2009/01/23

サメに囲まれてるとき

ローカルのデイトリップで頻繁に行くダイブサイトにパロン・ノースというところがある。
そこで期待できるのはサメ。
ブラックティップ・リーフシャーク。

スノーケリングに行っただけでも、透明度のいい日には水面からサメが泳ぎ回るのが見える。
浅くて3メートル、深くて9メートルくらいのところでよく見られる。

ビデオカメラを持って一人で泳いでいる私は、数人で泳いでいるほかのダイバーたちよりも、多く、近くサメを見ることができる。
サメのほうも人間のサイズの生物に突然攻撃してくるなんてことはない。ダイバーは水中ではフィンを履いているせいもあって、長く大きく見える。しかも、ブクブク泡を吐いている。サメにとっては避けたい生物のひとつなんだと思う。

ビデオを撮っているとき、やっぱり映像としては「サメがこっちに向かって泳いでくる」とか、「カメラに迫ってくる」とか、そういうのが欲しい。

そういう映像を撮るために、できるだけ水底近くで息を殺してサメを待つ。バタバタ動かないのもいい。

サメの多い日になると、あっちにもこっちにも泳いでいて、どのサメを撮ったらいいのか、瞬時の判断が遅れることもある。
でも、サメの少ない日には、ほかのダイバーたちがあきらめて泳いでいってしまっても、ひとりその辺りに残ってサメを待っていることもある。

そんな時、急に不思議な気持ちになる。
私、一体ここで何してるの??
まぁ、サメがこっちに向かってきてくれるのを待ってるんだけど、それって、普通に聞いたら変な話じゃない?しかもサメが出たら、できるだけ近づこうとしてる。

水底で息を殺しながら、そんなことを思う。

でも。でも。
目の前を2メートルくらいのサメが通っているのを、レンズ越しに見ているとき。映像を撮りながらガッツポーズでもとりたいくらいのこともある。
喜びすぎて、思わず大きな息を吐いてしまってサメが一瞬にしてスクリーンから消えたこともある。

私がビデオを撮っているのを見て、ほかのダイバーがその後拍手をしてくれたことがあった。私はレンズ越しに見てるから、実際にサメと私の距離がどれくらいなのかわからないけど、そのときはカメラぎりぎりまでよってたんだと思う。
そのときは、あんまりに正面から突っ込んでくるサメに、私のほうもちょっとびっくりして、ちょっと怖かった。「そんなに寄ってこないでーーー!!」って思って、思いっきり息を吐き出した。
もちろんサメはあっという間にどこかに行ってしまったけど、映像はちょっと迫力があった。

単純だなぁ、とは思うけど、いまだにやっぱりサメっていうだけで喜んでしまう。どんな種類のサメでも・・・。
まぁ、これはどのダイバーでも同じだと思うけど。
そんなものにいつまでも喜んでいられるから、ダイビング続けてられるんだとも思うけど。

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