コース。カバーン・スペシャリティ・コース。そしてTEC40。
最初のセルフ・リライアントのことはすでにブログに書いた。

今回のトピックと写真はカバーン・スペシャリティ・コースのもの。

一見そうは見えないけれど、実はピピ島周辺の海には水中の洞窟がたくさんある。
スイムスルーにちょこっと毛が生えたようなトンネル上のものから、奥まで行けば島の真ん中に出られるようなものまで。
 
 今回のコース。またしても仲良しのPhilに教えてもらう。
彼はコース・ディレクターというインストラクターとしては最高峰の資格を持ち、なおかつテクニカル・ダイビングのインストラクターでもある。
毎日一緒にいて、ビール友達でいるだけじゃもったいない。
彼から学ぶことは山のようにある。しかも、私があれこれ教わろうとするのを面倒がらずに教えてくれる。
ちょっと珍しいコースを取りたがっている人がいると、あるいは自分が新しい資格を取ってきて、誰かにコースを取ってほしいとき、たいていは私に最初の声が掛かる。・・・これは実際とてもありがたい。

今回、誰がカバーンのコースを取りたいと言い出したのかは知らない。
受講者は4人。私とバディのTomはインストラクター。もうひとつのバディチームのMeganとDabieはダイブマスター。
以前みんな同じ店で働いていたこともあって、よく一緒にいる顔ぶれでもある。

さて、カバーン。
よく聞かれることが「カバーンって何?」という質問。
洞窟に入るダイビングのコースで「ケーブ(Cave)」と「カバーン(Cavaern)」と二つあるから。
カバーンは「ケーブに入って、何処かしらに自然光が見えるところ」。これが簡単な定義だ。ちなみにPADIでは深度20m、奥行き20mまでと決められている。



コースでは全部で4本のダイブ。
そのうち1本は、初めてスペアタンクを持つ人のために、カバーンには入らず、10mほどの浅瀬でラインを引く練習をする。
と、同時にスペアタンクを持ってバランスよく泳ぐことに慣れておく。


ちなみにラインを引く練習は前日に店でも練習している。
どんな風に、どんなところに、どんな形でラインを引いていくのか。
これは、ごくごく簡単なルール。

ただ、このラインは何か緊急事態が発生したときのライフラインになるものでもあるので、とても大切なもの。
普段のダイビングでは必要ないスキルは、これまで長いことダイビングをしていてもそれほどたくさん持っているわけじゃない。

こうやって自分が知らないことを習っていくのは本当に楽しい。
Tomは最高のバディだった。
普段一緒に働いていてもわかることだけど、気が利くし、気がつくし。インストラクターだから、もちろんスキルも伴ってる。

この写真。
実はコースを取っている4人とPhilプラスToyoさんが写真係でついてきてくれた。
というか、新しくカメラとハウジングを買ったToyoさんが喜々として同行してくれた。私たちにとってもコースの写真が撮ってもらえてうれしい。


この日のこのカバーンの中。
ブラックティップシャークが2匹泳ぎ回ってた。
どうやら彼らはケーブの中にいるロブスターを食べていたらしく、真新しいロブスターの残骸が・・・。
そのおかげで、カバーンにしては透明度の悪い状態だった。

一般にケーブの中は非常に透明度がいい。
流れもない。
したがって、中に入ったダイバーが下手なフィンキックで巻上げでもしない限り、気の遠くなるような静けさとクリアな水の中で泳ぐことになる。

そういうダイブが私はとても好きだ。
自分まで静かに、そしてクリアになっていくような気持ちになる。

12月にビデオを持ってケーブについていったときには、急遽一緒に来ることになったダイバーがケーブ内でもこもこに巻き上げてくれた・・・。インストラクターだというのに・・・。

今回はサメがかき回してくれてた。

・・・。ここんところケーブ内の透明度はついてないみたいだ。


カバーンから出た後、コースの最後に、各自持っているスペアタンクを使う練習。
ちなみにこのタンク。使うときまではバルブが閉じてある。
「あ、エア切れだ。」ってことになってからバルブを開ける。そんな練習だ。

仲のいい人たちと一緒に取ったせいもあってか、楽しいコースにだった。
次回はケーブのコースかな・・・。

2012/04/01

シニアインストラクター

先日、友人の名刺の肩書きに「シニアインストラクター」と入っているのを発見。

この名刺は店が彼のためにオーダーしてくれたもの。彼自身の意向で「シニア・・」と入っているわけではない。

私より1つ年上で、髪も年々少なくなっている彼。苦笑いしながら「なんか、うれしくないよなぁ、この肩書き。」だって。

その顔が面白くて「シニア」を連発しながら大笑いしていると。
私がよくコースを教えてもらってるフィルが横から
「バカ。Waltee(名刺の彼)がシニアなんだから、お前もとっくにシニアだろ。」
・・・・。
そうですね。
Walteeが今インストラクター8年目。私は11年目。

私のほうがより シニアだ。

「シニア」って聞くとなんとなく「年をとった」っていうイメージになる。でも実際は「シニア」がつくと「経験豊富な」っていうような意味合いがあり、信用度が高まる。

「お前も名刺作ってやろうか?」
「お前もシニアだ。インストラクターにもビデオグラファーにもシニアつけてもらえ。」

いやいや、私はフリーランサーだから、店の名前が入った名刺はいりません、と丁重にお断りした。
でも私が名刺を作るときにはやっぱりシニアって入れたもんだろうか。


ちなみにWaltee。次に名刺を作るときには「シニア」を取りたいらしい。
店に作ってもらった今の名刺を捨てるわけにもいかず、最近やたらめったら名刺を配ってる。